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(ブログの字数制限の関係で2つに分けてあります。No232-1から見てください。)

Q 二本松を車で走りながら近くの山肌遠くの吾妻阿武隈山系の山稜を見ると、山の除染は果てしなき戦いだなと思います。そうすると長期的に村の拡散したコミニティをどう守るか、県内外に避難している人たちの生活にどう寄り添うかがとっても大切なような気がします。

佐藤 村人自身の声を伝えあって行きたいのです。拡散した人たちの連絡先は「個人情報」ということで村からは教えてもらえないのです、「負げねど飯舘!!」でたぐり寄せるしかないのです。

Q 約1,700戸ですね、一口にコミニティといっても大変ですねお金も時間もかかります。しかしたぐり寄せたコミニティは、これから村に帰る人帰らない人に分かれても3.11以降の飯舘村のこれからを考える財産になると思うんです。

佐藤 この「「負げねど飯舘!!かわら版」はA3両面だからまだ郵送しやすいのですが、この「健康生活手帳」(写真)をどう全戸に配布するか頭を悩ませています。一戸に2冊3冊4冊と同時に送るとクロネコメール80円を超えてしまいます。義捐金とカンパに頼っているのが現状です。
 このコミニティメッセンジャーに福島を飯舘を考える人がボランティアで関わってくれるとうれしいんです。

Q 持続可能なコミニティ支援ですね。80ページですか「健康生活手帳」について説明していただけませんか。

佐藤 この9月に「負げねど飯舘!!」で自主発刊しました。12月末には全戸に配布したいと思っていますが頭を悩ませています。村の「健康手帳」は19歳まで、19歳以上でも絶対に必要です。影響の程度は違っても被爆した事実、それをこれから何十年と引きずっていかなければならない生活に変わりはありません。
 この手帳は村民相互のコミニケーションツール、被爆保障問題に対する記録として作りました。絶対に証拠になる村民約6,000人の記録を残しておくことが必要です。
最初は被爆者手帳にしようと思いましたが、「国からの被爆認定」のむずかしさ、「この手帳を持つ人が被爆者として差別」されることへの懸念から「健康生活手帳(行動記録)」にしました。
弁護士さん、先ほどの広島・長崎で被爆された方、水俣病の患者さんのアドバイスを受けています。監修はチェルノブイリの子どもたちの支援を長年続けている、飯舘村民で勉強会もやりましたが、医師の振津かつみ先生(兵庫医科大学非常勤講師)、早くも3月中旬に飯舘村に来て線量調査を実施した木村真三先生(事故後勤務先の労働安全衛生総合研究所に辞表、独協医科大学准教授。11月1日より同大二本松国際免疫学研究所分室に赴任)からも専門的なアドバイスを受けています。

Q 良心の知恵が詰まっているのですね。3.11以降の飯舘や福島の動きが細かく出ているので参考になります。
ところで、村は作物の作付け制限すなわち禁止地区になっていますが、除染作物ですなわち農業を通した除染で自然エネルギーと共生するという村の方向は出ていますか?

佐藤 いや村としても村民も「これからの見通しが立てられない段階にある」と思います。まだ難しい課題なのではないでしょうか。

Q 最後に、いただいたチラシ「11.11ふくしま会議」について説明をお願いします。

佐藤 赤坂憲男先生、玄侑宗久さん、清水修二福島大学副学長などが共同代表です、私が事務局長をおおせつかいました。被災後の福島の人は「身近なこと目先のことしか頭にありませんでした。ここにきてようやく草の根で動いていた人たちが横に繋がることができるようになりました。福島人自身の目線で地域のこと福島全体のことが見通せる地点にたどりついたのです。12日には若もの会議を分科会として設定しました。ここから福島の若ものが震災後の経験を踏まえて第1歩を踏み出すきっけになるようにしたいと思っています。
 実は集まる団体はみんな自己資金は乏しいのです、「ふくしま会議」への多くの人の連帯をお願いしたいのです。いうまでもなく私たちの戦いは目先すらの展望が立たない中での長期戦です。福島県内外の心ある人たちとの息の長いくじけない運動が必要なんだと思っています。

 佐藤さんたちの戦いは確実に果てしなく遠い。17~18歳ころに見た「若者たち」というTVドラマの主題歌を思い出してしまった。「君の行く道は 果てしなく遠い だのになぜ 若者は行く」だったか、「だのになぜ」。
 佐藤健太さんからはいろいろなお話をお聞きしたが「コミニティ」に絞った報告とした。
以上

【お知らせ】
伊達判決53周年シンポジューム「日米地位協定を問う」
2012年3月31日(土)13時~17時
明治大学リバティータワー1階(1011教室)
基調講演 松元 剛氏(琉球新報政治部長)
     新原昭治氏(国際問題研究家)
参加費:500円
主 催:現代史研究会
    伊達判決を生かす会  http://datehanketsu.com