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No194の続きで、明大生田のY氏からのメールを紹介する。
私からの「コスタリカに行くきっかけのようなものを教えてください。」という質問への回答である。 

【Y氏からのメール】
『現在、北で国境を接するサンディニスタのニカラグアと、カリブ海の川を境とする国境でもめている。
 ニカラグアは、チャベスと組んで、パナマに替わる大運河計画を立てている節がある。
このため、カリブ海側の川の付け根を確保したいらしく、コスタリカ側に軍隊を駐屯させてしまった。軍隊がないので、武装警官を派遣してニカラグア軍と対峙している状況だ。
 コスタリカの対抗策は、外交のみである。まず、米州機構(OAS)理事会に不当を訴えた。北アメリカ(いわゆる日本で言うアメリカ、南北両アメリカはどこでもアメリカ)主導なので、当然ニカラグアを非難する。リーガンの時に、選挙で選ばれたサンディニスタをコントラを使って反革命を起こさせた北アメリカだから当然のことだ。
さらに、河口が鳥の大繁殖地なので、ラムサール条約違反でハーグの国際司法裁判所に訴えている。
 このままニカラグアが引き下がれば良いが、今回はチャベスと組んで、膨大な石油収入による資金の裏付けがあるので、簡単に収まりそうもない。軍隊なしで、この事態をどう収めるか見守っている。

尻切れトンボになったが、以上が与えられた4課題である。
ガッコ終わって40年経ってみると、当時の記憶が薄れてしまっているのが情けない。
私の友人の中には、日本から1万2千キロ離れた、地球の裏側にメールが行くかと本気になって心配している方が何人かいました。でも大丈夫です。ちなみに、時差は日本の15時間遅れです。日本時間から3時間引いた、日本時間の昼なら夜、夜なら昼です。』

『皆様お元気ですか。
小生の住所が決まりました。
11月10日に、首都サンホセでの一カ月のスペイン語学校を終えて首都から65kmカリブ海側(東)のトリアルバにやって来ました。あと100km余りでカリブ海です。バスで2時間半くらいかな?
20km北にトリアルバ火山、北西20kmにイラズ火山があります。
トリアルバ火山は噴煙をあげていて、昨年は降灰がひどかったそうです。活火山は、九州四国を合わせた地に10個以上あります。凄いでショ。 
標高3821mの富士山より高い休火山チリポ山が南西50kmにあります。
いつか仲間と登ります。
みな、山並みが平らなので富士山のように高く見えません。

この地は農業が盛んで、酪農(ジャージーが多し、搾乳時以外は放牧)、高低差を利用した野菜栽培(人参、ブロッコリ、玉ねぎ、なぜかハヤトウリの平棚栽培、そして言わずとしれたコーヒー(近くに700haある、コスタリカ最大の農園があるそうです。)
標高1700m越えの峠道の、両側の急傾斜地(奥多摩並み)でも農業が盛んに営まれていて感心しました。
土壌は、伊豆大島や八丈・三宅と同じ玄武岩由来で、黒褐色で作物の生育具合から見て肥沃そうです(Yの感想)。
以上の事、英語とスペイン語チャンポンで何とか聞き取りました。

CATIE(熱帯農業研究・教育センター)は、コスタリカの人は、誰でも知ってる位有名ですが、在留日本人ボランティアは知りませんでした。
何勉強してんだろうね?(中略)
農場は大きく、畑は1,000ha(1匯擁?砲△蠅泙后
熱帯果樹、ナス科(ナス、トマト、トウガラシ)、ウリ科、サトウキビの遺伝子保存農場があります。
小笠原で有望で、たぶん日本に無い「食用になるヤシの芽用ヤシ」(新芽が地面から叢生する)で且つ、その実を茹でるとイモみたいな味のするヤシの実、熱帯果樹ではCASカス、こちらでは、ジュースにして飲みます。酸味と香りが良いです。
サポテ、カニステルなどなど他にいくつか有望な果樹があります。
2年間で、何かいいもの見つければと思っています。』

今年の1月から連載してきたY氏のメールは、今回で最終回である。
私の質問に丁寧に回答していただいたY氏に感謝するとともに、コスタリカでの今後の活躍を期待したい。
このメールは、今後、ホームページの「明大闘争の記録―関係者の証言」コーナーにまとめて掲載する予定である。

(終)