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前回(No203)の続きです。

『7. 先人が残した遺産を活かす
(奥尻島)青苗地区の仮設住宅はどこにつくられたか。
いろいろもめた。一般的には高台がいいということで、高台を候補地にして穴を掘ったら下から貝塚が出てきた。アイヌの人たちはここでしか住まなかった。それを現代人は仮設の住宅をそこに建てようとしている。
アイヌはそこに本宅を作っていた。その高さが青苗地区を襲った津波の高さを完全にクリアする高さだった。
仮設住宅を本住宅に切替えることを今の(横路)衆議院議長が北海道知事の時に青苗地区を道で買い上げて、高台の方に住宅を建てさせた。今の衆議院議長はそういう経験を持っているのだから、北海道でやったことを東北でもやればいいんだよ。
経験が実績として生きてきていない。厳しい中でも残るような家の建て方がある。
今、低いところで流されたから高いところと言っているが、話しが違う。何故、低いところに居たのかということを解明しない限り、国策としての方針が出てこない。
東北でも、今あそこを掘っても貝塚は出てこない、先人が住んだ形跡がない。先人が住んだ形跡がないところに原発を作ったり家を作ったりして、そして絶対安全だという神話を作り上げて、人を住まわせて毒薬を今製造しているんだ。
だから考古学というのは、実際の我々の今の生活の中に関連させなければいけないのに考古学は論文のための学問になってしまっている。

それからもう一つある。郵政の合理化の中で地名変更があった。全国の地名がいろいろな名前に切り替えられてしまった。
これで何が起こったかと言うと、実は人間が住んではいけないような走水だとか谷地だとか大谷地だとか、これは谷地であって、水が来た時には水が着きますよ、ということを先人は地名で残している。
能登の志賀原発は横は穴水だよね。水が溜まっちゃうところなんだよ。(筆者注:半島の反対側)
水が溜まるということは、そこに大きな断層があるということ。そういう名前を全部切替えることにより何が起こっているかというと、過去の我々の先人が残した文化遺産が全部、近代合理化の中で失われている。家を作る、土地を買う時は古文書を調べて自分の土地を前は何だったかということを調べないとダメ。

8.提案
具体的な提案だけど、ナショナル・トラスト運動をやって、グループを作って、そのグループにガイガーカウンター器を1台、これを資料室で開発すればいいと思うが、もっと簡便で素人でも操作できるようなものを独自に開発してこれを十人集まったら1台渡す、この人たちに権利をナショナル・トラストの権利書として担保すると同時に、その人たちにしっかりと地図の上にプロットして、そこの定点観測をさせるような形で運動の中に取り入れていくというやり方を提案したい。
仕事を与えることにより、厖大な資料が時系列に基づいて出来上がっていく、そういうことをやる必要がある、今の機械は扱い難い。』

ナショナル・トラストとは、一般的には自然環境等を開発による環境破壊から守るため、市民活動等によって買い上げるあるいは自治体に買い取りと保全を求める活動であるが、中村氏は「放射能汚染により田んぼで(稲を)植えられなくなったら、三里塚と同じようにモニタリング・ナショナル・トラストですよ。」と言っている。
田んぼの稲を植える権利をNPOなどが買い取り、その場所の放射線のモニタリングを定期的に行ないデータを集める、という提案と理解した。
今回の話とは別に、6月4日に開催された中村氏の「明大土曜会」での講演もあるので、いずれ、ブログで紹介したい。

【9.19脱原発集会の案内】
8月6日、明大、日大、芝工大の3大学で、9.19脱原発集会への連携した行動を確認しました。「脱原発」にも様々な思いや考えがあるかと思いますが、「日本を原発に依存しない社会にしていく」ということに賛同し、声を上げたい方は、3大学の旗(写真右)の基に一緒に行動しましょう。
集合時間と場所は、12:30明治公園の日本青年館口近辺です。3大学を中心に小集会を持ちます。

◆◆◆さようなら原発集会 集まれ!!5万人◆◆◆(写真左)
日時……2011年9月19日(祝) 13:30~
場所……東京・明治公園
集会規模……5万人(集会後、パレードがあります)

◆◆◆さようなら原発1000万人アクション◆◆◆
実行委員会では、9月17日~19日を「福島デー」(仮称)として、全国・全世界に全国アクションを呼びかけます。
呼びかけ人は、内橋克人さん、大江健三郎さん、落合恵子さん、鎌田慧さん、坂本龍一さん、澤地久枝さん、瀬戸内寂聴さん、辻井喬さん、鶴見俊輔さんの九人です。