今回のブログは、4月6日に開催された「明大土曜会」での沖縄・辺野古報告である。「明大土曜会」は明大出身者に限らず、芝工大や日大などを含めた幅広い人たちが集まる場であり、毎回、ゲストを呼んで話を聞いたり、情報交換を行っている。
4月6日は、沖縄問題に取り組んでいる明大二部出身のN氏から最近の沖縄・辺野古の状況について報告があったので、その内容を掲載する。

「私は毎月、救援連絡センターのニュースに『辺野古レポート』を書いています。最新の辺野古、高江、沖縄をめぐる情勢をできるだけ事実に即して報告し、あまり主張とか押し出さないスタイルでやっています。
 皆さんも沖縄に関心のある方が多いので、大体はご存知だと思いますが、近々の動きで言うと、例の辺野古への土砂投入の段階ですけれども、3月25日に第二工区に新たな土砂投入を開始しました。前回からやっているものとあわせると、面積でいうと4分の1くらいということです。

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辺野古崎をはさんで浜のあたりを土砂投入を始めているわけですが、比較的浅い海域なので工事がやりやすいというか、本来の工事日程からすると、実は大浦湾の方からやることになっていたんですけれそも、それ自体が工法変更なので、本来なら変更申請しなければいけない部分ですが、それを無視して浅瀬の方から今始まっているところです。
2月24日の県民投票で、投票者総数の72%ではっきり出された『辺野古基地反対』ということを全く無視をするというか聞く耳を持たない形で進めてきています。それは現在もなお連日続いているという状況です。
土砂の積出港については、名護市安和の琉球セメントという民間会社の桟橋から、土砂を台船に載せて、ここまで持ってきて土砂投入する、K-9護岸にいったん下ろして、そこからトラックでまた運んできて、どんどん投入するという状況が毎日毎日続いています。積出港の安和は沖縄の中でもかなり辺鄙なところで、そんなに簡単に行ける場所ではないんですけれども、地元の島ぐるみ会議の人たちが中心となって抗議行動をやっています。毎日毎日動員はできなくて、毎週水曜日が集中行動日ということで、その日は100数十名くらい集まって抗議行動をやっているということです。抗議行動も、辺野古のキャンプシュワブのように座り込みできるようなスペースがなくて非常に危ない。琉球セメントの敷地ぎりぎりに道路が走っているので、座り込んでいるような場所じゃないので、順法闘争ということで隊列を組んでワッショイワッショイしながら、トラックが100数十台くらい来るんですが、県道からゲートに入るには右折しなくてはいけなくて、どうしても青信号を1回見てから右折しなくてはいけなくて、せいぜい1台くらいしか入れないらしい。それを3台くらい入れたいらしいんだが、阻止しようということで、歩道をゆっくり歩きながら妨害するという順法闘争をしながら、ダンプの搬入をできるだけ減らすということで、かなりいろんな知恵を絞ってやっているそうです。毎日毎日は大変だけど、水曜日はそれくらい集まるので、相当止められているそうです。それでかなり工事を遅らせているという成果を、それとして挙げていると聞いています。とにかく人が少ないという現状です。
キャンプシュワブの方では、新たな護岸工事が始まっています。辺野古崎のN4護岸を作って、そこからK8護岸まで伸ばしている。土砂の搬入はK9護岸しかないので、新たに護岸を作って、そこを搬入する拠点にしようと狙っているのではないかといわれている。そこに山石など投入して護岸を作っている。ここにもサンゴが残っていて、最近のニュースだと貴重なサンゴが辺野古崎に何点かあるんだけれども、それを移植しないままやろうとしている。防衛省の方は移植する対象ではないと相変わらず開き直っているんですけれども、実は移植すべき貴重なサンゴがここにあるという指摘もされています。そういう工事が今、着々と進んでいる。
一方で。工事は進めていますけれども、全体的な構想でいいますと、この間言われていますが、大浦湾側の方がマヨネーズ並みという軟弱地盤が広がっているということが分かってきて、数年前から指摘されていたんですが、防衛省はなかなか認めなかったけれど、今年になってついに認めざるを得なかった。いろいろと調べてみると、大浦湾側の予定地域のほぼ6割から7割くらいに広がっているのではないかといわれている。最大深度で水面下90メートル、70メートルくらいのところも相当広くある。それを地盤改良しないと出来ないので、最近の話だと砂杭(鋼管を打ち込んで内部に砂を流し込み、杭状に固めて鋼管を引き上げる)を打ち込んで、それを地盤にして、その上に作るという、それが計算上では陸上部も含めて7万7千本、大変な量なんです。試算では650万立方メートルという砂が必要だと。これは沖縄で3年から5年分の採取する量なんです。沖縄県の工事を全て止めてここに投入できるかという話で、それだけの砂をどこから持ってくるのかという見通しも見込みも全く立っていない、というような実態があるんですね。一方、90メートルになるところもあって、実績でいうと、90メートルに及ぶ砂杭を打てる船とか設備はないということです。70メートルしかないし、国内に数台しかない。ほとんど実績もないし設備も整っていない。なおかつ90メートルの地盤改良には足らないわけで、どうするんだと言うと、70メートル下は固い地盤ですということを言っているんだけれども、聞いてみると、実際のその場で測ったんじゃなくて、近くを測ったものを流用して、そういうことが想定されるという全くいいかげんなことを言っているみたいで、そこまでのデタラメなやり方なり説明をして進めているということです。いわば言葉でごまかし答弁をして、それで多少は世論をごまかせるかもしれないけと、土地は地盤はごまかせませんから、それが破綻するのは目に見えている。しかしながらとにかくやるんだということです。しかし、ここまで大きな変更になると、さすがに変更申請しなくてはならなくて、変更申請の対象は県知事なんだけど、県知事は絶対に認めないと言っているので、変更申請しても認められる見通しはないんだけれども、場合によってはそれも裁判で訴えて強引にやるかも分からない、という話もあります。
それともう一つは、この前からいわれている活断層。楚久断層と辺野古断層が交差するあたりに、相当の活断層が存在していることが前からいわれていて、先日、地質の研究者などが改めてその周辺を調査したらしいんですね。音波探査などやって、明らかに活断層があるということを報告しています。防衛省も実は知っているはずなんだけど、そういうことはありません、と開き直っていて、調査状態も発表していないので、調査の公表を求めているそうです。ただ、活断層もかなり新しい年代だという説もあって、もし仮に活断層が実際にあるとなれば、米軍は絶対に認めませんので、そういう欠陥空港を仮に作ったとしても、果たして米軍は、ありがとうと、使わせてもらいますと言うかどうかも疑わしいという全く展望のない状況があります。それが最近の動きです。
今後の見通しについては、私の方でとやかく言えるわけではないんですけれども、土砂投入については来年の夏くらいまでかけてずっとやろうということのようです。現地の方からの要請としてはとにかく人が少ない。闘争の現場がキャンプシュワブだけだったのが、4月から元々積出港にしていた本部の塩川港が、台風被害の補修工事が終わったので、それもまた始める。そうすると、キャンプシュワブと塩川と安和と3箇所が現場になっているので、こちらも人が足りない。とにかく1人でも多く現地に来て欲しいというのが現地の声なので、僕らもできるだけ辺野古に行こうよということで、4月5月からキャンペーンを始めて、派遣カンパだとか人の募集などやっていこうとしています。それが現地からの切実な声ということです。

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3年前の高江でのヘリパット建設強行に対しての反対運動を封じ込めるため、全国の都道府県から機動隊が派遣されたんですけれど、その中で特に警視庁の機動隊が派遣されたことは違法だということで、訴訟を始めたんです。私も原告の一人ですが、東京都は警視庁に都民の税金を不当に使ったので、都知事が警視庁に返還を求めるという請求なんです。被告は小池知事。東京都の方は門前払い、争点にならない、通常の給料を払っているので特別ではないということを言っているんですけれども、裁判長がかなり関心を示してくれていて、実質審理が始まって証人尋問が始まったんですね。ついこの間も3月20日に証人尋問がありまして、3回目が4月24日、是非よろしかったら来て下さい。画期的な裁判になったし、第一回目が重久という警察長の中でも高級エリートで、この高江の機動隊派遣のためだけに、警察庁(警察庁警備局外事情報部国際テロリズム対策課理事官)から出向して、その期間だけ沖縄県警の警備部長に就任したんですね。終わったらまた帰ってきて、今、警視庁警備1課長をしている。その人の証人尋問をしました。それと昆虫研究家とか映像作家とか弁護士の証人尋問がありまして、今度は、高江で実際にヘリパットに反対する住民の人2名と土木技術者と原告の1人の証人尋問をするというこになります。
以上です。」

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明大土曜会の沖縄ネットワークでは、この「明大土曜会」の後、4月16日から4月19日まで、沖縄・辺野古現地統一行動に参加した。詳細報告は次回のブログに掲載予定であるが、統一行動の写真を何枚か掲載する。

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(土砂搬入抗議)

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(土砂搬入抗議)

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(辺野古ゲート前)

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(本部・塩川港)

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(強制排除)

(終)

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