重信房子さんを支える会発行の「オリーブの樹」という冊子には、重信さんの東日本成人矯正医療センターでの近況などが載っている。私のブログの読者でこの冊子を購読している人は少ないと思われるので、この冊子に掲載された重信さんの近況をブログで紹介することにした。
当時の立場や主張の違いを越えて、「あの時代」を共に過ごした同じ明大生として、いまだ獄中にある者を支えていくということである。
今回は「オリーブの樹」142号に掲載された重信さんの獄中「日誌」の要約版である。(この記事の転載については重信さんの了承を得てあります。)

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<独居より  2018年2月16日~2018年5月8日>
2月16日 (中略)Hさんの資料には、へえー!とびっくり。
アブダビにオープンした仏のルーブル美術館分館の子供博物館に展示されているアラビア湾の地図からカタールが削除されていたことが発覚。オマーンの一部もUAEに書き換えられていたとのことで、仏のメディアは、ルーブル美術館に責任の所在を明らかにせよと迫ったとか。この犯人はアブダビのムハンマド皇太子でしょう。この人は、ムスリム同胞団を目の敵として、サウジの独裁者共々「二人の独裁者ムハンマド」と呼ばれる中東のシリア・イエメン内戦介入の元凶の人々。
今届いた「選択2月号」にも「中東の不安定要因。圧政や戦争犯罪が国際問題に『アブダビ皇太子』」とあります。トランプ、ダブルムハンマド、ネタニヤフの連携は、反イランを柱に、中東再編を今年は狙っていますね。(中略)
                 
2月20日 (中略)夜、点呼後、うれしいお便り。Mさんから。「2月16日第一回公判の後、山田編集長の保釈が決まり、その日の夕方人民新聞の仲間に迎えられて出てこられたそうです」と知らせてくれました。よかった! 当然の措置。不当逮捕でしたから。Mさんのレポートにうるうるさせられましたよ。「山田さんは、公判では罪状認否を求められた際、『この公判は(逮捕・起訴の事)私の岡本公三さんへの支援をやめさせようと狙うものだ』『私は人倫に悖るようなことは何もしていないし、今も、これからも岡本さんへの支援は続ける』とはっきり宣言されていました。(おもわず傍聴席より拍手)」と知らせてくれました。本当によかった。誰もが怪しげな逮捕や拘留に抗議し、大阪でも東京でも抗議集会が開かれる予定でしたので、集会に山田編集長が参加して、事実を伝え抗議をさらに強めることを期待しています。みんなに連帯! また、Mさんは1月の沖縄辺野古のゲート座り込みの様子を送ってくれました。ありがとう! 体調を崩したとのこと。もう大丈夫? 丈夫元気でいてください!
“人倫に悖る何事もしておらぬ冒頭陳述凛凛と響く”思わず零れた一首です。
(中略)

2月25日 曇り続きの昭島の週末、午後から陽が射しています。
丁度Kさんから送って頂いた「近代日本150年─科学技術総力戦体制の破綻」(山本義隆著)を読み終えたところです。幕末から現在まで「黒船から福島まで」の日本の上からの資本主義化が科学技術に国民を総動員しつつ、軍需として運営されてきたことがよくわかります。「脱亜入欧」の思想を伴い、侵略国となっていく物質的根拠とその担い手たちの、アジアに対する蔑視と西欧科学技術の盲信が戦前も戦後も生き続け、公害から福島までの破綻の道に至り、今もその道をまっしぐらなのが実情だということが当事者たちの文献や発言含めて掲示され分析されています。とくに満州国で「国家総力戦体制」の絵を描いた岸信介が戦後日本に占領軍と組んで再登場し、1950年代にはいわゆる「潜在的核武装」路線を唱えて「原子力開発のアクセルを踏む」(著者のことば)歴史から、今も安倍政権が核輸出に熱心なのもうなずけるものです。破綻を破綻と考えない近視眼の政治によって、日本はゆっくりと未来を失っているのを実感しつつ読みました。
同時に送って頂いた「科学者の軍事研究」(池内了著)でも安倍政権による「安全保障技術研究推進制度」は「発足後のわずか3年で100億円規模にまで増えた予算を背景に、大学での軍事研究制度がいよいよ本格化しつつある」と急速に軍学共同が進む実態をあきらかにしています。「平和」の様相で培った技術は軍事へと転用され、大学が国家の戦争・武器・宇宙競争に位置付けられています。国家安全保障戦略として科学技術総力戦体系を「デュアルユース技術」として進める中で、科学者のあり方を問う本です。これから読み進めたいところです。

3月2日 Iさんの送ってくださった資料は、とても早く今日付きました。資料の中に「ホンダ」がパレスチナ西岸地区ヨルダン渓谷のパレスチナ人を追放したパレスチナ人立ち入り禁止地域で、ロードレースをやる予定が「BDS運動」の日本の団体の助言と警告を受けて中止し、イスラエル内でやることになった、という資料があります。「パレスチナの平和を考える会」などの呼びかけで、功を奏しました。この呼びかけ声明では、ホンダと組むパートナー企業「メイヤーズ・カーアンドトラック」は、入植地ビジネスの企業であり、ヨルダン渓谷地域は入植地や軍事施設をつくり、恣意的「軍事閉鎖地区」として、半世紀以上もイスラエルが占領してきたこと、日本外務省H.Pも「東エルサレムを含む西岸の入植活動は国際法違反とされ、人権侵害とされる可能性」を掲示していることも、ホンダ社長宛に声明で送っています。
そして「第一に2月23日、24日のイヴェントの中止、第二に入植地ビジネスのメイヤーグループとの連携の中止、第三に加担回避のために私たちとの話し合いの場を」と提案したのです。ホンダが会場を変更しBSD運動が勝利したのち「BSD運動の要請に従い、ホンダが違法イスラエル入植地で予定していたロードレースの会場を変更したことを歓迎します」と、声明を発しています。啓蒙運動ともなり、実際の効果も得て、とてもいい闘い方です。
(中略)

3月7日 塩見さんのお別れ会のこと、友人が伝えてくれる手紙が届きました。感謝。120名位という人と、130名位。いろいろな方々が塩見さんとのかかわりを語ったそうです。高原さんは、なぜここに遠山や山田、森らの遺影がないのかに始まり、塩見美化はやめてくれ、赤軍派の路線的誤りが「連赤」に結果したのであり、塩見と行動した指導部として謝罪する、といったとのこと。私のメッセージは「批判的エピソードを含めて、パンタさんが情感込めて読んでいました」とのこと。パンタさん、ありがとう。Yさんの添付のパンタさんの写真も。お元気そうに読み上げてくださっている写真です。Tさんも行かれたのですね。「パンタさんが重信さんの追悼文を代読しました。とってもよかったです。パンタさんの読み方が心のこもったもので、重信さんの思いを十二分に伝えていました」と。
(中略)

3月12日 見事な快晴になりました。午前中昼食近くN和尚とMちゃんが面会に来てくださいました。Mちゃんは僧侶の「付人」のように法要に参加して下さっています。元気そう感謝! 和尚は髭を生やして益々貫禄のある落ち着いた住職のようです。顔を合わせることができるのが、まず嬉しいです。法華経の読経に入りました。お二人は数珠を持って、私も黙読しつつ心の中で唱和しつつ、彼岸法要です。遠山さんの遺体が3月13日に発見されたとのことで、ご遺族はこの日を命日とされておられると聞き、遠山さんのことも祈りました。心が浄化されるように読経を聴きました。N和尚の師へのお礼と、「あと5分です」とたちまち30分が迫ってしまいました。あわてて話をし、つぎはお盆の法要に来て下さるとのこと、確認してガラス越しにハイタッチして別れました。いつも房に戻ってじっと読経や対話を反芻しています。感謝!
(中略)

3月15日 母の命日。スターチスの紫と葉の緑の花瓶の水を替えました。写真を取り出して挨拶の朝です。
(中略)Mさんの送ってくださった「治安フォーラム2月号」には、ベイルートで97年2月15日逮捕の際の日本の警察担当の写真と、「東ベカーの赤軍潜伏先アパート」と銘打った写真。私たちは、政府も御存知、別に潜伏していたのでもないし、その写真は、まったく私たちが住んでいたわけでもないです。「3月号」は、相変わらず「日本赤軍は解散しても要注意」との、治安2017年報告です。あきれつつ読みました。送って下さってありがとう。

3月16日 今日はコーラスの日。「エーデルワイス」を歌い、ハンドベルで童謡を奏でました。2本のハンドベルを左右の手に1本ずつ持って、いっぱい出てくるドレやミソを順次入れかわりに担当。速いテンポは、あゝ…! 反射神経の退化…! うまく乗れず、がっかり。退化に挑戦するように、繰り返しやってみましたが……。 
でも今日はいいこと一つ。ベランダの狭い芝生スペースに紛れ込んで、花が咲いているのを発見! 「からすのえんどう」です! うすい藤色と濃いピンクのえんどう豆と同じで、そのミニチュアの小ぶりの花が4つも! つぼみもあり、葉や茎も、えんどう豆のようにつる状で、這いながら花を咲かせています。花が終わると、さやえんどうのような実をつけます。それと、ナズナの、ほんとに小ぶりな数センチの株も数ミリの花を咲かせています。嬉しい!
(中略)

3月21日 横なぐりの雪が激しく降っているのが、窓の外に巡らした回廊の斜めの透明プラスチック柱からちらちらと見えます。
「下谷風煙録」(福島泰樹著)の歌集を雪を仰ぎつつ読んでいるところです。2016~17年の三百十余首をこの歌集に収めています。ずっと代を継いで住んできた東京下谷に生まれ、生きてきた歌人の人と人との風景を刻んだ歌の数々です。「風煙とは自身の亡骸を焼く煙の謂である」と記されていて、思わず背筋を伸ばしつつ読んでいるところです。戦争や関東大震災のことを抉るような歌から情念の吐露のような歌を含めて自在に時代を甦らせています。“煙跡に草は茂りて鉄カブト雨水に煙る青き世の涯”“女らのいとけなきかな奔放に生きしは井戸に投げ棄てられき”“橘宗一いまだ六歳憲兵隊本部の庭に絶えし蜩”“母さんと手をつないで眺めてた真白く揺れる池に浮く花”“佇んでうつむき消えてゆきにしか女郎花てう花は愛さず”など共感しつつ読んでいます。刺激を私の歌に詠みたいと……。

3月22日 雪は雨にかわり午後には快晴の昭島です。
今日はシーツ交換日。羽布団のような700gのポリエステルの掛布団は2枚ですが、それをすっぽり布団袋のように幅150㎝長さ230㎝の白い袋に収めます。敷マットレスの上に薄い布の敷マットがあり、それに弾力性のあるシーツを四隅にひっかけながらのばします。70㎝×40㎝の大きな白い袋(枕カバー)をはがし、新しい3点を週一回交換します。掛布団、毛布、布敷マットは月に一度洗います。八王子でも週一回シーツ交換でしたが、何㎏もの重い布団に小さな同サイズの敷布団のみで、掛蒲団は衿カバー、枕も小さいカバー月一回の布団干しでした。新舎の方が清潔な普通の病院システムです。(中略)

3月27日 午後は指名医のデンティストに診察治療して頂きました。一年前に義歯の下の根の残った歯が抜けたままにしていたため、空洞で不具合でしたが、高額もあって保険がきかないので躊躇していたのですが、前歯の歯周病で上の歯も不具合もあり治療してもらうことにしました。とても適切に義歯を修繕し、前歯は麻酔をかけて切開して治療してくれました。年と共に歯は悪化して、特に歯周病は進行してしまいます。手鏡を借りて持たせて説明してくれるのですが、手鏡に写ったしわだらけの素顔(普段は見えない。壁に小さな鏡があるのですが、しわまで見えない)に思わず口の中より注目し、うなってしまいました。

3月30日 今日、狭いベランダ運動に出ると、芝のあちこちにどこから飛んできたのか、桜の花片です。10余人で拾っては、手をいっぱいに上にあげて散らし、お花見! と小さな花吹雪を作って遊びました。ここは横田米軍基地、かつての砂川闘争の一角になり、そこに昭和天皇陵の公園にも使用されているので、そちらから吹雪いてくる花が、風に乗ってこの6階に届いたのかしら…などと話していました。
花片を拾いながら、今日はパレスチナの「土地の日」。この日に自決した檜森さんの命日でもあります。檜森さんが自決した年も、今年のように桜が満開の3・30でした。パレスチナでは苦境の中で、「3・30土地の日」からナクバの70年目の5月15日まで、抗議行動を強化し、パレスチナ人の「帰還の権利」を訴える闘いを宣言しています。(中略)

4月4日 昨日は、1月に申し込んだ整髪の順番がやっと回ってきて、髪を切りました。これまでは懲役の「素人さん」の仕事でしたが、ここでは「PFI手法」で民・官共同らしく、そのせいか、プロの理髪師さんらしい男の方が短い髪形にカットしてくれました。
今日はコーラスの日。「エーデルワイス」「気球に乗る」と「花」を歌い、今回もハンドベルに挑戦。今回は両手でなく、片手だけの担当で、みな概ねOKでした。でも「ずいずいずっころばし?♪」などハンドベルでチームワーク良くメロディにするのは、やっぱり皆つまづきつつです。
(中略)

4月11日 今日は花祭りの法要がありました。花御堂の小さな屋根には花一杯に生花が挿してあり、八重山吹と赤い椿を何十年ぶりに見てうれしかったです。甘茶をかけ「天上天下唯我独尊」姿のお釈迦様を濡らします。そういう行事と読経の後、2時半から3時まで法話でしたが、二階席で音が拡散するせいか、ちっとも聴き取れませんでした。私の聴力も悪化しているせいかもしれません。
(中略)

4月16日 シリア侵略爆撃をめぐって、安保理緊急会議では、米・英・仏は行為を正当化しています。私が注目したのは、今日の読売新聞に「アサド政権軍は、ロシア提供の最新の地対空ミサイルを使用しなかった」という一行の記事です。これはロシアの判断か、ロシア・シリア共同の判断でしょうが、ミサイル反撃で、戦略・陣型・能力が検視されるのを見越して、使用しなかったかもしれない点です。ということは、イスラエルとのシリア・レバノンの戦争の危険に備えているのでは? と思うからです。
イスラエルは、レバノンのヒズブッラーを叩くことによって、反イラン中東情勢をつくりあげたいと考えて来、これがレバノン侵略として、いつ始まるか? と見られているからです。サウジのムハンマド皇太子も、反イランでイスラエルと結び、近頃はあれほど敵対しているアサドについて、「アサド大統領はイランの影響力を排除するために、自らの体制を強化すべきだ」と、4月6日、米タイム誌とのインタビューで語たり、反イランを米・イスラエル・サウジで強めています。その結果、トルコとカタール支援をめぐって、サウジは敵対状態です。根っこはスンニ派のムスリム同胞団系のカタール・トルコに、(イランとも協力し合う関係)サウジが大反発して、カタールを村八分にして以来、トルコとも関係悪化。アサドが排除できないなら、アサドを強化して、イランを排除したいというムハンマド皇太子。
こうした緊張を利用して、イスラエルが挑発をレバノンに向けそうな気配です。3月にEUなどが「レバノン支援ローマ会議」を開きましたが、「レバノン国軍のみが武力をもち、国の防衛にあたる」ために2020年までに、5千万ユーロを拠出支援する考えです。つまり国軍より軍事力を持つヒズブッラーを解体させようとの考えです。これは米欧にとって「イスラエルのレバノン侵略を防ぐ戦略的思考」というわけです。
しかし、レバノンの宗派政治は「国家権力が弱い」ということで成立しているものです。レバノン軍強化は、宗派政治破壊の上でしか成り立たず、この計画はヒズブッラーを解体しえないでしょう。そのことを見越し、イスラエルがトランプ政権の時期にレバノン戦争を仕掛ける危険は深まっているように思います。

4月19日 今日部屋替えがあり、一月こちらに着いたときに初めて入った、南向きの明るい病房になりました。こちらは、プラスチックの柱の斜めの隙間から、東方に公園なのか、横田基地なのか、緑地が見えます。ちょうど桜が終わってしまいましたが、若葉の森のように緑が少し見えるのがうれしいです。Kさんの便りでは、オドリコ草、紫ケマン草も咲いていて、春らしい花いっぱいが目に浮かびます。ほんの少し隙間に緑が見えるだけで、空間が広がって爽やかに感じられます。これで不眠症が眠れれば、もう今のところ何も言うことなし! です。
米日の首脳会談。またもや「恭順戦略」で、トランプの決断を誉めまくり、圧力の結果と自賛し、安倍政策も追随。その割に、トランプの「米第一主義」は変わらず、鉄鋼、アルミニゥムなどの日本の関税除外対象は受け入れられず、という主体性のない対米外交です。
金正恩朝鮮労働党委員長は、もともと戦略的に米朝対話から、戦争状態を終わらせる平和条約実現による非核化を目指していました。そのために、父親や祖父の外交総括から、米本土に届く核戦略のレベルに到達すること抜きに、対話は成立しないと判断し、その実現の上で平昌オリンピックで軍事から外交へ一挙に転じることを計画していたようです。
ソ連の人々も、民主党より米国内の反共の共和党と合意する方が、合意が確実になると昔から言っていましたが、金委員長は、トランプの状況を中間選挙もとらえて、首脳会談を要求したのでしょう。「圧力の結果」などと能天気な一面で考えていられません。「平和条約・非核化」「南北連邦制」など、トータルな問題が進む最後の核廃棄がまだ見えませんが、「対話以外に解決はない」のは、はっきりしています。国交を樹立し、通商を開き交流が始まってこそ、現在の金指導体制の真価が問われることになります。
南北分断に責任があるのは日本の植民地支配です。日本がどの国よりも朝鮮統一に支援するのは、歴史的責務です。この大枠の中に拉致問題解決が導かれるはずです。
(中略)

4月27日 4月30日から始まるパレスチナ国会にあたるPNCは、どんな決定を行うでしょうか。ラマッラーで開催されるため、アッバース大統領反対派は、イスラエルの拘束を恐れ、または、カッドゥーミ政治局長のように「オスロ合意」に反対し抗議して、イスラエル監視承認の帰還を一貫して拒み、参加できない人もいて、ファタハ、アッバースらの意向のとおりの決定が行われるでしょう。ハマースは不参加のようです。新しい戦略、民族一丸の帰還の権利の解決こそ問われているのですが……。PFLPも不参加でしょう。

4月28日 素晴らしい連休の天候。窓の外の東側に見える森には、木々を白い花が覆うように咲いているのが見えます。「なんじゃもんじゃ」か「カマボウシ」、それとも楠の少し白黄緑の花か。5月6月は、新緑の中に白い花の咲く季節です。
今日の新聞は、南北首脳会談でもちきりです。1950年代の朝鮮戦争休戦状態から、今年こそ戦争終了、平和条約へと目途が立つことを願っています。日本政府は、しぶしぶ対話路線の当面の米政策に従わざるを得ずの状態です。主体的に植民地時代の謝罪と清算を進めてこそ、拉致問題の真当な解決が生まれるはずです。拉致被害者の切実な願いを、安倍政権は政局にすり替え、過去の日本の犯罪を忘れたように、「拉致」ばかり「被害者」として国を前面に出しています。これでは、朝鮮・韓国、在日ばかりか、過去の日本の耐え難い被害にあった国々が、日本を尊敬しえません。戦争対立状態に戻ることは、いつでもできるけれど、稀なチャンスを生かして、文大統領・金委員長のイニシアチィブが成果を上げることを注視しています。
金委員長は、平和条約から中国式の「開発独裁」的な経済発展を目指すでしょう。非核化でもいいし、核保有国でもいい、と構えているように思えます。このアジアへのトランプ政権のコミットは、「イスラエルの側に立つ宣言」をした中東では、成果を期待できない分、米朝会談の成果で、中間選挙に臨みたいようです。
中東では、イスラエルロビーやキリスト教福音派の原理主義の票田のために、イスラエルを全面的にバックアップです。イスラエル建国70周年を華々しく共同し、サウジでは、武器輸出と経済再編の利権の大半を占めて儲け、この二つの国を結ぶ敵として、イラン敵視の戦略で進むつもりです。この戦略をゆるがせにしない範囲で、エジプト・ヨルダンを財政・軍事援助で抑え込み、パレスチナには降参を求めるやり方です。
イスラエルは、実弾によって平和デモに「土地の日」の3月30日から40人以上を殺し、5千人以上を負傷させ、「シリアのイラン施設」だと主張し、空爆をシリアに繰り返し、西岸地区は入植活動を拡大し続けています。こんな時に、サウジのムハマド皇太子は、4月の米誌インタビューで「イスラエルの人々は、自国の土地で平和に暮らす権利がある」と、わざわざ表明しています。そんなことは、既に「オスロ合意」で認めてきたことで、今、この時に発言することは「エルサレム問題」ガザ虐殺に対するイスラエルの対応を承認するようなものです。
安倍首相も中東旅行へ。イスラエルと、軍事先端技術共同をもっと推し進めたい思惑で「準戦略同盟」と表現してきたし、それが本音で、それをマイルドにするために、政治的配慮として、パレスチナへの財政支援や、中東和平へのコミットを、歴代政権に倣ってやっているのが、本当のところでしょう。5月1日、アッバス・安倍の会談ももたれます。PNCの方も、もう結論は出ている頃でしょう。

4月30日 四月尽。すでに、この昭島の医療センターに移って3か月半になります。これまでのところ、大変よい環境に置かれています。PET検査はできないようですが、病院器材も更新され、きっとシステムが、この4月の新年度から更に正式の稼働しているのでしょう。八王子と、患者チェックシステム(朝の便座回数チェック、投薬、週一回の検温、必要時の血圧測定、病気にしたがって主治医判断による診察や検査―CT、レントゲン、血液検査、尿検査など)は、変わりません。患者数が何倍かに増えているので、医師スタッフはきっと大変でしょうが、患者は高環境になりました。(自然と隔離された悪環境を除いて)房内は、空調20℃の温度管理の下(空気乾燥している感じ)700gの羽布団まがいのアクリル80%綿20%の掛布団2枚や、病院並みのシーツ真白の、一週間ごとの洗濯。食事は、5週サイクルのメニューで、35日ごとに元に戻るので、だいたい把握できます。プロが作るので、それなりにおいしく、食器類もすべて蓋付のしっかりしたものです。清潔な環境です。
問題は私です。年々劣化する身体機能・癌の再発防止チェックです。
(中略)

5月7日 連休が明けました。ベランダ運動では早速祝日に出たお菓子の品評会です。私もまだぎっくり腰がぶり返していて走れず付き合いました。4/9歌舞伎せんべい袋入り、5/3アスパラガスチョコビスケット25g、5/4ポテトチップ、5/5柏餅1ケでした。皆こんな時に塩っぽいものなんかより、甘いものが食べたかった。がっかりの声。柏餅1ケはよかったと。お菓子はみな期待しています。
Tさんがよく眠れる方法を書いて来てくれました。テレビで知り、やってみたらすぐ眠れたとのこと。知りたい人がいるかも!「ベッドに背筋を伸ばして座り、まず胸を張って両腕を曲げてしっかり体幹につけ、膝を伸ばして両足をあげゆっくり10秒程数えるだけです。これで脳の中枢が刺激されるとのことで、眠りに入ります」とあります。ちょっとぎっくり腰に痛そうな姿勢ですがやってみます!感謝!
(中略)

5月8日 レバノンの9年ぶりの総選挙でヒズブッラー連携勢力が過半数を持ったようです。7日イスラエル閣僚は「レバノンとヒズブッラーは同じになった」と発言。イスラエルの戦争挑発が危険です。トランプの在任中に。
(終)

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ブログは隔週で更新しています。
次回は8月17日(金)に更新予定です。