
(ブログの字数制限の関係で2つに分けてあります。N0190-1から見てください。)
(写真は原子力資料情報室HPからの転載)
『関東地方から北に下がっていくにしたがって、風向きは北に向いていた時期があって飯舘村はめちゃめちゃ高い汚染状況でチェルノブイリの居住禁止勧告ライン、本当は住まない方がいいですよ、という勧告ラインの6倍くらいだと、京大の今中さんは報告しているが、その後の文科省関係のデータによると飯舘村は部分的にセシウムで数百万ベクレルの所がある。
北西と南東に「逆くの字」を描くように汚染の広がりがあるのだが、地形の影響なのか福島市も盆地になっているので結構高い状況が今でも続いている。
一時は普段の500倍に跳ね上がって、その状態が2~3週間続き、ゆっくり下がっている、そんな風に汚染が広がっている。
明後日から現地を見回ってこようと思っている。もちろん、20キロ圏内は侵入禁止になっているが、20キロ以遠については入れるので調査をしてこようと思っている。
今後、野菜の問題とか人の被爆で、福島県の郡山と福島市、いわき市は結構高い汚染状況に一時なったので、将来的な健康影響を心配している。
きっと因果関係が認められないから、裁判が起きてくるのかなと推察している。
そいうのが起きてきた時の対応を準備していかなければいけない。
原子炉について言うと、爆発が起きてそれでも冷却は継続しなければいけないので、東電はロードマップを出して原子炉の格納容器を水で満たそうという計画を進めている。
何故そうするのかというと、燃料そのものがむき出し状態になっていて水を送っても送っても冠水しない、だからある高さのところから漏れている。
その状態で継続するという案もあるのではないかと思うが、東電は「冠水させなければいけない。外側を燃料の高さまで全部水で覆えば漏れていても、それ以上漏れないのでよかろう。」ということで案を立て、そのためには水位計を取り付けなければいけない。
そのためには部屋の中に入らなければいけない。入るためには中の空気を入れ替えてちょっとはきれいにしなければいけないダメだということで今、そういう作業をしている。
1号機でうまくいけば3号機でやることになるが、2号機は格納容器の下側で破損しているので下側の場所を特定して修理してからでないと水は入れられないという状態。
うまくいけばそれはそれで一つの方法だからいいのだが、タービンの所にも水が出ているので、格納容器の何処からか出ている。それを考えると、7400トンくらい水を入れるのだが、上の方で漏れている分にはいいかもしれないが、下の方で漏れがあった場合はそこのところが拡大する恐れがある。そうなった時にどうするという問題がある。
仮にそこを修理してやったとしても地震の余震が来た時にどうするかということがあり、水が中で揺れると中のパイプ類の破断、格納容器そのものが破断する可能性がある。
なかなか危険な作業であり、これで安心とはとても言えない。
(東電は)長くて8ヶ月位で何とかするといっているが、それはトラブルのないベストな状態なので、きっと長びいていくだろう。
無事にその作業が終了して燃料が水につかり、全体が100度以下になった状態になっても5年とか10年とかやりくりしないといけない。
当初1~2年は気の許せない状況が続くが、すこしは楽になるかもしれないが少なくとも冷却は5年、10年は続く。
東電は、4基は廃炉にすると言っているが、福島県議会は残りの2基も廃炉を要求している。
女川原発、東通原発、東海原発など15基の原発が並んでいるが、これらについてはおいそれと運転再開はできない状況。
仮に運転再開の方向に進むとして、耐震安全の補強とか、どんなダメージを受けているかなど全部のチェックが必要で、そのためには最低3から5年くらいかからないと再開には至らない。
その間に原子力に依存しないシステムを広げていけば我々の勝利は見えてくる、そんな風に思っている。
今のエネルギー計画は原発に過度に依存しているから、実態として破綻している。数年間は(原発に)依存できない。
今、原発で動いているのは54基のうち17基、あとは地震で止まる、定期検査中で止まっている。定期検査で止まっているものは、地元が運転再開をおいそれとは認めないので、この状態は、1年くらいは続くのではないか。
相当長期にわたって原子力が半分以下の状況が続く。
その間に、今、省エネといっているが、加えて再生可能エネルギーに世の中がシフトしていく。シフトしていく時に、ある段階で質から量へ転化していく、爆発的に風力とか太陽光が広まっていくのではないかと期待している。
そのような状況に持っていくように、今、動かないといけないと思っている。』
次週は伴氏との質疑の様子を報告する。
(つづく)