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(No295-1の続きです)

それなら、もう1回裁判にチャレンジだ、リベンジだということで、私は今から2年前の今頃、「みんなもう1回やろう」と呼びかけたら、待っていたという感じで、300人集まった。「日本全国で裁判起こそうね」と言ったら、「分かった」。今までは、脱原発弁護士は自分で闘うだけで精いっぱいで、横の連帯という時間的、精神的余裕がなかった。いわば、向かってくる敵にタコツボに籠って、機関銃をパチパチ撃つくらいの闘い方しかできなかった。
それじゃダメだ。やっぱり情報と知識を共有しよう、助け合おうということを呼びかけた。
今、私たちは情報投げ込みのメールを持っていて、そこにいろんな準備書面などをどんどん入れていく。そうすると、今、非常に気軽に、若い人たちも、気持ちさえあれば裁判が起こせるようになった。「どんどん使っていいよ、著作権なんかないよ」、そいう形でやっている。
でも、2年前の今頃と今では、原発を巡る状況が非常に変わってきている。去年の今頃は、日本中総懺悔で、「誰がこんなことにした」みたいな感じで、原発推進論者はみんな「いつ嵐が止むかな」とシーンと下を向いていた。国民の大半が「原発やめろ」と言っていた。その後、状況はどんどん変わってきた。特に去年の12月の選挙でガラッと変わった。
私たちは押し返されたという位置にある訳ですが、一応、今、原発の論点がどういうところに移ってきているか、もう一度おさらいしたいと思いますが、福島原発事故の後、みんな危険だ、大変なことだと思った訳です。でも、しばらくすると、「原発を全部止めちゃったら停電になるぞ、大変だ大変だ」でも実際にやってみたら停電なんか起きなかった。それは明らかな理由で、日本の火力発電の稼働率を50%から70%に上げるだけで、火力発電を20%稼働率を上げるだけで、原発を止めてしまった電力を全部補える。そのことを日本国民が分かっちゃった。じゃあその次に敵は何を言い出したかというと、「それをやると化石燃料の炊き増しをしなければいけない。そうすると、燃料の輸入代が増える。日本の国富がどんどん失われる。そうするとギリシャみたいになる。それでもいいのか」それがその次の論点だったんですね。
これを一番熱心に言っていたのが、落選した仙石由人。あれは僕の同級生で仲が良かったんですよ(笑)。一緒に闘っていた仲間だったんですが、いつの間にか悪魔に魂を売った(笑)。
そういう脅かしに乗ってはいけなくて、そうい時は冷静に「じゃあ燃料の炊き増しにいくらなんだ。燃料の輸入代にいくらなんだ」。「毎年3兆円です」。3兆円というと皆さんの財布で考えると大きいお金になるかもしれないけれど、国家的レベルで考えると、全然大したことはない。国富が流出するというが、日本の国富はいくらあるか、三千兆円ある。
毎年千分の一を切り出すだけで間に合う。どうってことないです。それから日本のGNPはその何百倍もある。現に論より証拠、毎年、3兆円払っているが、日本の景気はアベノミクスで沸き立っているじゃないですか(笑)。ですから、燃料代なんか関係ない。私は安倍さんの影響で景気がやや上向いているなんて思いません。景気は必ず循環するんだから。
あっと言う間に株が落ちたじゃないですか、これからどうなるか分からない。
電力が足りなくなるぞ、電力が足りた。国富が流出して景気が悪くなるぞ、景気はいい。何なんだこれは。そうすると、次は何を言っているかと言うと、「CO2がいっぱい出る。」
こんな時は「何を言っているんだ。CO2と放射能とどっちが怖いんだ」。放射能の方が何千倍も怖い。1の悪さと千の悪さと比べて両方とも悪いというのは、非科学的な論理で、しかもCO2をどんどん出していい訳はないですよね。これは自然エネルギーに変えていけばCO2も減るし、化石燃料に頼らないいろいろな方法をみんなで熱心にやればできる。やる気になればできる。
そうなると、今、論点はどこに移ってきているか。今までの論点で論争すれば我々は勝っている訳です(拍手)。でも彼らは論争しない。彼らが、今、何を言っているかと言うと、「そうは言っても、原発を輸出しなくてはいけない」というところに論点を移してきている。確かに、世界的に言うと原発マーケットは将来性があると言われている。「そこに出て行かなければ大変だ、日本は乗り遅れてしまう、韓国に負ける、中国に負ける、フランスに負ける。ロシアに負ける。そんなことしたら日本は世界の先進国から取り残されるぞ」この恐怖感を煽っている。それが、今、安倍首相が原発の訪問販売を世界中にしている理由なんです。(笑)
でも、やっていいことと悪いことがあって、自分の国の始末も付かないものを、何で売りに行くんだ。(そうだー)(拍手)

(No295-3に続く)