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前週に続き、5月9日のNPO法人原子力資料情報室共同代表 伴英幸氏を囲む会合について報告する。今回は伴氏の話に続く質疑の様子である。
Q:会場からの質問、A:伴氏の回答

Q:『中部電力は浜岡原発を止めたら1日7億円かかる、火力発電の方がコストが高いと言っているが、原発を作っても廃炉にしてから20年近く手当てをしないといけない。総合的な流れからいくとコスト的に高い、廃炉する期間を見ていない。実際のところはどうなのか。』
A:『一方的にキャンペーンを張ろうとしている。コスト計算は原発に有利なようになっている。例えば火力の耐用年数は15年に対し、原発は1年多い16年。火力は毎年燃料費が上がっていくのに対して原発は据え置くという、そういう優遇策がある。その辺を同じ条件で計算すると原発の方がちょっと高いという結論になって、耐用年数16年で計算してもやや高いという結果になっている。それをうまく隠している。
燃料費がかかるのは織り込み済みなので、それほどコストに影響してくるとは思わない。』

Q:『燃料の再処理は技術的に確立しているのか。』
A:『日本はプルトニウムを取り出す技術を持たせてもらえていない。六ヶ所も東海もフランスからのもので、重要な部分はブラックボックスである。
六ヶ所でトラブルを起こしているのは、唯一日本の技術で作ったところで、日本の技術のあり方そのものが問題なのかと思うが、日本の技術は未熟なところがあってうまくいっていない。』

Q:『日本の原発は全部アメリカ製なのか。』
A:『最初の1基はイギリスから来たが、日米関係が優先して2基目からはアメリカのライセンスになった。アメリカは新規発注が78年から途絶えている。既存の発注もスリーマイルの事故で半減する。それで80年代後半からは全く作らない状態になっているので、アメリカには製造技術はない。日本はライセンス契約で建ててきているので、一応製造技術は保存している。元のところはアメリカのライセンスで、ライセンス料を払わなければ何もできない状況である。』

Q:『原発の青図そのものも日本にはないという話を聞くが。』
A:『日本では2つの流れがあって、自主開発路線を以前の科学技術庁がとっていた。「もんじゅ」もその流れの延長。ところが通産省とか電力会社は金をかけてコツコツ開発するのに反対で輸入して国産化していこうという路線で、基本的にそちらが勝ってしまった。』

Q:『学者の問題で当初70年代頃は反対派も賛成派も論争をやっていた。反対派がドンドンいなくなって、唯一京大に5,6人いるということだが、実際にそういう構造になっているのか』
A:『5,6人ではなく3人くらいになってしまっているが、そういう構造になっている。批判的学者を育てない構造になっている。独立行政法人になってからもっとすごい。』

Q:『原子力資料情報室の活動の内容と、今回の原子力に事故を受けて、今後、どのような方向でやっていくのか教えてもらいたい。』
A:『活動内容は、名前が資料情報室なので情報が武器である。認定NPO法人になった。会員制で会員の人に毎月通信の形で情報を返していく。会員は現在2200人位居る。昔、チェルノブイリの時は2800人くらい居た。風化してきたので、また増やさないといけない。よろしくご協力をお願いしたい。
基本的には情報を提供する。その時に処理する情報は各地の運動情報ではなく、どちらかというと、その中身。今回でいうと事故がどういうものであったかとか、どういう本質的問題があったかという切り口で情報を皆に返していくのがメインの仕事である。
後は国際会議を開いたり、研究会を開いたりしているが、全部情報を皆に返していくということ。
それで、これからどうしていくのかということでは、一つには政府の事故調査委員会を追いかけていく。特に出ていない情報が結構あるので、そういうものに着目しながらそれを出していき、追いかけていく。批判的学者が少ないので、その中(委員会)に送り込めない。送り込むだけのチャンネルはあるのだけれど送り込めない。
もう一つは脱原発政策を実現しないといけないので、原子力に取って代わるシナリオが結構出ている。その辺をうまく出していきながら政策転換できないか、ターゲットは経済産業省ではダメなので、国会の方でそういう動きが出来るのか、大きな戦略としてどこにどうアタックしていくのかまだ見えていないところもある。」

(No191-2に続く)