野次馬雑記

1960年代後半から70年代前半の新聞や雑誌の記事などを基に、「あの時代」を振り返ります。また、「明大土曜会」の活動も紹介します。

2020年08月

今回のブログは、7月10日に掲載したNo547の続編である。
No547では、6月6日に開催した明大土曜会での、慶応大学法学部4年 田中駿介さんの「コロナ事態下の大学生と大学」と題したお話を掲載した。お話を受けて、以下の3つのテーマで質疑応答があったので、その内容を掲載する。
1.学費免除署名運動について
2.「要請“した”なら補償しろ」デモについて
3.社会主義について

2020.6.6 明大土曜会
「コロナ事態下の大学生と大学」質疑応答編

Y(明大土曜会主宰者)
今の話を聴いて、我々の学生時代に比べてもっと深刻になっている。それに対して、まだ我々の時代だったら当局の中にもシンパがいろいろいて、大学当局ともある程度話はできた。あと、学生側も自治会があったので、何とか自治会を通して、自治会が機能しなくても日大のように日大全共闘を作って闘いをやった。そういう闘う要素がなくなっている中で、我々の時代より厳しい学生生活を送っている。何となくそうじゃないかなと聞いてはいたけれど、今回のコロナ禍を契機にしてそういうのがくっきりと浮かんできたと思う。
彼から提起があったことについて質問などありましたら発言をお願いします。

学費免除署名運動について】
(2月11日の「高校闘争50周年」集会第三部で登壇したI君からの発言)

1

I君
國學院大學の3年生のIです。「学費減免署名運動」が各大学でネット署名が始まっているというのを聞いたことがあると思いますが、それによって大学によっては何万円返すとか給付しますとか奨学金制度を拡充しますとか、署名の圧力によって成果を見ることになった運動ですが、私もその中の國學院の部分をやっています。
現在それが200以上の大学に広がって、いろいろ論点があるんですが、大学がそもそも言っていた教育サービスを受けられないじゃないかと言う人たちと、そもそも困窮しているんだ、大変なことになるからお金を返してくれと言っている人たちと、いろいろいます。とにかく学内の問題に今、各大学で目が向き始めて、各大学一つずつくらい署名が出来て運動が始まってきているようです。少しずつそこから学内自治の問題とか考える人たちが出てきているというのが現状と言えると思います。
國學院は僕じゃない、もともと政治的な文脈があまりなさそうな学生が最初に始めて、それに後から僕が協力させてもらえませんかと署名を集めています。偏在1500を超えたくらいで、彼がメディアに出た影響で広がってきていまして、できれば全学生が1万人いるので、半分集まれば確実に大学は動くということなんですが、そこまでは難しそうだなという中で集めています。
その中でも、自宅通学者に3万円、自宅外の人に5万円の給付が決定されました。貸与型の緊急支援金みたいなものが出されまして、10万円ですが、3回まで借りれますが、ただこれは3ケ月で返済しなければいけなくて、使いようのないものが出ています。

田中
回収業者が関わっているんですか?例えば学費を納められなかったら卒業が出来ない、卒業証書がもらえないということがあるじゃないですか、それがどういう扱いなのかな。

I君
それの学長からのメッセージというのはすごく穏やかな言葉で書いているんですが、小さく下に書かれていまして、「なお、学費が所定期日までに納められない場合は、停学または退学、除籍等の対象となります」ということで、卒業どころかそういうことになっていまして、ただ後からもともとの給付型奨学金の人数を増やしますというのは出たんですが、大学側も動きをチェックしていて、話は聞きますよということで、今度、大学と対面の交渉の場を向こうからやっていいということになったのでやりますというところまで國學院は来ています。大学によっては、もっとひどい対応、そもそも署名を集めること自体が個人情報だからダメだと言い出す大学もあります。

(質問)
それはどこですか?

I君
法政大学です。

田中
法政は実は署名運動が2つあって、中核派系とノンセク系がやっていて、さすが法政だなと。

I君
國學院も実は2つありまして、我々がやっているのと、革マルの自治会がやっているのがあります。

田中
ビックリするんですけれども、(署名運動が)いろんな党派の生存確認のリトマス紙みたいになっていて、民青が今一番活発ですけど、慶應出身で起業してべらぼうな金額を取って高校生に塾をやっている集団があるんです。そこの安倍昭恵さんの繋がりでやばい案件があるんじゃないかと週刊誌に書かれた人たちも今回やっているし、安倍昭恵グループもやっているんです。

I君
その中でも比較的リベラルな人たちの方だとは思いますが、(署名運動を)やっているのと、ノンポリ学生がたぶん最多ではあるんですが、そういう運動体もやっていますし、革マルは公認されている自治会がかなりの数ありますから、各自元気にやっています。

田中
この問題は党派を超えて取り組むべきだというのが僕とI君の共通の見解ですし、今回に関してはそうやっていかないといけないと思っています。

2

(質問)
自治会というのはあるんですか?

I君
國學院にはしっかりとした自治会がありまして、革マルは完全に組織している。革マルの自治会の中で1,2を争う強さになっていて、文化団体連盟の下にサークル連合があって、人をちゃんと組織して、団交をプラカードを持たせてやったりビラも貼ってある。

(質問)
慶應は自治会があるんです?

田中
自治会にあたる「全塾協議会」は就職したい人や将来政治家になりたい人の養成(の場)になっていて、民青系のサークルはありますけど4人くらいしかいなかったはずです。ほぼ慶應では機能しているとは言い難い。つまり自治的な意味での自治会はあるんですけれども、就職に有利になるからという理由で三田祭実行委員会に入るとかそういう感じです。

(質問)
自治会には、学生から徴収されているとか、大学からの援助とか、お金の流れはあるんですか?

I君
國學院に関して言うとあります。授業料は引き落としになりまして、大学が代理徴収して、年間6千円だったか、学生が1万人いるわけですから、それが来るらしいです。我々はそれをよく知らないままですが。

田中
慶應もそういう感じだと思いますが、たとえば実質的に三田祭の実行委員会は、企業から協賛をもらうことに終始している。三田実の人に聞くと、企業とコネを取って、いかにお金、広告費をもらうかということをやっていて、これが自治とは思えないので、その意味における自治会はないのかなと思っています。

I君
ただ、この2つの大学は自治会が名前としてありますけど、無くなったところとか、もっと後に出来た大学はそもそもなかったりとか、名前だけだったりとか、サークル活動自体もあんまり出来ていないような大学もかなり多くあると思います。

田中
今、どちらかと言うと、運動に関わるのは霞会というサークルがあって、霞が関に行きたい人たちが集まるようなひどい名前なんですけど(笑)、実は女性問題を扱う運動をやっている人とか、沖縄のジャーナリズムをやりたいという人とか、慶應の左派系の人はそこに集まっていて、ちなみに慶凛会という政治サークルは全部部会の名前で呼ぶんです。自民党を模していて、ミニチュア自民党ですから。

(質問)
それなりに活動している学生は相対的に、あるいは絶対的に少ないと思います。そうすると各大学をまたいだような繋がりというか連絡があって、何か一緒に行動を起こすというような雰囲気はありますか?

I君
皆さんの時代と違うのは、SNSがあるので、皆さんも名刺とかメールアドレスを交換することはあると思いますが、運動現場で学生がいたら若い人が少ないので目立つわけで、話かけてLINEを交換してその後もやりとりを続ければ繋がりは出来るわけです。そういうので皆で繋がって、こういう行動あるよと呼びかけて、だんだんゆるいグループになっていくみたいな形が多いような気がします。

主な大学の学費署名運動一覧(以下のサイトで見ることができます)
「学費減額署名まだまだ拡大中!!あなたの出身大学も!?」

【「要請“した”なら補償しろ」デモについて】

(質問)
5月24日の「要請“した”なら補償しろ」デモ@秋葉原のシュプレヒコールの中に「金出さないと路上で酒飲むぞ」というのがあるが、他のシュプレヒコールと比べてそぐわないのではないか。 

3

(写真:5・24秋葉原デモ)
<参考:「解除しようが補償しろデモ」シュプレヒコール >
解除したなら補償しろ!
終了するなら補償しろ!
これで終わりと思うなよ!
絶望させるな!生きさせろ!
10万足りないもっと出せ!
10万足りない毎月配れ!
10万遅いぞ今すぐ配れ!
ケチケチしないで金を配れ!
警棒出すな!金を出せ!
戦闘機より、金を出せ!
世帯は差別だ、個人に配れ!  
世帯は差別だ、家父長制だ!
マイナンバーと紐づけするな!
生活保護のハードル下げろ!
水際作戦許さないぞ!
仕事がないと生活無理だ!
失業させるな!仕事をさせろ!
バイトがないと学生詰むぞ!
年間100万払えない!
留学生にも金を出せ!
成績要件ありえない!
退学させるな!勉強させろ!
金出さないと飯食えないぞ!

金出さないとデモするぞ! 
金出さないとストするぞ! 
金出さないと路上で飲むぞ! 
マスク2枚じゃ飯食えないぞ! 
アベはやめろ! 
麻生もやめろ! 
小池もやめろ! 
税金使ってCM出るな! 
学歴詐称の都知事はいらない! 
麻生は貧乏やってみろ! 
アベも貧乏やってみろ! 
カビ付きマスクを付けてみろ! 
アベのために死ぬのは嫌だ! 
いますぐアベを引きずり降ろせ!
コロナに乗じて改憲するな! 
コロナに乗じた利権を許すな! 
電通・パソナに利権を流すな! 
自己責任論ありえねえ! 
おうちにいると鬱になる! 
怒っているぞ我々は! 
生きて、奴らにやり返せ!


参加者
あれは渋谷区長が路上飲酒を禁止しているからです。公共の空間で自由に活動できなくなる(「路上飲酒禁止条例」が2019年6月に施行。ハローウインの当日と翌日、直前の週末などの期間に限り、渋谷駅周辺の路上や公園などでの飲酒を禁止する内容)

I君
國學院は渋谷の大学なので、何人か私のサークルのOBとか関わって、去年1年間路上飲酒禁止に反対する運動をやっていました。

田中
あのシュプレヒコールを入れた責任者は私です(笑)。

(質問)
同世代でSNSでデモの様子を見る人がいて、理解できるわけ?

参加者
いや、摩擦があった方がいいでしょう。違和感を感じる方がいるのはすごくいいことです。

4

(写真:ネットより転載 4・12渋谷デモ)
(質問)
あれがコロナの運動のシュプレヒコールになるというのが僕は繋がらないから。

田中
考えなければけないのは、今回のデモは本当にシングルイシューでやるべきだったのか問題という、これは是非皆さんにご意見を伺いたい。今回の運動体は来ている人がすごく多様なんです。僕みたいに月に何回もデモに行けたのはコロナ禍でかえって時間が出来たからという人もいれば、もともとコロナがあってもなくても月に2回以上デモに行っている人もメンバーにはいるわけです。あるいはヒミコさんはもともと路上の会から渋谷という場所の運動に関わりを持って来た。
渋谷のハチ公前を中心とした運動は、基本的に路上で飲んで公共圏を回復せよというところから入っている。今仰ったようにシングルイシューでやるという意味では考えなければいけなかったのかもしれませんが、これは繋がっている問題だというのが僕の個人的な認識で、例えば第5回のデモで日の丸を掲げようとした人がいて、どう対応したかというと、相当話合ったんです。今回のデモに当初は一水会の方がいらして、一水会の人からすると「ちゃんとした国を回復するんだったら金を配れ。そのための日の丸で何が悪い」と言ったんですけれども、「そもそも給付金を出せという場で日章旗を掲げるとどういうことになるかと言ったら、日本国籍を持っていない人は受け取る権利がないというメッセージになるだろう」というような話をしました。現にそういう似たようなことを言っている人もいるわけで、実は今回のコロナで明らかになった問題というのは、単純にコロナの問題ではなくて、元々あった社会問題がコロナで顕在化しているというのが僕の見方なので、公共権の問題も、渋谷で第1回のデモの後路上で交流会をやったら、警察が排除しようとしてきて、その時、4月12日はどこも店がやっていないので、警察に「やっている店に連れて行って下さいよ」と言うわけです。そうすると店があるわけないから「とりあえず他で」と言うので「他ってどこへ行くんですか」とやっていく。繋がっている問題だというのが僕の認識で、1回目のデモでは「路上で飲むぞ」は入れていないんですけれども、これを見た時に、これは今回のコロナと公共圏に関わるなと思って、2回目以降入れたというのが僕からの説明です。ご理解いただけたでしょうか。

参加者
主催者の若い人たちはご存知ないでしょうが、17年前くらいはイラク反戦運動があって、イラク反戦運動の拠点は、68年の時は新宿がシンボル化されたように、渋谷がシンボル化されたんです。無党派系もあったし、中核派系もあったし、だいたい宮下公園を拠点にして結構大規模なデモをやっていた。それに対して、中核がやっているからということではないけれども、宮下公園を公園ではなくしてしまった。民間のものにしてしまった。金持ちが自分の私有物にしてしまった。公共圏がどんどんなくなっていく。それに対する反逆なんです。野宿者排除反対運動と連携しているんです。

田中
渋谷は東急という財閥に半ば支配されていましたが、ますます再開発が進む中でというのは、僕らが渋谷を選んだひとつの意図だったことは間違いないです。

I君
公園に関して私が知っていることを補足すると、公園ってデモの出発地に使うというのがありますよね。

参加者
それしかない。(笑)

I君
記憶によると、(宮下公園は)2015年の工事が始まる前まではデモの出発地にできていたんです。工事のせいで2015年以降は使えなくなって、別のところを中心にやっていたんですけれども、新宿も柏木公園という公園があって、周りの住民からの苦情で使えなくなって、今どんどんデモで使える公園が減っています。

田中
4月12日にハチ公前でデモ出発をできたのは奇跡的なことで、何度も警察に圧力をかけられて、今後デモやるなら人が増えてくるから使わせないと。だからハチ公前出発のデモはなかなか出来ない。ハチ公前で演説すると結構通行人が来てくれるんですね。通行人の反応で言ったら中野とか高円寺と比べたら良くはないけれど、それこそがデモの大事な部分、遭遇とか摩擦とか、5回目のデモで「うるさい」と言われて、でもそれは大事だと思うんですね。元々考えが近い人に話を聴いてもらうのも大事ですけれども、こういう考えもあるんだという事をその人に分かってもらえたんじゃないかと思って、それこそ公共という場所なのかなと思います。

(質問)
シングルイシューというのは理論なんですか?直訳するとどういう意味ですか?

田中
理論ではないです。直訳すると単一論点、単一課題。ある参加者は朝鮮学校の無償化を訴えるフラッグを掲げていました。これに対して「補償」を訴える我々の主張とは乖離するという主張もありましたが、そもそも朝鮮学校の問題も絡んでくる。今回の学校緊急支援は各種学校は対象外で、各種学校というと朝鮮学校、外国人学校、あと予備校なんです。予備校なんてと思うかもしれないですが、予備校生は結構大変らしいです。予備校生に聞きましたけれど、高3を救済するためにカリキュラム減らすと言っているじゃないですか。「高3を救済して僕たちを見捨てるの」という話を結構聞いていて、しかも大学ではないからという扱いで、学費は返ってこないにもかかわらず、授業が始まったのは5月下旬とかで、本当にひどいという話をしていて、同時に朝鮮学校の問題も今顕在化しているわけで、僕はもちろん朝鮮学校の無償化問題も、あと基地問題。辺野古の工事を中止するよりも先に市民団体の方が座り込みの中でクラスターになったらどういう風に反応されるか分からないし、この運動から一人も犠牲者を出してはいけないからということで自粛したんです。先に工事を自粛しろという話じゃないですか。ということで、僕はこれは対立課題ではなく、コロナ禍によって今までの課題が噴出した。でも、補償の話だけしろという人も運動の中にはいます。でも僕はそう思えない。

小林哲夫(教育ジャーナリスト)
挨拶できなかったけど渋谷で遠目で見ていました。コロナ禍で集会・デモをやるやらないということについては、運動をやっている人たちの意見が分かれると思うんです。それは当局から不要不急云々という問題ではなくて、「今の時期出るのヤバイじゃん」という自主的なことで、いろんな団体がシンポジウムや集会を中止しているわけです。ある学者さんはやるべきじゃないと言って、そいう意見が結構あったような気がするんですが、それによって実際やった側としてはどうだったのか。いわゆる当局の圧力ではなくて大丈夫かなとか不安とか、その辺どうだったんですか?

5

(写真:ネットより転載 4・12渋谷デモ)

田中
1回目の時は香山リカさんが「危険だ。言ってることやってることは共感するが今に時期じゃなくていい。やり方考えろ」という趣旨のツイートをされていました。ただ5回目はすごく共感していただいたんですね。僕は4月12日と5月30日、何が違って何が同じか、僕も正直分からなくて、感染症とか公衆衛生に関する事項は全く詳しくないですが、4月12日は今思えば地下鉄に乗っても誰一人いなかったんです。渋谷までの電車で数えたら10両編成で3人か4人くらいでした。5月30日は土曜日で結構混んでいて、正直こっちの方が危ないんじゃないかと感じて、もちろん4月12日の時点は正直怖いものはありました。ただ、僕が運動やって考えてきたことは、僕たちの多くは感染リスクは怖いから外に出ないのではなくて、感染を危惧される中でデモをやったり運動をしたりとか、今のムードに一石を投じることで後ろ指を差される方が怖かっただけじゃないか。4月12日の時点ではそこまで思えなかったんですけれども、今回5回のデモをやって思ってきました。それはネトウヨのカウンター側も最初は「バイオテロだ。何でこの時期にやるんだ」と言っていたのが、いつもどおりの「左翼」だとか普通の批判に変ってきて、ネトウヨも出始めているんだなと思いました。ただ、今小林さんが仰ったように、左派が意見が分かれることは今後は考えていかなければいけない。1回目のデモだと「ロックダウンせよ」というボードを持ってこられた方がいた。僕は想定外でしたが、左派の中でも「要請するなら補償しろ」の裏を取って、補償をもらえば自粛がもっとひどい外出禁止になってもいいという人もいたのも事実です。僕の知り合いの人が、左派が集まって集会をやっているというのを耳にして、「左派は歳も歳だから大事な人たちを殺してはいけない」とか、言っていることは分からなくもない訳ですが。

小林哲夫(教育ジャーナリスト)
何か左派と言われる人たちが、学者や政治家を含めて、緊急事態宣言を早く出せと言っていた。

参加者
今、ことごとく労働組合の集会やデモも、まったく3ケ月位止まっています。理由は一つには、組織動員をかけて結集した場で集団感染させたらどうやって責任取るんだと切り返されてしまうと答えられない、そこの落とし穴に入っている。沖縄関係でも、3月6日に予定していた沖縄の集会が延期になって6月22日に行う予定だったが中止になりました。何故かと言うと、結局、今どうしてもやらなければいけないという意見もあるが、無理して集めて感染させたらどうやって責任を取るんだ、説明つかないじゃないのという人が多いんです。そこに主催者として関わっていたけれども、降りました。2回も延期したらやる意味がなくなる。運動の場でもそういうことに対して反論できないという構図になっている。今のコロナ禍の中で、そういう問題が運動の側に生じてきている。コロナ禍が落ち着くとは思えないけれども、今後、こういう落とし穴に入った運動をどうするかというのはすごく深刻な問題だとつくづく感じています。

田中
その問題は非常に重要ですし、僕も「論座」で書いていろんな反応をいただいたんですけれども、5月あたりに朝日新聞の記事に取り上げていただいて、結構読んでいただいたんですけれども、批評文を載せていただいた方のツイッターを拝見しましたが、「何で外に出ろと言わすんだ。オンラインで全部やればいい」と、そういう人でもとりあえず補償しろということは共感してくれているんだなと思っていて、もちろん個人的にはこれは一番の対立軸なんです。正直言って、解除されたから会おうなんて言ってくる友だちはあんまり信用しないです(笑)。自分で考えられないように見受けられるから。逆に、今もコロナで怖いから外に出ないと言っている人は結構正当性があると思っています。政府が安全だと言ったら安全だとか、完全に福島でやってきたことと全く同じことを持ち込んでやっているわけで、僕は正直、解除されたから会おうと言った人は、やっぱりなと思ったところがあります。これから補償しろとか学費値下げしろと言っている時には、ここは対立軸ではないんだ、これは政府によって一方的に作られた対立軸で、もちろん運動の中でも分断はあったけれども、これは作られた対立軸だから、6月7月はこれを抜きにして行こうと僕たちは開き直らないと、本当に分断させられて、一番得するのは資本だったり安倍さん小池さん、そのためにやっているんじゃないかと僕は思ってしまいます。

参加者
こういうのは新しい生活様式というもの、あれをみんなが徹底したらどうなります?集まれない、組織自体も維持できなくなる。新しい生活様式というものが、今後、我々の生活だけでなく、いろいろな運動とか社会のあり方を含めてものすごく影響してくるのではないか。

田中
僕の「新しい生活様式」は月3回デモに行く、というものだったかもしれません(笑)。日曜日は路上だ。公園で飲むのは結構ハマりましたね。僕たちは僕たちで新しい生活様式というのを、政府に押し付けられたくないんだったら、こちらの生活様式を言っていかないといけないと思いました。

Y(明大土曜会主宰者)
そういう意味では、この土曜会も前回の4月の時はどうするかということで、メールでやりとりした。自粛ムードでやらないというのはおかしいと。ただし、マスクを付けるとか条件を付けてやった方がいいという判断をしたので、そういう意味ではお上が何か言ったから全部ダメみたいな、そういうのは我々の生き方と違うわけなので、かと言ってマスクなしでワイワイやるといろいろある。その辺のバランスの中で我々の生き方をやっていかないとダメだ。例えばここでクラスターになったらワーッと言われる。そういうのを全部含めた上で、出来得る範囲のことをやっていかないと。政府とか向こうはやっているんだよ。都知事選の看板のポスター貼りとかやっているわけで、そういう意味では最低限の事なんだよ。ある意味ではこういう集まりも我々にとっては最低限の事だという意識を持ってやっていかないと、と私は思います。
(「異議なし!」の声)

参加物
コロナのどさくさ弾圧で、今、香港のことが有名になっていますけれども、日本は先食いしてるじゃないですか。日の丸、君が代、立ち上がらないだけで処分される。それが今回香港に導入される。他所の国の事だと思ったら大間違いですよね。日本だってひどいんだから。

Y(明大土曜会主宰者)
(日の丸、君が代問題で)東京都で何人も処分された。

田中
北海道では単に「不起立」ではなく、「退席」して闘っている人がいました。

【社会主義について】
(質問)
ここにいる方は若い頃マルクス・レーニン主義を勉強してきた。どの程度消化しているのか分からないけれど、社会主義という概念について、正統派社会主義を追求している方が年配者に結構いらっしゃる。いわゆる社会主義理論というのは、早い話、生産物とお金を公平に分配しようという理論なんだけれども、何故そういう話を難しく話すんだろうといつも思っているけれど、若い人の社会主義に対する見方はどうなんだろう?

6


田中
資本を公平に分配するというのは、ケインズ学派的で僕は好きじゃないですけれども、僕個人としてはマルクスも愛読していますし、マルクスの一番の業績だと思っているのは、資本主義がどのような成り立ちだったのかを解明したということ。ただマルクス・レーニン主義というのは本当におかしいと思っていて、マルクスとレーニンには切断があるんです。僕にとってマルクスが愛読書だからと言って、必ずしもレーニン主義者ではないわけで、レーニンが言った前衛理論とか僕は全く理解できないです。マルクス・レーニン主義、社会主義というのが全部一緒くたになって、それが例えば中国だソ連だというのは、ネトウヨはそういうのを言ってきて、我々はそこをいかに分断していくか、ちゃんとマルクスはマルクスでどうだったか、レーニンはレーニンでどうだったか、社会主義は社会主義として果たしてどうだったか。僕が考えているのは、チェコスロバキア(の「プラハの春」)で「人間の顔をした社会主義」を唱えた。僕は少なくとも、資本主義だろうと何だろうと「人間の顔」をした制度であって欲しいと思っています。「人間の顔」をした資本主義がそもそも有り得るのかどうか分かりません。分からないけど、今のネオリベ政策は「人間の顔」などしていない。さきほどの資本の公平な分配ということもありますが、そもそも行き過ぎた競争によって、貧富の格差があり得ないほど拡大するとか、全てを競争にかけるという発想、そうすれば適者適存になるという幻想が本当に正しかったか、これを資本主義にぶつけていくというのは必ずしも社会主義とは違うかもしれませんが、僕は今後もやっていきたいと思います。

参加者
社会主義を唱えるおじいさん方は難しい、分かりにくいんだよね。もっと若い人に分かりやすく。

参加者
失敗したんだから心配することはない。

I君
まず我々世代の一般学生の社会主義のイメージというと、やっぱり中国、ソ連、北朝鮮という、悪い者の塊みたいなそういうイメージしかない。我々世代は教育が冷戦を習う頃にそういう風な言われ方をしますし、教育として習わない理系とか選択とかはそういうのを知らないまま行くわけですけど、それでもニュースとか見て、社会主義国家はあまり良くない、自由がないみたいなイメージを持っている人が多いので、その単語だと説明が難しくなるということはありますね。私自身どうかというと、現在まだ大学内で勉強しながら自分の考え方に近いものはどういうものかということを勉強しようとしていて、そういうことを少しずつ考えていこうと思っているところです。話を一般学生に戻すと、言葉を変えて「公正で平等な社会」ということになると、意外と我々世代は、社会主義ということを最初に出すよりは、話の組み立て方によっては「いいよね」と言ったり、「社会主義なんて」と言っている人が、よくよく政治の意見を聴いてみると、すごく社会民主的だったりとか、そういうことはあります。なので、ちゃんとそういったものを選択できることを教わっていないということがあるなと。そもそも自分たち人権についてもあまり教えられていない。教育が詰め込みに近くなってきているので、そういうところをすっ飛ばしている。スマートフオンなどの影響で読書量自体が相当減っているので、そもそも簡単な本を読むのが苦手な人も多い。

田中
2月11日のシンポジウムに登壇していた人が、ツイターで「あなたは社会主義という言葉を知っていますか」というアンケートを取っていたんです。結構な割合で知らないという人がいるんですね。2月11日のシンポジウムの二次会で高校生に聞かれたのは、「1968年の運動を勉強したいと思った。でも何で勉強すればいいか分からなくてユーチューブで検索した」と。ユーチューブで検索するのはあながち悪くはないと僕は思ったんですけれども、当時の映像を見れるし、でも「何を言っているのか分からない」と言うんですね。「じゃあ新書のこういうのがいいんじゃない」とか、「この本はここは駄目だけどここはいい」という話をしたら、「本って読むのはハードル高いんだよね」と言われて、なるほどと思いました。こういう姿勢を「反知性主義」だと切り捨てるのは簡単かもしれませんが、でも本を読んだからと言って偉いわけでもないので、ユーチューブで情報を仕入れて、検索はインスタグラム、ユーチューブとかインスタグラムがグーグル代わりの世代にどう我々が伝えていくかが今後の課題だと思います。

I君
伝え方の理念的なものに大きな拒絶というのはなくて、若干あるような気もしますけれど、むしろツールとか、政治意識の違いだとかということの分断が大きいのかな。逆に言うと、そこを注意してやっていくと少し良くなってくるかな。

参加者
我々の時代も社会主義イコールソ連というのはあった。同じですよ。

田中
僕は例えば読書会とかを中心に据えることで、市民運動に参加する垣根をもっと下げるべきだと考えています。デモに来いと言わなくてもいいんです。その中で、今の社会が抱えている差別の問題、資本主義の問題、こういうものに気付いてもらう。それは切り口が原発であってもいいし、沖縄であってもいいし、こういう問題を入口にして一人ひとりの「当事者性」―現在社会では誰しもが搾取し、されることから逃れられないはずなのですからーを自覚してほしいと思っています。「オルグではないオルグ」以外に、運動に残された道はないのですから。

(終)

【お知らせ その1】

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代島治彦監督の新作『きみが死んだあとで』製作支援金(カンパ)のお願い
 代島治彦監督の新作「きみが死んだあとで」は2021年春の公開をめざして、製作を進めています。
 前々作「三里塚に生きる」前作「三里塚のイカロス」と同様に確実に作品が完成する予定が立ったところで、製作支援金(カンパ)のお願いをすることにしました。
 後半の製作予算となる編集費、ポストプロダクション費(音楽制作、映像調整、整音・音響効果、上映素材制作、英語字幕制作など)が約400万円、公開に向けた宣伝予算が約300万円。
 後半の総予算のうちの「500万円」を最終目標額に製作支援金(カンパ)を集める活動を開始します。下記要項をお読みいただき、新作「きみが死んだあとで」へのご支援を心よりお願い申し上げます。
きみが死んだあとで製作委員会
製作支援金〈種類と特典〉
個人支援一口以上:10,000円以上
 特典①=映画本編エンドロールにお名前を掲載
 特典②=映画パンフレット・DVD進呈
団体・法人支援一口以上:100,000円以上
 特典①=映画本編エンドロールに団体名・法人名を掲載
 特典②=映画パンフレット・DVD進呈
〈「お名前掲載」に関する注意事項〉
映画本編エンドロールにお名前・団体名・法人名を掲載したい方は、映画製作スケジュールの都合上、2020年8月7日(金)までにご支援ください。
この期日以降にご支援いただいた方は映画公式HP上にお名前・団体名・法人名を掲載させていただきます。
製作支援金〈振込方法〉
◎「郵便振替」の場合(赤色払込取扱票を使用)
(※赤色払込取扱票は加入者が発行しますので、下記にお問い合わせ下さい。)
口座番号  00100-2-604909
口座名称  きみが死んだあとで製作委員会(キミガシンダアトデセイサクイインカイ)
◆赤色払込取扱票に〈お名前・ご住所・ご連絡先・金額〉をご記入の上、お振込みください。
◆映画本編エンドロールへのお名前掲載を希望されない方はその旨をご記入ください。
◆ニックネームでのお名前掲載を希望する方はニックネームをご記入ください。
◎「銀行振込」の場合
銀行名   三井住友銀行
店名    三鷹支店(店番号247)
普通預金  口座番号7486673
口座名義  きみが死んだあとで製作委員会(キミガシンダアトデセイサクイインカイ)
◆上記銀行口座へお振込みください。
◆ 銀行振込後、下記メールアドレスまたはFAX番号まで、〈必須なお知らせ事項〉〈関連するお知らせ事項〉をお知らせください。
〈必須なお知らせ事項〉
① お名前 ②ご住所 ③電話番号またはメールアドレス ④振込日 ⑤金額
〈関連するお知らせ事項〉
映画本編エンドロールへのお名前掲載を希望されない方、ニックネーム掲載を希望の方、また領収書送付が必要な方はその旨もご記入ください。
お知らせメールアドレス sukoburukobo@gmail.com
お知らせFAX番号 0422-36-6010
《お問合せ》
きみが死んだあとで製作委員会
〒180-0013 東京都武蔵野市西久保2-15-22 スコブル工房内
E_mail:sukoburukobo@gmail.com
TEL&FAX:0422-36-6010
緊急連絡先:080-5407-8739(代島携帯)

長編ドキュメンタリー映画
きみが死んだあとで
2021年公開予定
製作・監督・編集 代島治彦
撮影 加藤孝信
音楽 大友良英
制作 スコブル工房
企画・製作 きみが死んだあとで製作委員会
日本/2021年/4K撮影/204分(予定)


【お知らせ その2】
「続・全共闘白書」好評発売中!


hakusho_cover_1127_page0001_1


A5版720ページ
定価3,500円(税別)
情況出版刊

(問い合わせ先)

『続・全共闘白書』編纂実行委員会(担当・前田和男)
〒113-0033 東京都文京区本郷3-24-17 ネクストビル402号
TEL03-5689-8182 FAX03-5689-8192
メールアドレス zenkyoutou@gmail.com  


【1968-69全国学園闘争アーカイブス】
「続・全共闘白書」のサイトに、表題のページを開設しました。
このページでは、当時の全国学園闘争に関するブログ記事を掲載しています。
大学だけでなく高校闘争の記事もありますのでご覧ください。



学園闘争 記録されるべき記憶/知られざる記録】
続・全共闘白書」のサイトに、表題のページを開設しました。
このペ-ジでは、「続・全共闘白書」のアンケートに協力いただいた方などから寄せられた投稿や資料を掲載しています。
知られざる闘争の記録です。



【お知らせ その3】
ブログは隔週で更新しています。
次回は9月4日(金)に更新予定です。

今回は、7月中旬に沖縄を訪れた「明大土曜会沖縄ネットワーク」の現地行動の報告である。

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【2020.7.12 沖縄タイムス記事】
工事再開 1 ケ月 新基地抗議 勢い続く 参加者数 中断前上回る

工事が再開されてから、シュワブゲート前の参加者は1 日平均で123 人。
工事が中断された今年4 月までの3 ケ月の平均115 人を再開後は上回る。
平和運動センターの山城さんは「工事の再開後、再び人が集まるかを心配していたが、これぞ底力だ」。ヘリ基地反対協の安次富さんは、基地内でコロナ感染が相次いでいることに「海兵隊の大規模なローテーションがウィルスをばらまいている。シュワブ内で発生するのも時間の問題だ」。その上で「護岸や地盤のぜい弱が明らかになっている、ゲート前の運動は、その重要な発信拠点だ」。

■我々の行動■
今回の7 月中旬現地行動は、2019 年4 月と10 月に続くものであった。今回の第3次は12?13 名で、半年間隔の4 月第三木曜に予定していた。コロナ禍とオール沖縄の県外からの来訪者自粛要請で大半の参加者がキャンセルとなる。
航空チケットのキャンセルが出来ないLCC 組は、県をまたぐ移動解除と運航再開を待っての辺野古行きとなった。
7 月の参加組は芝工のK とS さん、明治のS とY さんとH であった。(日大のK さんは所用発生で断念、K さんと芝工のY さんからはオール沖縄辺野古と我々への陣中見舞いのカンパをいただいた)

■7・16 キャンプシュワブ前へ■
しゃかりきに土砂投入と辺野古側護岸工事を進める沖縄防衛局の姿勢は変わらない。シュワブの工事ゲートには、毎日200 台以上の資材搬入ダンプやミキサー車が9 時・0 時・3時の3 回に分けて襲ってくる。
16 日は第三木曜で、「シュワブ前 県民辺野古集中行動」の日であったが、「集中」を外した座り込み抗議行動が行われている。それでも第三木曜は全県各地の「島ぐるみ会議」の市民が集まってくる。
この日は篠のつく豪雨のなかでも、7?8 の「島ぐるみ」が参加。全体150?160 人の座り込みとなった。0 時の座り込みが終わると、シュワブのテント村で昼飯を食べながら、各地からの報告がいろいろ行われる。

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① 米軍のコロナ感染拡大は、県民の安全と命を脅かす。コロナにとって基地フェンスの内と外は関係ない。基地は即座に閉鎖すべきだ。(そうだそうだの声)
② 一番感染者が出ているキャンプハンセンとキャンプシュワブは陸続きだ。シュワブで感染の報はまだ出ていないが、基地従業員や工事車両、基地との取引業者が出入りしている。シュワブ基地の外に住んでいる米軍関係者も多数いる。
感染者が出てもおかしくない、即座に辺野古の工事は中止になる。
米軍と日本政府はそれを一番恐れている。
③ 主として、大浦湾側の軟弱地盤改良の「設計変更概要申請」が防衛局から県に出されている。軟弱地盤の上の護岸工事は震度1 で倒壊するという最新のデータがある。
島ぐるみは、勉強会を開いて反対の意見書を県民多数で出そう。
④ 大浦湾の工事着手の大前提は約3 万5 千群体のサンゴ礁移植である。農水大臣は県に移植を認めるように、ちょっかいを出している。知事は裁判に訴えるだろう、知事を支持していこう。

■7・16 朝、安和桟橋に行く■
また、豪雨であった。琉球セメント前に立っているのはガードマンだけ。辺野古現闘に電話を入れると、「今日は赤土土砂搬入と土砂運搬船の動きは無い。安和に向かった島ぐるみも、シュワブに戻っている」とのことだった。
安和桟橋は民間・琉球セメントの管理なので、日によってだが夜の8 時まで作業が続くことがある。塩川は町当局の管理なので夜の残業土砂搬入と搬出はない、とのことだった。

■米軍基地コロナ感染拡大とGo To トラベル前倒しに伴う
オール沖縄辺野古からの県外者自粛要請■
沖縄では5 月1 日から68 日間をも、コロナ新規感染者はゼロが続いていた。
そこへ沖縄再感染拡大の危険性が舞い込んだ。
7 月14 日夜、オール沖縄辺野古幹事会が開かれた。県外からの辺野古来訪の団体や個人に「当面の間、16 日からの自粛要請発動」が決定された。「県外の人は沖縄来訪時には、ホテルなどで14 日間の自己隔離」をお願いするものである。
このことは15 日夜に、辺野古民宿クーションに着いた我々に知らされた。なんとか滑り込んだ? ということであった。
出発前に、全国紙で「沖縄米軍基地でコロナ感染発生」という記事を眼にしていた。
クーションにある、新報・タイムス2 紙には一面トップと追跡記事が報じられていた。

■沖縄米軍のコロナ感染■

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①3.28?3.31 と7.2 で計4 名が感染。
②7.4 独立記念日以降の7.7?7.11 にハンセン(22 名)と普天間(39 名)でクラスター発生。
③米軍から県への通知は7.10。タイムス・新報は7.11 に1 面トップで報道。
④7.13 普天間、7.15 でハンセンで更に拡大する。
⑤7.17 で米軍関係者感染は141 名。
⑥7.21 で米軍148 名、県民155 名が感染。
⑦7.27 で米軍関係236 名、県民210 名が感染。
⑧1 万人当たりの感染者数
東京 : 7.8 人 沖縄 : 1.5 人 米軍関係 : 50 人
*在沖米軍関係は約4 万7 千人とした。
*尚、米国外の米軍関係感染者は約1 万9 千人。
●以下、「沖縄タイムス」7/11?7/18、在沖米軍コロナ感染記事より抜粋した。

【7.11 日記事】
・在沖海兵隊から県に10 日、複数海兵隊員のコロナ感染が初めて伝えられた
米軍側から県に、感染人数を非公表とするよう要請があった。本紙取材では7 月に入り、感染が判明した米軍関係者は17?18 人に上がる。
・県議会 全会派一致で情報開示求め決議
県民の命の危機―日米政府への不信感表出。地位協定というブラッ クボックスの打破

・在日海兵隊 10 日より警戒レベル引き上げ
公共交通は利用できない。外食は出来ない(スルーは可)。食料店・郵便局・銀行はOK。4 日の独立記念日前には警戒レベルを引き下げていた。
・海兵隊 7 月から人事異動者対象に中部北谷町の民間ホテルで14 日間の隔離措置実施
北谷町町長 沖縄防衛局に厳重抗議 [社説:感染リスクを基地から民間地に転嫁した][14 日記事:宿泊は約80 人、医師や看護婦らは常駐していない]
・在韓米軍 感染者情報は詳細開示
8 日、韓国入国の米兵7 名の感染を公表。米国から在韓米軍への到着者全てが基地内で検査隔離実施。在韓米軍の感染者は57 人。
グアムでは感染が拡大、民間ホテルでの米兵隔離感染者の外出を調査している。
・菅官房長官、河野防衛大臣 「米軍から適切な情報を受けている問題はない」
・キャンプハンセン前の金武社交街のバー 4 日の独立記念日に約150 人の軍関係者来店
・6.17?7.10 基地外での娯楽を認められていた
「米国から来たばかりの兵隊は基地内外のあちこちに出かけている」「今は米軍の移動時期、4 日うるまの公園では、米兵と地元住民数百人のイベントかあった」。
感染大国の米国から何人が沖縄入りしていのかは不明で、リスクだけが県民の生活圏に持ち込まれている。

【7.12 記事】
・県知事 普天間とハンセンの基地閉鎖を在沖米軍トップに七項目要請
知事、両基地で11 日だけで新規感染45 人のクラスター発生の認識を示す。
①米国から沖縄への移動禁止
②基地内の感染防止の厳格化
③違反者の米国への送還
・県議会議員 基地閉鎖一斉要求
県民の命の軽視、基地閉鎖、ロックダウンしかない。米軍の情報公開は最低の義務、基地の全面撤去にも値する、安全保障より大事なのは県民の命だ。
・基地を抱える首長 憤り
基地をロックダウンして全員PCR 検査だ、基地従業員も基地に入れるべきではない、ウィルスにフェンスは関係ない。
[社説:問題の基本は、本島の15%に基地が存在するもその中に国内法が適用されないことだ。安全を守る名目で駐留する軍隊が、県民の命を脅かす事態は許されない]
・県民 「基地発感染」に憤り
キャンプハンセンのメインゲートではY ナンバーや基地従業員の車両などが断続的に出入り。在沖米軍トップは「ロックダウン」したと説明した状況とゲート前は違う。

普天間基地で働く男性は、「状況が変わっても、職場では何の説明もない」「職場から戻ると自宅にこもるだけ」「感染の可能性を考える、このストレスは大きい」。

【13 日 休刊日】
【14 日記事】
・菅官房長官は13 日の会見で県や米軍と情報共有していると発表
県は11 日の多数発生以降、行動履歴などの情報が来ず県民対策を打ちあぐねる。
・どこで発生どう拡大 ウィルスはどこから来たのか
米軍は国外移動を伴う軍関係者に、日本への出発前と到着後で14 日ずつ隔離対策を取っていると説明する。潜伏期間は自由行動が出来ないために米国から持ち込まれたとは考えにくいが、どれほど徹底されているか確かめるすべがない。国内の民間空港でのPCR 検査もなく、米国発の可能性は捨てきれない。
県は、4 日の内外での独立記念日前後に感染した可能性が高いと。同日のナイトスポットには多くの米軍関係者や日本人が繰り出していた。さらに軍の合同団体行動で拡大したと見ている。市中で感染→軍隊内で広がった可能性もある。
[15 日記事より:ハンセンがある北谷町のナイトスポット、従業員と日本人客は全130 名陰性。ナイトスポットは、4 日にの独立記念日に米兵と日本人が出入りしていた店と従業員が対象、県が最も危惧していたのが県民と米軍のミックス・クラスターだった。
[15 日記事より: 6 月末、感染普天間基地米兵が米政府チャーター機で嘉手納に。
チャター機「パトリオット・エクスプレス」は、シアトル→横田基地と岩国基地を経由し→嘉手納着。月10 便ほど運航。沖縄到着後に、普天間米兵に微熱が確認され海軍病院での検査で、感染が判明し基地内に隔離された。
シアトル・嘉手納両空港では検温検査と過去14 日間の症状などの筆記のみである]
[県は米軍が借り上げている北谷町の民間ホテルに隣接するホテルの一部も、沖縄を離れる関係者に借り上げていることを明らかにした。
一般の宿泊客も利用するという]
・全駐労は、基地に勤務する従業員は基地内でのPCR 検査を受けられないと訴える
感染の危険性から「基地に行きたくない」と悲痛な声が上がる。

【15 日記事】
・感染確認の米軍岩国基地3 名、7 月12 日に米国から羽田入国→民間機で岩国へ
日本側には「レンタカーで移動」の嘘の報告をしていた。
同じ便の濃厚接触が疑われる乗客には保健所がPCR 検査を要請する。
米国を入国拒否の対象国としている日本政府は、米兵らについては日米協定に基づき特権な地位を認めており、入国拒否の対象にならない。
・米陸軍文書 米国からの異動要員とビーチパーティーが感染拡大要因と指摘
7.10 付文書:沖縄に到着した兵士が移動制限を守らず、ビーチでの大人数のパーティーでは社会的距離を保っていない結果だと指摘した。
・4 市町村軍関係の子 43 人学校欠席 米軍要請や登校自粛
基地から派生したコロナが子どもの人権や学習機会を阻害する恐れが生じている。
全駐労によると県内の高校では基地従業員の子どもが教員に欠席を促されたとの情報もある。
北谷町・北中城村: 基地の仕事に従事する保護者に米軍から、自宅待機し子どもの登校を控えるよう要請があった。13 日以降、20 人以上が欠席している。
うるま市: 保護者が子どもの通学感染拡大のリスクになることを懸念し、14 日までに8 人が欠席した。
ハンセンのある金武町: 教育委委員会が保護者へのメールで、軍関係で欠席する場合は学校に連絡を」と通知。14 日までに14 人が欠席している。
欠席する生徒への偏見やいじめを懸念する声も上がる。
?軍の対応に憤りを感じる一方、その感情が米軍関係者の子どもに向けられ、いじめられないかが危惧される。

【16 日記事】
・ハンセン36 人感染 ハンセンで感染は計58 人 大規模クラスター発生
米軍基地での感染は約10 日間で133 人、県内感染者148 名に迫る勢いで増えている
・米軍から直接、在日米軍基地に入国する際、14 日間の隔離は義務付けているが、PCR 検査は実施していなかった
入国前の米国の検査も、無症状者や感染者との接触疑いが判明していない人は、対象外という。基地到着後は14 日間隔離されるが、感染していても無症状なら検査を受けることなく基地外に出られた。

【17 日記事】
・ハンセンで入りタクシー 米軍乗客乗せて運転手感染
運転手(80 代男性)は日常的にハンセンで米軍関係者の客を乗せており、基地で大規クラスターが起きた7 月以降、米軍関係者から県民に伝染した初の事例と見られる。
4 日の独立記念日に、多くの米軍関係者がタクシーを利用していた。県は運転手らの聞取りを実施していた中での発見だった。
・在日米軍司令部 日本のPCR 検査回避 入国 基地直行便を奨励
米軍関係者は、入国後14 日間の米軍管理下での隔離措置は義務付けているが、PCR 検査の実施義務はない。日本は、米軍関係者が国内の空港を利用して入国する際はPCR検査を義務付けている。
軍司令部は「三沢や岩国、佐世保、沖縄に行く最善の方法は?政府チャターのパトリオット・エクスプレスの利用」と推奨している。また、航空会社が搭乗を許可しなかったり、検査が回避されなかったなどの事例を紹介している。
在沖米軍基地へは「今後、新たに800 人が到着予定」との情報がある。
・宜野座村議会 日米両政府に、米軍行動歴開示求める決議と意見書
・金武町議会 沖縄防衛局に、米軍外出禁止要求意見書を提出
・中部市町村会 国にと沖縄防衛局に、「感染多数の基地閉鎖を」要請
・見えぬ基地感染ルート 米軍と県、クラスター情報バラバラ
「米本国から」「パーティー由来」「部隊間の移動による」など、表に出る情報はバラバラ。玉城知事は「2 週間の隔離期間中に、普天間とハンセンのメンバーがユニットとして動いて訓練した結果、感染が拡大した」。県の保健医療部は「隔離中に訓練」の情報は無く、「部隊の移動が影響した」と米軍からの説明があったと。
米軍内部も明確でない。海兵隊は「15 日の36 人感染時に徹底的な調査と検査で特定された」と、具体的な感染拡大の原因は言及していない。嘉手納の司令官は「米国からの渡航関連ほか、特定できない事例もある」と、あいまい。
・県 基地従業員とタクシー運転手を対象にPCR 検査実施
基地の従業員は約9000 人。ハンセンには約30 台の基地タクシーが出入りしている。

【18 日記事】
・米軍の基地外居住者から感染者発生
米軍の基地外居住者の感染が明らかになるのは初めて、嘉手納基地の1 名。
米軍は居住者の市町村は非公開とした。
宜野湾市議会は17 日、軍関係者の外出禁止などを求める決議と意見書を可決した。
その中で、「在沖米軍関係者約5 万2 千人のうち、約1 万6 千人が基地外居住」との過去のデーターを踏まえて、「約3 分の1 は基地外で生活し、県民と接触している可能性がある。クラスター感染が判明し、県民は不安と恐怖を禁じ得ない」と訴えた。
河野防衛相は「感染者に基地外居住者はいないと聞いている」と説明した。
そもそも、米軍は基地外居住者数を公表していない。2008 年に県内で基地外居住者の米兵が凶悪事件を起こしたのをきっかけに、防衛省は市町村ごとの居住者数を公表した。だが、12 年から市町村別の居住者数を非公表にした。
米軍の守秘義務の厳格化など米国防総省の方針が理由という。コロナ感染の拡大でその公表の必要性が増している。
・米軍出入国時にPCR 防衛相要請 米、実施の方向
米軍はPCR 検査の精度に疑問を持ち、検査よりも移動前後の隔離措置に信頼を置き、日本政府も対応を追認してきた。米軍の水際対策に懐疑的見方が出たことと、感染者の大半が無症状者で、隔離措置を「すり抜けている」という米軍の認識が形成されつつあった。
在沖米軍基地でのクラスター発生は、米軍の感染対策が裏目に出た格好だ。


以上 土曜会沖縄ネットワーク M H 。



【お知らせ その1】

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代島治彦監督の新作『きみが死んだあとで』製作支援金(カンパ)のお願い
 代島治彦監督の新作「きみが死んだあとで」は2021年春の公開をめざして、製作を進めています。
 前々作「三里塚に生きる」前作「三里塚のイカロス」と同様に確実に作品が完成する予定が立ったところで、製作支援金(カンパ)のお願いをすることにしました。
 後半の製作予算となる編集費、ポストプロダクション費(音楽制作、映像調整、整音・音響効果、上映素材制作、英語字幕制作など)が約400万円、公開に向けた宣伝予算が約300万円。
 後半の総予算のうちの「500万円」を最終目標額に製作支援金(カンパ)を集める活動を開始します。下記要項をお読みいただき、新作「きみが死んだあとで」へのご支援を心よりお願い申し上げます。
きみが死んだあとで製作委員会
製作支援金〈種類と特典〉
個人支援一口以上:10,000円以上
 特典①=映画本編エンドロールにお名前を掲載
 特典②=映画パンフレット・DVD進呈
団体・法人支援一口以上:100,000円以上
 特典①=映画本編エンドロールに団体名・法人名を掲載
 特典②=映画パンフレット・DVD進呈
〈「お名前掲載」に関する注意事項〉
映画本編エンドロールにお名前・団体名・法人名を掲載したい方は、映画製作スケジュールの都合上、2020年8月7日(金)までにご支援ください。
この期日以降にご支援いただいた方は映画公式HP上にお名前・団体名・法人名を掲載させていただきます。
製作支援金〈振込方法〉
◎「郵便振替」の場合(赤色払込取扱票を使用)
(※赤色払込取扱票は加入者が発行しますので、下記にお問い合わせ下さい。)
口座番号  00100-2-604909
口座名称  きみが死んだあとで製作委員会(キミガシンダアトデセイサクイインカイ)
◆赤色払込取扱票に〈お名前・ご住所・ご連絡先・金額〉をご記入の上、お振込みください。
◆映画本編エンドロールへのお名前掲載を希望されない方はその旨をご記入ください。
◆ニックネームでのお名前掲載を希望する方はニックネームをご記入ください。
◎「銀行振込」の場合
銀行名   三井住友銀行
店名    三鷹支店(店番号247)
普通預金  口座番号7486673
口座名義  きみが死んだあとで製作委員会(キミガシンダアトデセイサクイインカイ)
◆上記銀行口座へお振込みください。
◆ 銀行振込後、下記メールアドレスまたはFAX番号まで、〈必須なお知らせ事項〉〈関連するお知らせ事項〉をお知らせください。
〈必須なお知らせ事項〉
① お名前 ②ご住所 ③電話番号またはメールアドレス ④振込日 ⑤金額
〈関連するお知らせ事項〉
映画本編エンドロールへのお名前掲載を希望されない方、ニックネーム掲載を希望の方、また領収書送付が必要な方はその旨もご記入ください。
お知らせメールアドレス sukoburukobo@gmail.com
お知らせFAX番号 0422-36-6010
《お問合せ》
きみが死んだあとで製作委員会
〒180-0013 東京都武蔵野市西久保2-15-22 スコブル工房内
E_mail:sukoburukobo@gmail.com
TEL&FAX:0422-36-6010
緊急連絡先:080-5407-8739(代島携帯)

長編ドキュメンタリー映画
きみが死んだあとで
2021年公開予定
製作・監督・編集 代島治彦
撮影 加藤孝信
音楽 大友良英
制作 スコブル工房
企画・製作 きみが死んだあとで製作委員会
日本/2021年/4K撮影/204分(予定)


【お知らせ その2】
「続・全共闘白書」好評発売中!

hakusho_cover_1127_page0001_1


A5版720ページ
定価3,500円(税別)
情況出版刊

(問い合わせ先)

『続・全共闘白書』編纂実行委員会(担当・前田和男)
〒113-0033 東京都文京区本郷3-24-17 ネクストビル402号
TEL03-5689-8182 FAX03-5689-8192
メールアドレス zenkyoutou@gmail.com  


【1968-69全国学園闘争アーカイブス】
「続・全共闘白書」のサイトに、表題のページを開設しました。
このページでは、当時の全国学園闘争に関するブログ記事を掲載しています。
大学だけでなく高校闘争の記事もありますのでご覧ください。

zenkyoutou.com/yajiuma.html


【学園闘争 記録されるべき記憶/知られざる記録】
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このペ-ジでは、「続・全共闘白書」のアンケートに協力いただいた方などから寄せられた投稿や資料を掲載しています。
知られざる闘争の記録です。



【お知らせ その3】
ブログは隔週で更新しています。
次回は8月21日(金)に更新予定です。

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