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(No221-1の続きです。)
(写真は新版「叛逆のバリケード」から転載。)

『N「全体会議って夜よくあったでしょ、彼がそこで質問したことを印象的に憶えている。
途中から党派(中核派)の集会ポスターに日大全共闘の名前が出るようになった。そしたら彼が「こんなこと何時確認されたんですか?」と。で、「我が日大全共闘が直接民主主義制をとるならば、こういう全体会議やいろんな会議の場でちゃんと確認されてないのに、党派のポスターに勝手に日大全共闘の名前を出すのはおかしい」って、彼はそういう主旨で言った。
そしたら出てきたのはTだよ、Tが「運動の中ではいろんな情宣活動があり、その中にはプラスの座標とマイナスの座標があって、このことを出すことがプラスの座標に合致するとなれば出していいんだ」と。マル中のポスターに日大全共闘の名前が入ってるのは、Mの息子が言うには、おかしいと、こんなのは何時どこで確認されたんだと、質問したわけだよ、そしたらTがプラスに作用するからいいんだ、というふうに言った。Tって知らない?」

Y「知らない。」

T「そんなこと言ってた?」

N「泊まり込んでいた時、夜の全体会議でそういうことがあった。Tはマル中の活動家で有名だよね。あの頃、文理の集会に白衣着て出てきて、化学科だから、「私は本来だったら、研究室でフラスコを持っている手に今マイクを持って訴えているんだ」というアジテーションをやった。いやぁ、文理は色んなのいたよね、他にもすごいのいたよね。今でも克明に憶えてますよ。」

Y「すごいですね。語り部」

N「語り部というほどじゃない。その時俺たちは一兵卒だったけど、色んな場面場面は憶えている。やっぱり俺は田舎者なんだな、フレッシュだった、色んなことが。自分の意識だとか知識の中で、これはすごいなとか、色んな、学生の言動を大体憶えている、そういうことですよ。だって、田舎から出てきた人間って最初は右も左も何も分からないんだって。だから、オタオタして辞めちゃうか、入っていくかしか無いわけですよ、」


8 明大和泉の亡命政権時代

N「明大前の改札口から和泉校舎へ向かう細い通りの角に洋食屋があって、そこを曲がると雀荘があった。」

Y「雀荘はいっぱいあった。一回曲がって雀荘が並ぶ細い道を真直ぐ行く。」

N「細い路地があって万年塀があって歩道橋があって甲州街道になる。明大和泉校舎の正門から入って左側にメインの建物があって右側に3号館か何かあったでしょ。」

Y「4階建てのね。」

N「最初あそこに居たんだ。」

Y「民青の拠点だったんだよ、69年。」

N「エッ。あそこに行ったら、ここはお茶も飲めるしコーヒーも飲めるしいいとこだよ、なんて言われてあそこに入り浸るようになったんだよ。夜なんか怖いんだよ、あそこ。なんとなく。」

Y「あそこはチョットね。ぽつんとある感じだからね。」

T「隣にお寺か何か・・・墓地。」

Y「奥の方にね。樋口一葉の墓があるんですよ。」

N「文理のバリケードが解除されたら、当然のごとく明大の和泉校舎を拠点にしてとかなり前から言われていたけど、あれはどういう風にして渡りつけたのかね。亡命してあそこを拠点にするというのは。」

Y「当時(明大和泉に)は社学同、ML派、解放派の3つ、マル中もいたけど、だからそういう(党派)ルートでいってるんだろうね。全く、ポーンというわけにはいかないだろうね。」

N「俺は単純に文理がバリケード封鎖解除になったらどこ行くのかなと思っていたら明大ね、あそこ拠点にして泊まり込んでやるんだって文闘委のSが言ってたんだ。そういう意識あった?」

T「そりゃ、言われてたからね。」

N「ほんと?誰から?」

T「Uさんなんかに言われてたからね。」

N「やっぱり我々の見えないところで、いろいろ動いていたんだな。明大でよく飯食いましたよ、学館の食堂で。」

Y「東大の駒場、東Cの関係者も来てたね。」


9 負けたらお終い

N「政治的な(意識)を持っている人は結構いたかもしれないが、それが全てではない。やっぱり俺は典型的なちっぽけな正義感じゃないけど、そういう所から始まっているわけだけどね。
でもあれだけのエネルギーを出すって事はどっかで、当時、日大に学生運動はないって言われていたけど、やっぱりそういった感覚を持っていたやつが居たんだろうね。でないと、あれだけの運動は展開出来ないと思うよ。
当時俺なんか、知る由もない。後から分かった話っていうか。やっぱり明大とか法政とか中大とかさ、学費闘争もあったしね、学生運動が常にあった、早稲田もそうだけども、ウチらは何も無かったわけじゃない、そういう意味では。そこでいよいよああいう大きなうねりが出てきたのは、もう本当にそうなんだろうね。」

Y「そういう意味で言うと明治は、恵まれていたかも知れないけど。」』

(No221-3に続く)