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(No298-2の続きです)

N『一方で、「仮設はこれ以上我慢できない」というのがあるから、そこで自民党がどのくらい金をばらまいて、そういうレールに乗っけたものをどれだけスピードアップするのか、という動きがもう一方にある。』

W『いわきのことは、私たちも少し関係があって、よく聞いているんですけど、結局、いわきの市民が富岡町の人たちを受け入れない、こちらに入ってくるのは、どちらかと言うと、そちらの声の方が大きい。今の話を聞くとバラバラで家は建てているということなんだけど、結局、富岡の人たちは戻れないですよね、戻らないと言っているから。そういうことで言うと、いわきが町として大々的には受け入れない。町ぐるみで、どうしようかという話は少しはされて いるんですか?』

H『それは無いと思います。打診とか、ここを貸してくれと言うことはあるかもしれませんけれども、それは決まって進んでいる状態では無いと思います。』

W『いわきでよく聞くんですが、非常に対立構造というのはひどくて、何でそういう風になるのかなと思うけど、非常に苦労されているのは分かります。』

H『確かに構造的には、いわきの市民が、「あいつら銭もらいやがって」とか、「いつもヒマそうにしてパチンコしかやることないだろう」とか、そもそもいわきの市長が、自らの立場をわきまえず同様の発言をするような状況がある。市長は市民のそういう気分に迎合するようなところがあって、あんな発言をしたと思うんです。そういう雰囲気というのは確かにあるんです。それはある種、当たり前なんです。今まで何も無かったところに二万五千人も人が来れば、暮らすことが大変です。病院に行けば延々待たされるし、渋滞はするしという状態になる訳ですから。それに対する反発というのは、例えば市役所の中に落書きがされているという話だったんですけれども、先々月だったかな、車が襲われたという例があって、そんな動きを阻止しなくてはという人たち、さっき言った中央台の消防団員の人たちなどは、わざわざ自分たちの車に青ランプ付けて、パトロールしているがごとくに振舞っている。必ずしも避難民を敵意で見ている人ばかりではないということも分かって欲しいんです。
泉玉露の仮設と、その周辺の泉の人たち、泉玉露の人たちというのは、私から見れば良好な関係で、何かあれば外からも入って来るし、一緒に泉の駅前のお祭りをやるというような関係にある。いわきも何だかんだと言っても、双葉郡との繋がりが深いんです。富岡からいわき市に働きに来ているのもごく当たり前のことでした。困難なところを一緒に生きていこうと考えるいわき市民だってたくさんいます。不満を排外的に表現するおバカな奴もいるというだけのことと思うんです。
ただ、事態がなかなか進まない中で、避難民もいわき市民もストレスはたまるし、不満のはけ口が避難民に向けられていく状況は進む可能性が大きい。経済格差をますます進行させようとする政策や、むき出しの差別をあからさまに言ってはばからない日本の今のありさまは、次には原発避難民や津波の被害でさまざまなサポートを受けている人達に対して、外国人や在日の人々に対する攻撃姿勢につながるようにして、避難者を差別し攻撃する状況を生み出すようになっていくだろうと思います。単に差別に反対するといった掛け声ではなく、そこを乗り越えて人々をつないでいく具体的な行動をやっていかないと、まずいと思います。』

Y・R『これから入っていくことは難しいので、この間、実績を作ってこられたウシトラ旅団を通して、我々が仮に出来るとしたら、そういう形でしか出来ないと思うんです。そいう意味では、できるだけ多くの人が正会員になっていただきたい、ということで、私の方からもお願いしますし、私も入ります。』

N『ウシトラを窓口にして、例えば仮設に行ってお茶を一緒に飲みたいという希望だとか、そういうことがあればどんどん繋ぎます。あるいはこんな企画がどうだろうかということがあれば、そういうことも実現していくような、そういう意味でウシトラはそういう窓口になっていく。』

以上、ウシトラ旅団旅団長のお話と、その後の質疑を掲載した。
ウシトラ旅団は、現在、NPO申請中である。ウシトラ旅団のブログをリンクしたので、ご希望の方は、ブログから正会員・賛助会員の登録をお願いしたい。
私は、とりあえず賛助会員に登録させていただいた。
また、ウシトラ旅団の支援により、8月に下北沢で行われる福島県立大沼高校演劇部の東京公演「シュレーディンガーの猫」(昨秋の県高校演劇コンクールで最優秀賞)も是非観に来ていただきたい。(写真)

<ウシトラ旅団ブログより引用>
「やれることをやる。好きなことを勝手にやる。できることを一緒にやる。
七たび旅して、われら丑寅の義兵とならん。」

(終)