イメージ 1
1994年に全共闘白書(新潮社発行 全共闘白書編集委員会編)が刊行された。
「プロジェクト猪」(1947年生まれの猪年にちなむ)が事務局となって、当時、全共闘に関わった人たちにアンケート調査を行い、その回答と事務局の呼掛け人座談会、大学当局者・教員のコメントなどを編集してまとめた本である。
このブログを見ている方の多くは、すでに読んでいると思うが、私は最近まで読んでいなかった。
ブログを書くには読んでおく必要がある文献と考え、図書館で借りて読んでみた。

全国81大学・高校の250人近い方々のアンケート回答が掲載されている。
アンケート項目は以下のような46項目に及ぶ細かいものである。
運動参加の理由、自己評価、あの時代に戻れたら、革命、社会主義の有効性、運動と人生観、印象的な闘い・事件、元活動家の沈黙、運動を離れた主因、運動は人生に役立ったか、運動による損害、過去を家族に話しているか、運動の歴史的役割、現在の学生運動の停滞、子供が学生運動に参加したら、当面の最重要課題、10年後の最大関心事、現状、年収、女性と家庭、家事・育児の男女分担、子供と塾・予備校、外国人労働者、自主的活動、労働組合、倫理に反したこと、嫌いな文化人・言論人、憲法、安保条約、自衛隊、自衛隊のPKO参加、日の丸、君が代、国連の安全保障機能、日本の安保常任理事国入り、選挙、支持政党、最も嫌いな政治家、最も好きな政治家、政界再編成のあり方、ぜひ発言したいこと。

明大も19人が登場するが、414B統一戦線の仲間であったK氏が実名で回答を寄せているのを発見した。
【全共闘白書】(新潮社発行 全共闘白書編集委員会編)(引用)
『1.運動参加の理由
  自らの信念で。歴史を変えたいと思い、その原動力は学生しかないと思って参加した。
 2.自己評価
  誇りに思っている。歴史は変わらなかったかもしれないが、社会は変わったと思っている。その中で行動できたことは意義のあることであったと思っている。
 3.「あの時代」に戻れたら
  また運動に参加。人間はそう簡単には変わらないと思う。あの時代の“炎”は完全には消えているわけではない。
 4.革命
  信じていなかった。
(中略)
7.印象的な闘い・事件
 4.28沖縄デー。大学に入って初めての街頭闘争であった。10.21国際反戦デー。学園闘争(1969年)
8.元活動家の沈黙
特に何も思わない。各自生活があり、妻がいて子供がいて・・・。“政治的”な意味がわからないが、社会的な地位の中で沈黙を守っている仲間は少ないが・・。
9.運動は人生に役立ったか
少なくとも“闘うこと”のみは持続。それが経済的な目的のみであっても、また他の世の中を相対的に見ていられることは何にもまして役立つことである。
(中略)
54.安保条約
堅持
55.自衛隊
合憲
57.日の丸
認める。赤ヘルがブントであり、青ヘルが社青同であり、白ヘルが中核であるように日の丸は日本の国旗である。
58.君が代
認める。インターナショナルが労働者の歌であるように、日本の歌はとりあえず君が代である。
64.支持政党
新政党
65.最も好きな政治家
小沢一郎 
(後略)      』

革命は私も信じていなかった。あの時代に戻ったら私も再度、闘争に参加すると思う。それが敗北と分かっていても。
「日の丸」と「君が代」に関する例えはK氏らしいが、強引だなあ。
白書を読んでいて、好きな政治家に小沢一郎を挙げる人が多かったが、K氏もその1人か。

この本を見て、「全共闘白書」のアンケートが私のところへも送られてきたことを思い出した。
当時、私的には「沈黙の時代」。アンケートの何も書かれていない回答欄を見ながら、書こうと思っても「ことば」が何も出てこなかった。
結局、白紙回答で名前だけ書いて返送した記憶がある。
アンケートでは「今こそ語り始めよう全共闘世代」と呼びかけていたが、私にとって、語るべき時代はまだ先だったのだ。