
(No290-1の続きです)
でも、この牛たちの意味はないです。放射能汚染で出荷停止、市場にも出せない。でも、毎日エサを与えながら、この意味のなくなった牛たち、栄養失調でどんどん犠牲が増えてくる牛たちを見ながら、何のために、失われた意味、その新しい意味、何だろう、何だろう、牛飼いだから見捨てないのは当然としても、殺処分が嫌だから認めないにしても、餓死がいやだから認めないにしても、そこの現場に行けば被曝をする、僕の牧場は平均、空間3マイクロシーベルトあります。線量計を地面に置けば2倍3倍にもなる。でも浪江町には30マイクロシーベルトの空間線量のところに、まだ100頭近い和牛が生きているんです。
そういうところに農家が通って世話をしている。人生、牛飼いとともにやってきた人たちが、97~8%の人たちが潰されてしまった。ですから、僕たちは牛たちを生かす意味を皆に問いたいと思います。
殺処分、棄畜政策、これは必ず棄民政策に繋がるだろう。双葉郡の避難民はまともな財産補償も受けられない。避難所で、仮設住宅でどんどん年寄りが倒れてしまう。我々は、我々の責任で起きた訳ではない原発事故のこの2年間の中で、どんどん自滅してしまうしかないのか。違うと思います。
再稼働がこの夏、秋にも始まろうとしている。僕たちの実力、この原発事故を乗り越える実力が、今、問われる。(そうだ)あの経産省前テント村だって、いずれ警察の力で片づけられてしまうだろう。でも、僕たちは、残りの人生をこの原発を乗り越えるために連帯団結、戦い抜くしかないだろう!(そうだ)(拍手)
こんな状態になってしまったけれども、残りの人生を賭けながら、牛飼いとして、やっぱり戦いたい!先頭に立ちたい!
頑張っていきたいと思います。有難うございます。』(拍手)
郡司『ありがとうございました。吉沢さんの非常に力強く、そして、現場からならではの声を皆さん聞かれたかと思っております。ありがとうございました。』
(質疑省略)
郡司『協賛団体から挨拶をいただきたいと思います。首都圏反原発連合のミサオレッドウルフさん、よろしくお願いします。』
ミサオ・レッドウルフさん
【首都圏反原発連合。イラストレーター。2007年からNO NUKES MORE HEARTSを主宰、反原発運動を進める。2011年 9月に首都圏反原発連合を立ち上げ、大規模デモを主宰。2011 年3月より金曜首相官邸前抗議を開始。現在も継続中。】
ミサオ・レッドウルフ『皆さん、今日はお疲れ様でした。それから福島からお見えになった皆さん、本当にご苦労様でした。首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフと申します。
私たちは、毎週金曜日に首相官邸前で、一刻も早く原発ゼロをするようにということを訴えて、そろそろ、この3月末で1年になります。
この間、本当にたくさんの福島の方、また避難されている方、集会のスピーチにお見えになりまして、私たちの方でも、そういった方々の声を生で聞く機会になっている、そういう場が今、首相官邸前及び国会前スピーチエリアがそのようになっております。
私たちの方では、なかなか現地行ったりとか、福島の直接的な力になることは本当に難しいですが、私たち首都圏にいる人間が出来ること、それは政府中枢に向かって大人数で圧力をかけていく。原発ゼロということを一番頭に掲げておりますけれども、もちろんこれは補償の問題であり、被曝の問題であり、福島の原発事故が巻き起こした全ての問題を含んでおります。
私たちも、本当に出来る限り福島と繋がりながら、そして首都圏の我々が出来ることを命がけで行っていく、そのような気持ちで取り組んでおります。現地でしか分からない大変なことが沢山あると思うんですけれど、あと、首都圏連でないと分からない事情もあると思います。そこを情報を共有しながら、交流を深めながら、1日も早く避難の問題、そして被曝の問題なども、国にちゃんと対処させるように、そして早く原発ゼロに、1歩でも1日でも早く近づくように、皆さんと力を合わせて草の根レベルでやっていくしかないと思っております。
来週3月10日には、経産省前テント広場の皆さんにもご協力いただいて、事故から2年ということで、大規模なデモと国会包囲を予定しております。
1日も早く原発をなくして、もうこのようなことを二度と起こしたくない、そしてこの事故のことを忘れない、そのように思って、皆さんのご参加をお待ちしています。
これからもどうかよろしくお願いいたします。頑張りましょう。』(拍手)
今回の集会での11名の方の発言を通して、「福島の現実」を改めて認識することができた。
福島原発災害が引き起こした問題を忘れない、風化させない、という思いをこれからも持ち続けていきたいと思う。
(終)
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