イメージ 1
(No286-2の続きです)

このデータは地図のデータと一緒に「子ども福島ネット」のホームページの最初のページに載っています。メンバーが一生懸命歩きながら、福島市内、伊達市内、郡山、二本松、飯館という風に少しづつ範囲を広げています。
開発されたばかりの機械で、1号機なんですね。開発業者さんが1台持っていて、2台体制で測っている状況なんですが、この機械を増やしていくことで、子どもたちにとって安全な範囲を確認していきたい。これを、例えばこの間、規制庁がパブリックコメントやりましたが、あのような機会で提案していくと防災指針の中に盛り込まれて行く。そうすると避難することになる地域の人たちも、この機械を一緒に持って走れば、自分たちが向かっている先が線量が高いのかどうか、この避難所がいくつなのか、すぐ分かります。この機械は1秒で反応します。その位性能がいいです。
こういう風に、自分たちの範囲を安全に保っていくこと、そのためには住民が自ら参加しながらモニタリングしていくことが大事です。何故かと言うと、子どもたちが外で遊べていないからですね。今でも学校の体育の時間に外でやる時は、時間制限を設けている学校もあります。また、保護者の方も心配して「うちの子は休み時間であっても外で遊ばせたくない」ということも仰います。保育園では、2年近くになりますが、1回も散歩で外に出していない保育園があります。保育園で毎日散歩するのが、自分が成長する、育つ権利をきちんとキープしてもらっていることになると思うんですが、1回も散歩をしていないところがある。落ち葉やドングリをダンボールで他の県から送ってもらっています。それで子どもたちは室内で遊んでいるという状況です。
私たちが考えているのは、子どもたちに外で遊ぶ時間を少しでもプレゼントしたい、ということで保養プログラムをやっています。この会場にも、子どもたちを招いて下さって保養プログラムを組んで下さっている方もいらっしゃると思います。本当に有難うございます。頭が下がります。とっても大変なんです。お金も集めないといけない、準備もしないといけない、人も手配しないといけないということで、大変な思いをして招いていただいているんですが、こういったところで、子どもたちはようやっと笑顔で飛び回ります。
先ほどもありましたが、「ここの土、触っていの?」必ず聞きます。子どもたちは道路の真中を歩くクセが付いていますから、端が高いと分かっていますから、堂々と道路の端っこも歩きます。泥に触れて遊び、葉っぱをちぎったりして遊び、男の子たちは本当に自由に寝転がりながら遊んだりします。こういった状況が本来の子どもたちの姿であるべきなので、保養プログラムが充実していくように、私たちは地元でお繋ぎをするということです。
また、最近、伊達市が移動教室の取り組みを始めまして、非常に画期的だと思います。学校の通常のカリキュラムを外に持ち出して、安全なところで遊ばせながら、きちんと学習をする。民間の保養プログラムと教育委員会が関わる移動教室を足して、年間できるだけ長い日数、外に出してもらいたい。そうすることで、もしかすると被曝してしまっている体の中をきれいにしていく時間をかせぎたいと思っています。
これがもろもろ体のためと思ってやっているんですが、実はもっと大切だと思うのは、子どもたちの成長、発達の権利をきちんと確保すること。成長、発達というのは体だけではありません。心も成長、発達します。
最近になって、つくづく罪なことだなと思っていることは、「子どもたちは未来の存在です」と言われますよね。「私たちの未来は子どもなんです」と言われますが、子どもたちは今も生きているし、仮に30年後に30年前を思い出した子どもたちが、何を思い出すのか。「あの時の大人って実際何もしてくれなかったんだよね」という風になるのか、「出来る手は打ってくれた。がんばって疎開裁判もやってくれているし、保養プログラムも組んでくれているし、教育委員会も私たちの学校はちゃんと移動教室に出してくれたね」ということを記憶の中で持って欲しいなと思います。子どもたちの思い出とか記憶とかを、今、現在、奪っているということも確認しないといけないと思います。これは体の健康を考える上でも大事ですが、心の健康、これから子供たちが何を自分で思い出として持っていくことができるのかは、今、何を動かすのかによって決まってきます。
そのことを、これからも皆さんと一緒に考えていければと思います。
ありがとうございました。』(拍手)

※ 録音の書き起こしが終わったところから順次掲載して行きます。

(つづく)