
福島原発事故から9ヶ月目の12月11日(日)、『全国から電力会社・経産省を包囲しよう!再稼働反対 12.11デモ』が行われた。明大・日大・芝工大の3大学共闘では、この集会とデモを第4次共同行動とすることを確認し、20数名が参加した。
当日は快晴で風もなくデモ(パレード)日和。会場の日比谷公園のイチョウの葉も黄色に色づいて青空に映えている。集会は公園の日比谷公会堂の近くにある中幸門周辺。私服の姿がやけに目立つ。
集会では、各団体からのあいさつ、サックスの演奏(A列車で行こう)、寸劇などがあったが、その中からいくつかの団体の発言を紹介する。
『福島老朽原発を考える会のアオキさん
みなさんこんにちは。福島老朽原発を考える会のアオキと申します。
野田政権は今、原発推進と原発輸出を強引に進めようとしています。彼らは目先の金のために、そして目先の経済的利益のために子供たちの未来と健康を売り渡そうとしている、そんな風に思います。
日本だけでなくて世界中に放射能を撒き散らして、それに対する一切のまともな反省もなく、そしてまともな責任を取ることもなく世界中に原発と放射能を撒き散らす、そんなことを彼らは、今、やろうとしています。私はそのことについて、心から怒りをぶつけたいと思います。
日本の原発推進というのは福島原発事故の実態、そして放射能汚染の実態を隠蔽すること、そのこととセットになって、今、進められているのではないかと思います。
都合の悪いことは隠し、そして情報統制をする、ウソの発表を平気でする、そういうことが今、やられています。正に戦前の大本営発表と同じではないか、と私は感じています。
福島県を中心とした広い範囲での放射能汚染、これは大変深刻です。その中で今、政府、そして福島県も地元の自治体もそうなんですが、除染キャンペーンを進めています。
除染モデル事業というのが鳴り物入りで行なわれていますけれども、その中で、一体どこが年間1ミリシーベルト以下を達成できたでしょうか。
全くそんなことはできていません。せいぜい2割か3割しか下がらない、そんな程度が実態なんです。まったく非科学的、実現の見通しもないこんな除染キャンペーン、これが先程福島から来られた佐々木さんも言われましたけれども、住民を避難させず人口流失を防ぐ、そして事故を小さく見せかけるまやかしだと思います。
そして除染という新たな巨大な公共投資、それで原発ビジネスを儲けさせるそんなことを彼らはやろうとしている。
除染に対しては厖大な予算をつぎ込む一方で、被害者への支援には金を出さない、それが今の政府、そして東電のやり方です。地震被害者の賠償、それは全部で2,100億円と報道されています。ところが、その現実性のない除染に来年度1兆円の金がつぎ込まれると報道されています。しかし、これも最終的には数兆円かかるだろうと言われています。
除染の前に、まず子供を、そして妊婦をこれ以上の被爆から守るためにこそ金を使うべきだと思います。
自主避難者への賠償の問題について、方向が出されました。賠償は残留した人も含めて見舞金のようなものになってしまいました。
自主避難者は移動や引越し、そして二重生活による生活費の増加、そして仕事を失った人がいます。こうした全ての実費を政府、東電は補償すべきだと思います。
ただ、7日の衆議院での答弁で、枝野経産相は東電に対してこうした実費も含めて支払う、そして場合によっては収入が減少したことについても支払うよう、東電に指示した、ということを答弁しています。私たちはこのことをこれから新たな課題として自主避難者を支援して全国の支援者の力で実現していく、そういうことが必要だと思います。
この運動も成果を正しく評価して、次の課題に、我々の要求の実現に向けて子供たちと妊婦を放射能から守るために、次の課題へ進んで行かなければいけないと思います。
放射能の実態を告発して、被爆を最小化する、この闘いは全ての原発を廃棄させるその闘いと一体のものだと思います。
私たちもこれからみなさんと協力してやっていきたいと思います。共にがんばりましょう。』
『福島原発事故緊急会議の被爆労働問題プロジェクトのナスビさん
福島原発事故緊急会議の被爆労働問題プロジェクトで活動しているナスビといいます。
ここは日比谷公園ですけれども、皆さん覚えておられるようにしばらく前に日比谷派遣村、年越し派遣村が開かれたところです。
僕は今、緊急会議で被爆労働問題をやっていますが、通常は山谷労働者福祉会館で日雇い労働者、野宿の労働者の支援活動をしています。
年末年始は仕事がなく、そして住む所がない野宿の仲間たちと一緒に、この日比谷で派遣村があったのと同じように、年末年始の越冬闘争をやっており、それも注目していただければありがたいと思います。』
(N0219-2に続く)
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