イメージ 1
(文書が長くブログの字数制限を越えるため、No280-1からNo280-3に分けて掲載します。)

もうすぐ3月11日がやってくる。あの福島第一原発事故から2年となる。
3月3日(日)、明治大学リバティーホールで、経産省前テント広場やたんぽぽ舎などの主催で「福島原発災害に学ぶ 福島・首都圏の集い」が開催された。
この集いには、井戸川前双葉町長、大熊町の明日を考える女性の会、飯舘の新天地を求める会など福島の方々11名がゲストスピーカーとして参加し、様々な角度から福島の現状について報告があった。
福島の現状については、マスコミでも伝えられることがほとんどなく、福島原発災害が引き起こした問題が忘れられ、風化させられようとしている。このような状況に立ち向かっていくためには、福島の方々の声を広く伝えることが重要だと考える。
そのため、この集いでの11名の方々の発言を、数回に分けてこのブログに掲載することとした。以下、その発言である。
(録音が聞きとれない部分など、発言の一部を省略しています)

「福島原発災害に学ぶ 福島・首都圏の集い」 
●主催者代表挨拶:渕上太郎(ふちがみ たろう)さん
【経産省前テント広場代表】
渕上『福島原発災害から何を学ぶのか、そしてまた今の福島から何を学ぶのか、という角度から今日の集会が持たれました。現代史研究会、経産省前テント、たんぽぽ舎、福島原発事故緊急会議、反原発地方自治体議員・市民連盟の共同による主催で本日の集会を開催したいと思います。
言うまでもなく、一昨年の12月に政府は原発は収束したと宣言している訳ですけれども、
この3月11日のあの大きな、しかも甚大な、そして深刻な事故は基本的には何も終わっていない。
線量も高いし、そこから逃げ出す子供たちが依然として県外に避難せざるを得ない。あるいは、賠償交渉でも東電が出し渋っている。そういう状況の中で、マスコミや行政が、あたかも福島の事故は終わったんだ、残りの課題は除染と帰還なんだということで動き始めている訳です。私たち首都圏の者たちは、必ずしも十分に福島の立場に立って理解が出来ていないかもしれない、そういう状況だと思うんです。
本日の集会は、大変お忙しい中を十数人の方が、今日、みなさんに何かを訴えに来ているということについて、是非、みなさんもお考えいただき、改めて脱原発、反原発の運動に力を出していきたいと思います。
主催者を代表して一言ご挨拶を申し上げた次第です。
今日、お並びの方は全部福島の方々です。福島の方々のご意見、あるいは現在の状況について聞いていきたいと思います。
今日の司会の郡司真弓です。よろしくお願いします。』

コーディネーター:郡司真弓(ぐんじ まゆみ)さん
【1950年福島県いわき市生まれ。横浜市在住。1984年から生協活動を通じて環境・平和・人権活動に関わる。1998年に神奈川県内でリサイクルショップの収益を海外支援に充てるWE21ジャパンの設立に参加し、2010年まで理事長を務める。2011年3月11日の大震災とその後の原発事故を受けて福島の人たちが孤立しないために、そして福島の人たちと共に生きるために同郷の講談師神田香織たちとNPO法人「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」を設立し、事務局を担う。】

郡司『皆さんこんにちは。私は福島県いわき市平というところで育ちました。3・11以降、そこに暮らす友人、親戚、親もおります。夫も郡山出身です。いたるところに福島に暮らしている仲間がいる、と胸が張り裂ける思いを今までしてきました。しかし、福島から一歩、茨城、千葉、東京、そして今住んでいる横浜、だんだん離れれば離れるほど原発に対する認識の違いを本当に感じてまいりました。
私もいろんなところで話をすると、首都圏の人たちからは「福島の人たちの声が聞かれない、聞こえにくくなった」という声も聞いています。
本日はこのような11人、3・11をどのように過し、その後、どのような生活を強いられているのか、生の声を聞く非常に貴重な機会だと思っています。
本日は5時までの長い時間を予定していますが、それを共有していただき、首都圏に住む私たちは福島と一緒にどのようなことをしたらいいのか、ということを考える機会に、是非していただければと思います。
11人の方にいろんな話を思うだけ話していただきたい、聞きたいと思っているんですが、時間が限られておりまして、大変申し訳ないんですがお一人10分でよろしくお願いいたします。
さっそく第一スピーカーの方からお話を伺います。安斎徹さん、よろしくお願いします。』

安斎 徹(あんざい とおる)さん
【1947年、飯館村に生まれ、育つ。現在は飯館村小宮地区から伊達市内の仮設住宅に避難。長年、出稼ぎ、葉たばこ、野菜作りからグリーンツーリズム、水田耕作で生活を営む。3・11後「まげねど飯館!!」の活動に参加、現在は「新天地を求める会」】

(No280-2に続く)