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前回に引き続き、重信メイさん(国際ジャーナリスト)のシリア取材報告の後半を紹介する。
今年の1月、TV取材のスタッフとしてシリアの現地に入った時の報告である。
(報告は読みやすいように編集しています。)
(文書が長くブログの字数制限を越えるため、No244-1からNo244-3に分けて掲載します。)

<取材報告:後半>
『(報告前半のホムスの取材状況説明の続きです。)
最初、私たちは自分たちの車でホムスに行きたいと頼んだんですが、結果的に私たちジャーナリスト全体をまとめて政府のバスでホムスに行ったんです。
攻撃とかキズナップ(誘拐)されることを止めるために、前後にセキュリティーが付いていた。私たちはその時、あんまり考えなかったんですが、後で本当にセキュリティーのために付いていたんだなと思いました。
1週間後にフランス人のジャーナリストが、同じバスのツアーで行った時に殺されたんです(1月11日)。
私たちが行った週に同じことが起こって、私たちが狙われて殺されてもおかしくなかった。
その時何が起こったかと言うと、ホムスの政府側の街にジャーナリストが行って、政府側の人たちのデモを取材していた。
私たちもそういう取材していたけれど、そういう取材をしている人を反対勢力が狙った。
ミサイルってまだ刺さっているんですよ。3本飛ばしたから1つは刺さっていたんですね。うまくいかなかったのか良く分かりませんが、刺さっている状態を見ると、ミサイルの航跡からどこから飛んで来たか分かるじゃないですか。ミサイルが飛ぶ距離で、地図とか見ると○○から飛んできているのが明らかに分かる。
その時も、最初に発表してる反対勢力は地元の人ではなくて、海外のトルコから外側から発表している。海外メディアのずるいところは、BBCなどほとんどのところはベイルートとかトルコからレポートしている。
実際に地元に行って地元の全てを見ている訳ではなくて、隣の国からいろんな情報収集しただけでレポートしている。

もう一つは、シリアに入ってきても反対勢力だけを取材しようとしているので非合法的に入っている。非合法的に入ったということは、シリア国内では反対勢力に付くしかないんですね。全部を見ようと思っても全部は見れない。
私たちみたいに合法的に普通に入った人は全部取材できる。政府側の取材もできれば自由に歩ける訳です。自由に移動できる。危ないところに行くのは自分の責任だけれど、移動は自由だから、そういう意味では反対勢力を取材しようと思って非合法的に不正に入ったジャーナリストたちの取材の結果は、明らかに反対勢力側のことしか見ていないので、そういうものしか報道されないのは当たり前のことだと思っている。
殺されたフランス人は、私たちみたいにビザで入った人だったんです。ミサイルが飛んできて、最初のミサイルはデモに対して飛んできた。デモに対するミサイルを普通にジャーナリスト的に撮りたいということで行ってしまった。
ジャーナリストというのは、たぶん一番最初に情報を撮りたいという本能的なものがある。ただ、戦争という状態が一つ加わった時にはそれではダメです。相手がどういう方針でやっているか把握して取材に行かないといけない。
今回はより多くの被害者を出したいということで事件を起こしているので、最初のミサイルで現場に飛んで行ってしまうと、2重3重の爆破というのがあるんですね。
イスラエルの手順とイスラム原理主義者の手順というのは、イラクでもそうなんですが、最初の爆破があって、そこに助けようと思って人が集まるじゃないですか、それを狙って2番目の爆発事件、イスラエルの場合はミサイル飛ばすというのがよくあるから、それだけは気を付けなくては、と一緒に行ったみんなに言っていたんですが、まさにそのフランス人はその罠に落ちてしまった。2番目のミサイルで殺されたんです。
だからそういうこともあって、その次に1ケ月後くらいにまたイギリス人とフランス人のジャーナリストが殺されたんですが(2月23日)、その人たちは反対勢力に付いていたんです。
反対勢力に付いていたんですけれども、政府の許可を取って入っていたらダマスの街の取材もほったらかしでさせてくれるんだけど、ホムスみたいな危ないところはバスにエスコート付けて送ってくれたりとか、一応安全は取ろうとしていた。
ただ、反対勢力は政府でも何でもないから守ろうとはしてくれない。撮って欲しいけれども、必ずしもそれで完全に身元を確保してくれるかというとそうでもないから、政府側の攻撃があった時は反対勢力と同じような危険性があって、それで亡くなったというのが、前回、非合法的に入った2人が普通の攻撃で殺されたという状況です。
危ないと言えば危ないんですが、全部を取材しようとした方がいい点があると思った。それでいろいろ見てきたことがあります。

(No244-2に続く)