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前回の連載で、1971年8月14日から17日まで三里塚で開催された「幻野祭」の新聞記事を紹介したが、その時の実況録音のCDと、「日本幻野祭・三里塚」というDVDのドキュメント映像がパックになった「幻野」(1971・8.14~16 幻の野は現出したか 71日本幻野祭 三里塚で祭れ)というCD・DVDが発売されている。
写真は、そのCD・DVDのジャケットである。
この「幻野」を見つけたのは、ホームページを作成中の時だった。エピソードに書くため、三里塚幻野祭のことを調べようと検索したところ、「幻野祭」のCDとDVDが発売されているということで早速注文して手に入れた。
大学時代、この「幻野祭」の最初のLPが発売され、明大和泉の学館運営委員会室でLPのジャケットだけ見たことがある。「幻野祭」の裏方で一緒に手伝っていた1年後輩のT君が持ってきたものだが、レコードプレーヤがなかったので、ジャケットの写真だけ眺めていた。

私は当日、ステージの後方の売店でカレーライスと清涼飲料水を売っていたが、肝心の音楽は売店でBGMとして聴くしかなかった。警視庁発表だと当日の参加者は1000人となっているが、「幻野」の解説によると5000から10000人。私の感覚でも数千人規模のコンサートだったと記憶している。
オリジナル・アナログ盤解説から、この「幻野」の収録曲を見てみると
1 「涙(ラ グリマ)」 高柳昌行ニューディレクション
2 論争(舞台上でのシンジVS聴衆1名)
3 I Weeping Love Grass The Fleet Circus  落合俊トリオ
4 論争2(聴衆1名VS青行)
5 論争3(反帝学評?VS青行)
6 Free 高木元輝トリオ
7 二人のブルース  DEW
8 夏は終わり  DEW
9 論争5(婦人行動隊VS青行)
10 悪い夢  ブルースクリエーション
11 論争6(聴衆VS青行)
12 盆踊り 武田節 婦人行動隊(+加藤登紀子)
13 世界革命戦争宣言  頭脳警察
14 銃をとれ      頭脳警察
15 セクト ブギウギ  頭脳警察
16 銃をとれ      頭脳警察
17 叫喚地獄      ロスト・アラーフ

ネットの紹介文には『ロスト・アラーフ(灰野敬二)、頭脳警察、ブルース・クリエイションといった日本のロック重要人物たちに加え、高柳昌行、高木元輝、落合俊ら先鋭的フリー・ジャズ・アーティストも出演し、日本のロック/前衛ジャズ史に大きな足跡を残したといえるイベントです。この音源には“ニュー・ジャズ”に対し、拒否反応をしめす当時の観客からの冷やかし、野次、嘲笑、ブーイングも収録。演奏中もさまざまな物がステージへと投げ込まれたという、血気盛んで生々しい現場の空気も残されています。』とある。また、収録曲の合間に論争ということで、ステージ脇での青年行動隊と反帝学評(?)の論争の様子なども収録されている。
これらの演奏の他に、DVDでは「ゼロ次元」の貴重なパフォーマンス(全裸儀式)の様子も見ることが出来る。おそらく市販されているビデオやDVDで「ゼロ次元」の映像が見られるのはこの「幻野」だけだろう。
「ゼロ次元」とは
秋山祐徳太子の「泡沫桀人列伝」(2002年 二玄社発行)によると
『名古屋市出身の加藤好弘氏と岩田信市氏によって1960年に結成された日本で最も過激な儀式集団である。(中略)ハレンチテロリストと称して、いつも全裸で儀式を決行した。加藤氏曰く「我々の儀式は世間にエログロ・ナンセンスのハレーションを突きつけることだ」という。確かに当時、週刊誌などにも常に登場し、世情をにぎわせていた。なかでも過激だったのが新宿・紀伊国屋書店の通路上で行った儀式である。防毒マスクをかぶり、全裸のまま右手を上げて行進していく。その不気味な姿に、居合わせた人々はただ呆然とし、行進を見送るばかり。まさに白日夢とはこのことだろう。(中略)そして70年の日本万国博覧会の「人類の進歩と調和」に対抗して、前年の69年に加藤氏が中心となり「万博破壊共闘派」が結成される。69年の年頭から全国的に反万博の行動を展開し、春には京大教養学部のバルコニー上にて全裸儀式を敢行。(後略)』
この京大のバリ祭でのパフォーマンスはアサヒグラフにカラーで掲載され、秋山祐徳太子を含め全員が逮捕されてしまう。
「幻野」では、全裸の男女がムカデのように数珠つなぎになり、足を交互に上げながら「ホイ、ホイ」と掛け声をかける「儀式」が見られる。(あの部分は修正されています。)

1972年8月16日、五山の送り火の日、三里塚ではなく京大で、「三里塚空港粉砕」をスローガンにした「第2回幻野祭」が開かれ、頭脳警察などが出演。
そして2008年6月21日、北海道洞爺湖サミットに反対する「NO-G8! 三里塚ライヴ~Return of GENYASAI~」というコンサートが三里塚で開かれたとのこと。
「幻野祭」は今も引き継がれている。