私も関わっている「10・8山﨑博昭プロジェクト」では、6月7日(火)から12日(日)まで、文京区・根津のギャラリーTEN(テン)で「ベトナム反戦闘争とその時代―10・8山﨑博昭追悼」展を開催している。
今回は、その展示会の様子など途中経過を、写真を中心に掲載する。

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(チラシ写真)
この展示会についてはNo429でも書いているが、再度、企画趣旨など掲載する。

◎山本義隆監修「ベトナム反戦闘争とその時代─10・8山﨑博昭追悼」展◎

期日:2016年6月7日(火)~12日(日) 11:00~19:00(土日は18:00まで)
会場:ギャラリーTEN (東京都台東区谷中2-4-2  電話03- 3821-1490)
主催:10・8山﨑博昭プロジェクト/協力:60年代研究会(代表・山本義隆)
入場無料

【企画趣旨】
 ベトナム戦争は戦争布告がないまま始まり、1975年に終結しました。この戦争をめぐって世界各国で反戦運動が拡がりました。本展は、当時の日本でのベトナム反戦闘争の軌跡を写真と資料で紹介し、現在から未来へつなげようとする試みです。
 1965年、米軍による北ベトナムへの空爆開始と南ベトナムへの上陸とともに、ベトナム戦争は本格化しました。ほぼ同時に日本では、ベ平連、三派全学連、反戦青年委員会、高校生運動が誕生し、反戦闘争が活発化しました。翌1966年には、立川基地拡張に反対して、砂川町の農民と全学連・反戦青年委員会の共闘が形成され、農民と学生と労働者との共闘体制は、その後の三里塚闘争にも引き継がれていきます。
 ベトナムでの米軍の軍事行動のエスカレーションに応じて、米軍の後方基地としての日本の役割は飛躍的に増大。それに並行して、反戦闘争は日本の戦争加担という事実と向きあっていくことになります。とりわけ、ベトナム戦争への加害者であることの自覚を日本人にうながしたのが、1967年10月8日の佐藤栄作首相の南ベトナムへの訪問強行でした。サイゴンの米国傀儡政権への政治的な梃子入れを目的としたこの訪問を阻止するために、学生・労働者は羽田で闘い、この闘いへの凶暴な弾圧のなかで、京大生・山﨑博昭君(18歳)が死亡しました。
 以後、日本の反戦闘争は激しさを増し、なかでもジャテックの活動は、米軍基地からの反戦米兵の脱走支援、さらには基地内での叛乱をうながす運動へ発展していきます。その後、日本国内のほぼすべての米軍主要基地において、反戦地下新聞が発行されるようになり、無許可離隊や命令拒否が続発するという事態が生まれます。それが世界最強を誇る合衆国の軍隊を内部から弱体化させ、1975年のサイゴン陥落、ベトナム戦争の終結に向かう遠因となったのでした。
 この1960年代半ばから10年近くの日本のベトナム反戦闘争は、学生・労働者・農民、そしてサラリーマンから主婦にいたるまで、広範な人々により、重層的な構造と広域的な拡がりをもって闘われました。また自衛隊内部からも反戦の声があげられました。
 本展「ベトナム反戦闘争とその時代」は、山﨑博昭君追悼とともに、かつての時代の一端を残存資料によって再現しようとするものですが、それはたんなる追憶にとどまらず、その時代の経験を後続の世代に継承させたいと願っての企画です                                                                               (展示監修・山本義隆)
*展示内容*
砂川基地拡張反対闘争の記録写真と資料/ベ平連とジャテックの活動記録/日本各地の米軍基地内での反戦地下新聞・機関誌/各地の市民運動の記録/第一次羽田闘争(1967年10月8日)の連続記録写真(撮影・北井一夫)/王子野戦病院反対闘争・佐世保闘争・三里塚闘争の記録写真/ポスター(粟津潔、他)、関連書籍、雑誌、新聞、写真集etc.

今回の「ベトナム反戦闘争とその時代―10・8山﨑博昭追悼」展の目玉は、次の二つである。
一つは、写真家北井一夫氏の未公開写真の展示である。北井氏は、1967年10月8日の第一次羽田闘争の写真を撮っている。今回、第一次羽田闘争の記録写真のフィルム50数本の内、約半数のネガフィルムをベタ焼にしてギャラリーに展示している。40数年の時を経て、初めて公開される写真である。
二つは、ベ平連関係で、米軍基地内の反戦地下新聞の原本展示である。今まで殆ど知られていなかった、米軍内の反戦活動の貴重な記録である。
もちろんこれ以外にも、当時のベトナム反戦闘争に関わる多くの資料を展示している。また、展示期間中(土日を除く)、ギャラリー内で反戦米兵の映像の上映などを行っている。
展示期間中は、何人かの発起人はギャラリーに来ているので、そこで話をすることもできる。
ギャラリ-内にテーブルとイスを用意しているので、いろいろな思いを語り合うこともできる。
なお、ギャラリーは参加無料であるが、お気持ちのある方はカンパをお願いしたいと思う。

また、6月11日(土)には、ギャラリー展示と連動した企画として、ギャラリ-の近くの「文京区不忍通りふれあい館」で和田春樹氏の講演もある。こちらにも是非参加をお願いしたい。
この展示は「ベトナム反戦闘争の時代」を展示で振り返るものではあるが、決して思い出に浸るようなものではない。
過去の「戦争と闘った時代」の資料展示を通じて、「あの時代」の思いを現在、未来に生かしていくための展示である。
多くの方の参加を期待している。

(ギャラリー内の展示の一部を紹介)

ギャラリーTENの看板

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今回の展示の目玉の一つ。
1967年10月8日羽田闘争の連続写真。
法政大学出撃から弁天橋での戦いまで。(天眼鏡を用意しています。)


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左側「沖縄全軍労の闘争」。
右側「ベ平連の運動・6月行動」



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反戦米兵の映像。


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今回の展示の目玉の二つ目。
写真左側「米軍基地内の反戦地下新聞」
写真右側「自衛隊内の反戦活動」



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「週刊アンポ」原本展示


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ワシントン・ポスト意見広告カンパ袋(原本)
(展示への協力者から預かったもの)



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なお、6月3日の朝日新聞東京版夕刊に10・8山崎博昭プロジェクトの記事が掲載された。翌日には朝日新聞大阪版にも記事が掲載された。

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(朝日新聞東京版夕刊記事2016.6.3)

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(朝日新聞大阪版記事2016.6.4)

【お知らせ】
◎10・8山﨑博昭プロジェクト第4回東京講演会◎
戦争に反対する講演と音楽の夕べ
日時:2016年6月11日(土)  18:30開場、19:00開演
会場:文京区不忍通りふれあい館(東京都文京区根津2-20-7)
    第1部/講演:「市民が戦争と闘った時代」
  講師:和田春樹(元大泉市民の集い代表。歴史家。東京大学名誉教授)
 第2部/音楽ライブ「明日」
  出演:詩と音楽のコラボレーション集団VOICE SPACE
   小林沙羅(ソプラノ)、小田朋美(ピアノ・ボーカル)、豊田耕三(アイリッシュ・フルート)、関口将史(チェロ)
(注:東京芸術大学音楽学部の学生、院生、卒業生を中心とした現代詩を研究する音楽グループ。2004年に発足。)
参加費:¥1000 
主催:10・8山﨑博昭プロジェクト
お問い合わせ・予約:E-mail: monument108@gmail.com