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 No113の続きです。
7月10日、早稲田大学で大学立法粉砕の全都全共闘総決起集会が開催された。(写真は明大新聞から転載)
【選挙カーに“ナンセンス” 都内の全共闘派が集会、デモ】
1969.7.11毎日新聞(引用)
『「大学立法粉砕7.10全都全共闘総決起集会」は10日午後、全学ストに入ったばかりの早稲田大学キャンパスに、都内約30大学の全共闘派(反日共系)学生約五千人が集まって開かれた。
同7時近くデモに移ったが、ゲバ棒なしで新宿、四谷、虎ノ門を経て日比谷公園まで2時間半にわたり、デモをした。
学生たちのヘルメットの色はとりどりで、各派入乱れての集結ぶりを示していた。
途中で都議選の各政党の宣伝カーに出会うと「ナンセンス」とヤジる風景も見られた。』

7月に入ると夏休みが近いこともあり、集会やデモの動員力も落ち始めた。この集会には、明大から約200名が参加したが、6月に比べるとかなり少ない。
私はこの日の集会に参加したが、明大の部隊が早大の会場に到着する頃には集会はすでに始まっており、「明大到着」のアナウンスがあると、他大学の全共闘部隊から盛んな拍手で迎えられた。

翌11日、駿河台の記念館で大学当局との団交が開かれたが、こちらも参加したのは二千人程度で、バリケード・スト突入時の盛り上がりに比べると寂しい状況であった。
団交では再び全共闘承認問題が取上げられたが、大学側は「個人加盟の全共闘は交渉相手としては認めるが、最終的な調印の相手は全学加盟の学生会とする」との見解を変えず平行線のまま終始した。
さらに学生部問題が取上げられ、全共闘は「学生部を廃止せよ」と迫ったが、学生部長は「私個人には学生部を廃止する権限はないし、学生部は学生諸君のいうような弾圧機関ではない」として結論は出ず、この日の団交は決裂した。
また、同日、約200名が参加して全二部共闘会議が結成され、議長に本間晟豪氏(ML派)が選出された。

この7月上旬の各校舎の様子が明大新聞に載っているので見てみよう。
【和泉 さながら不夜城 徹夜でバリケードの警備】1969.7.17明大新聞(引用)
『(前略)平穏にスト態勢が続いていたやさきの6日に起こった社学同統一派の突然の“内ゲバ”騒動に、機動隊学内立ち入りの噂も乱れ飛び、戦々恐々としはじめた和泉地区のこのごろ。
スト突入以来、登校する学生の数は少ないが、和泉地区にたてこもる全共闘の志気は一向に落ちていないようだ。
昼は各クラス・サークルの自主講座が盛んに行なわれ、夜になって毎晩7~80人は泊まりこむ。特に全共闘和泉地区本部のある1号館は夜になると総ての部屋という部屋に明かりがともって、さながら“不夜城”の感を呈している。(後略)』

私が所属していた414B統一戦線の部屋も1号館にあった。泊まり込みはN君が殆ど行なっており、私はバイトの傍ら校舎に顔を出すという生活をしていた。
N君には1人だけ苦労を強いたようで申し訳ない。

【生田 三里塚へ農業実習】1969.7.17明大新聞(引用)
『(前略)第1班の農経2の1、2の7人は7月5日に出発、1週間農業実習を身体で体験して帰ってきた。「開かれた大学」とはブルジョアのためのものではなく、全存在をかけて権力と闘っている底辺にこそ開かれるべきである、というのが彼等の考えであり、それを実践したものが今度の三里塚実習である。
期間は1週間であるが、9月まで入れ代わり立ち代り、続々と遠征隊を送り込む予定である。交通費は駅前で集めたカンパで間に合うが、食事代は1日基本的には250円だという。
向こうに着いたら、2、3人ずつ各農家に振り分けられ、泊まり込む。働いてやるのだから食事代はタダでも、と思うかもしれないが、「農民は生活をしながら闘っている。決して裕福ではない。食費ナシということは、彼らの闘争に対する経済的破壊へつながる。」として、自費出費しているという。(後略)』

【本校 深夜のハプニング】1969.7.17明大新聞(引用)
『(前略)7号館の学生約30人がデモをかけて、バリ内に入ろうとしたところ、「民青か右翼らしきグループが10号館付近にいる」との情報が入った。各校舎に泊まり込んでいた学生にも伝わり、本校地区は一時騒然とした。
真っ先に馳せ参じたのは二文闘委。20人の武装学生が10号館下の坂道をかけおりて行った。すると、約100メートル向こうにヘルメット、角材、鉄パイプの1団約30人が身構えていた。(中略)
闇を通して、しばらく対峙した後、突然アキビンが目の前で砕けた。と同時に「ワー」と“敵”が攻勢に出た。“味方”はしばし後退。
「逃げるな」の声、そうする内、約30人の応援部隊が駆けつけ、勢力を盛り返した。
いっきに本学学生が反撃に転ずると、向こうは雲の子を散らすように、夜の闇に消えてしまった。
“敵”の一団は、学生の話によると日大の右翼集団らしい。(後略)』
(つづく)