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(No280-1の続きです)

安斎『皆さんこんにちは。時間が10分しかないので、うまいこと話せないので、大雑把に話をします。昨年、WHOが飯館の住民は20から50ミリ被曝しています。でも100まで行かないから健康に影響ない。そして、福島県にIAEAが入りました。これは福島県の私たちの被曝事故を黙殺しようとしているんです。そして、先月末、WHOが出した福島県のガンリスクで、特に飯館は高い。すでに福島県の住民は(ガンは)出ています。これからも出るでしょう。出ない方がいいんですが出ます。
飯館の住民も福島の住民も何かしら体に影響が出ています。自分も出ています。たまに会う人の顔を見ると、顔が一回り小さくなっています。これは被曝と精神的なストレスだと思います。特に飯館は、賠償は個人でやれと、飯館の村長を始め飯館の議会の人は何も聞いてくれない、そして今年の秋に帰村宣言をする。この前、国会議員の先生と私も話をしましたが、飯館は3年5年で帰れる村じゃない、30年スパンくらいで考えなくてはいけない、そこに帰そうとしている。「自分たちは自民党政権ですから1から見直します。復興住宅の方も進みます。」そういう話はしていただきましたけれど、政治家というのは言葉は悪いですが、ウソを付くのが商売、選挙公約は破るためにあるものだ、国民のためにあるものじゃないです。
これを見てください。(スクリーンに写真が映る)福島の子どもです。放射能で外で遊べない。昨年、保養に行きましたけれど、福島の子どもが一番先に触るのは土、植物。福島の子どもは外で遊ぶことが出来ません。土にも触ることは出来ません、水も触れません。子どもにつらい目に合わせるのは誰か、国と原発村です。
あれだけの大事故を起こして責任を取ろうともしない。そして、今もなお原発がいつ火を噴くか分からない。あの原発1基が爆発すれば、あそこに近寄ることが出来ません。次から次と爆発します。それにもかかわらず帰そうとしています。事故の時に自分たちに何も情報が伝わらない、飯館も故意に被曝させられています。帰村させて事故が起きれば、自分たちは死にますよ。4号基も危ない。そして黒い煙も出ています。これは東電は「ディーゼルエンジンを吹かすから出る」と言っています。今のディーゼルエンジンはあんな黒い煙は出ません。白い霧で覆われている時もあります。
そして野田総理が冷温停止収束宣言をしたので、国はこれ見よがしに自分たちを村に帰そうとしている。行政で一番悪いのは飯館です。これは断トツに悪いです。3分割するにも住民に何の説明もない。経済産業省の方に話をしたことがあります。「200万福島県民は日本人ですか。日本人じゃないでしょ、人間でもないでしょ、自分たちは国、行政、県にも研究材料にされたんですよ」そういう話をしたら経済産業省の人も下を向いて、一言も返事が出来ませんでした。
まだまだ話すことはあるんですが、時間なので、後で聞いていただければと思います。どうもありがとうございました。』(拍手)

郡司『ありがとうございました。人権の問題が出されましたが、昨年の7月に福島市で中央官僚との話し合いをした時に、あるお母さんが「福島県人には他の県のように人権があるんですか」と聞いたら、官僚が「あるかどうか分かりません」と言った、こういう話も聞きました。本当に官僚というのはどうなっているんだろうと思います。
では次です。伊藤延由さん、よろしくお願いします。』

伊藤延由(いとう のぶよし)さん
【1943年生まれ。2010年3月、農業研修所「いいたてふぁーむ」管理人。水田2.2ha、畑1.0ha耕作、2011年3月水田6.0haに拡大を計画、震災発生。2011年4月、農業作付制限を受け休止。2011年6月に福島市内に避難。2011年11月、飯舘村新天地を求める会を組織し、事務局を担当。2012年5月、村民アンケートを実施(政経東北と共催)、2012年12月、飯舘村成人アンケート(日大 糸長研究室)に協力。避難所から通勤し施設管理。】

伊藤『ただいまご紹介をいただきました伊藤です。よろしくお願いいたします。私は実は、縁あって2010年に飯舘村に入植しまして、会社の農業研修所の管理人をやりながら、2.2町歩の水田と、約1町歩の畑を、全くの素人だったんですが、やって、すごい楽しい1年を過ごさせていただいたんです。ある程度成果が出て、2年目は6町歩やろうとしていたら、あの3・11で全てダメになった。私は福島市の雇用促進住宅に避難させていただいて、間もなく2年になりますが、その内500日は飯舘村に通て施設の管理などをやっています。そんなことで、飯舘村以外の情報はあまり持っていません。

(No280-3に続く)