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連載No97の続きです。
6月に入ると「大学運営に関する臨時措置法案」いわゆる大学立法粉砕を掲げて、多くの大学が続々とストライキに入る中、明大でも四大スローガンと六項目要求を掲げて、全共闘結成から全学バリケード・ストに向けた動きが加速していく。

6月6日、六項目要求についての和泉地区総団交が開催され、二千人を超える学生が参加、6月7日も生田地区で一千人の学生の参加により理事会・農学部教授会団交が開催されたが、いずれも進展なく物別れに終わった。
六項目要求に対する大学側の見解は以下のとおりであった。
1 学生部廃止
 学生部は学生の意思を受けとめ、大学当局にそれを伝える窓口として現在必要な部署であり、直ちに廃止する考えはない。
2 処分撤回
 学費紛争にともなう処分は、各教授会の固有の権限にもとづいたものであり、学校教育法に定められている。
3 農学部の帝国主義的再編粉砕(農学部の充実)
 農学部校舎を増築する計画はない。
4 寮の完全自治権獲得
 入退寮選考権は寮が学生一般の負担により設けられているという事情にもとづき、他の学生に対する公平の原則及び社会に対する教育上の責任という観点から、四条件を学生側が認めない限り、容認できない。
(注)四条件 〃从囘理由のみによって選考すること3時間以内の通学者は除くことA考結果について大学側に報告することぢ膤悗領正程ならびに同細則は話し合って改訂すること
5 学館の管理運営権獲得
 学生会館の設計・施工・予算権については大学が制度上責任を負った行為であり、学生側の要求は認めようがない。学館の管理・運営については、生命・身体の危険などがない限り学館特別委員会にまかせている。
6 健保の赤字全学学校負担
 学生健保は学生により組織された互助組織であり、財政の赤字は組合の相互扶助精神から見て組合費で運営されるべきであり、要求には応じられない。
また、中教審答申・大学立法に関する大学側の見解は学長声明のとおりであり、具体的には国会、文部省、都議会に出向き抗議の意思を表明しているというものであった。

一方、4月12日の駿河台学生会館への機動隊乱入に続いて、6月11日、駿河台の明大図書館に再び機動隊が乱入し、学生の怒りは頂点に達した。

【日大“スト1周年”荒れる 学生デモ警官と衝突】朝日新聞1969.6.12(引用)
『11日午後、東京・神田駿河台の明治大学で「バリケード・スト1周年記念」の集会を開いた日大全共闘の学生約千五百人が、集会後のデモで機動隊と衝突、機動隊は投石する学生を追って明大構内に入り、46人を公務執行妨害などで逮捕した。
学生たちは日大の各校舎が大学側によって閉じられ、機動隊がぐるりと警戒していたため、明大9号館内に集まり、集会を開いたもの。
明大校舎内にはいった機動隊員は、便所にいた女学生まで引きずり出して足げにしたり、倒れこんだ学生を踏みつけたり。
本館2階の図書館実習室に「ヘルメットの学生3人が逃げ込んだ」とおしかけ「学生たちが勉強しているので、責任者が来るまで待ってほしい」という大学職員の制止を聞かず、中にはいった。
このため、中にいた約二百人の学生が「機動隊帰れ」と抗議したが、1人1人身分証明書の提示を求められ、約1時間にわたって取り調べられた。(後略)』

機動隊は、4月12日の学生会館乱入で多くの誤認逮捕者を出したことで、6月11日は着色液を使用、着色液が付いた学生を逮捕した。(写真は朝日新聞から転載)

学内では6月17日の臨時学生大会に向けて、クラス討論や代議員選出が始まった。私のクラスでも授業をクラス討論に振り替えてストの是非の討論と代議員選出を行なった。
スト支持の1声を挙げたのは、その後414B統一戦線のリーダーとなるN君、浪共闘で鍛え上げられた経験を活かしスト支持を訴える。しかし民青系のH君がバリスト反対で対立する。
すかさず私とK君(414B統一戦線)がスト支持の応援演説。体育会系の学生は黙って聞いていた。
流れを決定づけたのは、ある心情三派学生の一言。「私はデモなどの行動を起こすことは出来ないが、ストを支持する。」
私のクラスはスト支持を決議し、私とN君、K君でクラス闘争委員会を立ち上げた。

6月11日、全共闘結成準備会が開かれ、その後、約300名が和泉校舎1号館をバリケード封鎖した。
このバリ封鎖には私も参加した。バリケードつくりは初めてだったが、社学同学生の指示でロッカーを階段から降ろしたり、入口に並べたり。

6月15日には、日比谷公園で開催された「6.15反安保集会」に明大から約500名の部隊が参加。私の属していた414B統一戦線も、黒ヘルで初参加した。
(つづく)