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No130の続きです。
9月に入ると故郷に帰っていた学生も戻り、キャンパスに活気が出始めた。
明大でも全国全共闘結成の動きを受け、Ⅰ部全共闘と二部全共闘を統合し、9月3日に「全明全共闘」を結成することになった。
8月30日、全明全共闘結成準備委員会が開催されたが、全共闘の組織をめぐりⅠ部全共闘を主導する社学同はセクト連合の中央書記局体制を打出し、Ⅱ部全共闘を主導するML派は学部別書記局体制を打出し、双方が真っ向から対立したため、3日の全明全共闘結成大会は社学同を除く3派(ML派、反帝学評、中核派)が運動、組織論で反発し参加せず流会となった。

同日の9月3日、全国全共闘結成大会の会場に予定されていた早大に機動隊が導入され、大隈講堂(革マル派)と第二学生会館(全共闘)に立てこもっていた学生は砦戦の末に全員逮捕された。
【戦線立直しに先制 力で押え込めるか?】1969.9.3毎日新聞(引用)
『(前略)
東大安田講堂の攻防戦から4.28沖縄デー、6月初めのアスパック(アジア太平洋協議会)反対闘争で大打撃を受けた反日共系各派学生団体は、その後ゲバ棒を捨て、この秋の佐藤訪米目ざして戦線の立て直しと戦闘部隊の量的拡大をねらっていた。
9月5日の早大で開く全国全共闘結成大会はその旗上げをねらったもので、大学法粉砕を目ざして“同時多発的”に全国の学園封鎖闘争を拡大していく段取りだった。(中略)
具体的には全国各地の拠点大学でバリケードを強化し、機動隊との徹底抗戦を続発させる。早大はその中でも最重点の大学だ。
全共闘と対立している革マル派の拠点、早大で「全国全共闘連合」の旗上げを行い、そのあと日共系の本拠となった東大教養学部に攻め上ろうというのが全共闘各派の戦略(後略)』

明大では全明全共闘の流会を受け、社学同とML派はそれぞれ学内で大規模な集会を開き、明大全共闘のヘゲモニーを巡る対立は続いていく。
【“鉄の軍団”の建設を 全国SFL大会開く】1969.9.18明大新聞(引用)
『4日、午後7時より、全国学生解放戦線(SFL)結成大会が開かれた。会場の本学和泉校舎六番教室には全国60余の大学から約1000名が参集し、モヒカンのヘルメットでうずまった。本学からは約60名が参加し、大会の議長を本学二部共闘会議議長本間晟豪君がつとめた。
また、河野君が特別報告として「明大においてはSFLは全共闘のヘゲモニーを握り、今や主流派として登場した」と報告した。
激しい闘いとML同盟の指導の下に、伸び最高のSFLはこの大会で「鉄の軍団」建設を打出し、全国SFLの結成については学生の統一戦線である全国全共闘連合を領導する核心部隊「鉄の軍団」建設にあるとし、全共闘運動に党的指導を貫徹するなかで、権力闘争の戦士と鍛えることを任務とするとしている。(後略)』

【国際反帝集会開く 3日 本学記念館で】1969.9.11明大新聞(引用)
『共産主義者同盟・社会主義学生同盟主催による第二回国際反帝集会が3日午後5時から約1000名を集めて本学記念館講堂で開催された。
集会はまずフランスの5月革命とアメリカの非合法組織“ブラック・パンサー”の実態をとらえた映画が上映された。
その後、共産同から「11月をマッセン・ストライキで闘い抜き、70年代闘争を意識的に切り開こう」との基調報告、さらに社学同、共青同からは「11月には赤ヘルメットが学生戦線の先頭に立って戦う」という連帯の挨拶がなされた。(中略)
9時過ぎ、両川敏雄本学学生会中央執行委員長の指導によるシュプレヒコールとインター斉唱で幕を閉じた。
約200名の学生は閉会後、本学前通りで激しいジグザグデモをくり返した。(後略)』

9月5日、日比谷野外音楽堂で全国全共闘連合結成大会が開かれた。
この集会の様子は連載No46に書いたが、この日の大会には、全国78大学、26,000人(主催者側発表)が参加した。
当日、明大のⅠ部全共闘200人は駿河台記念館の中庭で、Ⅱ部共闘100人は学館前で別々に集会をもった。
11時過ぎには日比谷公園に到着したが、公園の入り口で全員ヘルメットを脱がされ、機動隊の列の中を通させる検問に会い、Ⅰ部全共闘の隊列にまぎれ混んで会場に入ろうとした東大全共闘代表山本義隆氏が警備の私服警官に検挙されてしまった。
この時の検問の様子は「怒りをうたえ」第2部で見ることができる。
集会では赤軍派と社学同関東派の内ゲバがあったが、各大学全共闘からの決意表明の二番手にⅡ部共闘会議の本間議長(写真右)、三番手にⅠ部全共闘福田代表(写真左)が挨拶し、「明大全共闘は全国全共闘連合の先頭に立って闘う」と決意表明を行った。(写真は明大新聞から転載)

福田氏のアジテーションを聞いたのはこれが最後だと思う。その後、姿を見かけなくなった。彼のアジは、最初は低音から始まりだんだんトーンを上げ、しだいに体全体も使って前後にリズムを取りながら盛り上げていく。とてもかっこよかった。

(つづく)