No187の続きです。
11月の授業再開を待っていたように、明大でもスト権解除に向けてスト反対派が動き出した。
スト反対派の「有志連合会」は学生会中執に対し、「学生大会」の開催を要求する要請文を提出した。
【有志連合 学生大会を要求】1969.11.13明治大学新聞(引用)
『スト権解除のために動きが注目されている「有志連合会」(佐々木裕代表=法三)は、学生会中執(両川敏雄委員長=政経四)に次のような要請文を提出した。
<要請文>
今般、全明治大学有志連合会において葉書により「学生大会要求」の賛否を問うた結果、下記の通り賛同を得ましたのでここに書面をもって11月25日に学生大会を開催するよう要求いたします。
なお、当要請に関する確答を11月12日正午までに当会宛御返送下さい。但し、期日までに返答のない場合はこの要求を拒否したこととみなします。
記
賛成5,835 反対181 無効146 棄権1 保留6
住所変更による返送 1,161 未回答15,530 総計22,860
昭和44年11月10日
明治大学学生会中央執行委員会 委員長 両川敏雄殿
全明治大学有志連合会 委員長 佐々木 裕
これに対し、学生会中執は「要求事項が闘争の本質にかかわっていない」として、今のところ有志連合の要求に従って「学生大会を開く意志はない」(両川敏雄委員長談)と期日までの回答を拒否した。(後略)』
そして11月29日、「有志連合会」と「全明クラス連合(準)」(民青)との共催により、体育会が警備する中、スト権解除、中執リコールに向けた「全学集会」が和泉校舎中庭で開催された。
全共闘はこの「全学集会」に対し、授業再開後、初めて組織的な阻止行動を行なった。
【学生大会移行ならず 29日和泉中庭で全学集会】1969.12.11明治大学新聞(引用)
『スト権の解除へ動いていた有志連合会(佐々木裕代表:法三)は全明クラス連合(準)との共催で29日和泉中庭で「全学集会」を開いたが、主催者の意図した「学生大会切り変え」は参加者の反対でならず、「スト権解除」を学生会中執に要求する決議を採択するにとどまった。
この日、和泉地区対策本部会は全学集会のため「ハンドマイク持ち込み可、3,4年生の出入り可」という措置を取った。また、正門脇には機動隊員の待機する風景もみられた。
一方、全共闘系学生約100人はこの「全学集会」のけん制を含めて、同日午前11時ごろから、同じ和泉キャンパスで、ロックアウト体制・授業再開策動粉砕のための「全明総決起集会」を開いていた。
有志連合・全明クラス連合(準)共催の「全学集会」は正午から始められた。開始早々、二号館二階の非常階段に設けられた議長団席に向け、全共闘系学生がデモ行進し、「最低限の防備はする」(佐々木代表談)として集められた体育会学生と小ぜり合いがくり返された。
まもなく、全共闘系学生は集会を開いたが、渡辺体育会委員長は集会をすぐやめるよう数度警告を発した。
全共闘系学生はこれに従わなかったため、体育会学生が実力で排除にのり出し、全共闘の集会は雲散霧消。その後、数度全共闘系学生と体育会学生は衝突を起こし、全共闘系学生は一時正門検問所の外まで押し出された。
この衝突で全共闘系とみられる学生1人が倒れる事態も生じ騒然となった。
集会はこの間、一時中断する一幕もあったが平穏のうちに進められた。(写真)
席上、発言にたった文三の民主化闘争委員会の1人は「学生大会を要求する様々な人がいる」とし民主的な学生大会の場として①大学当局に対して場所と時間を保障させる②他大学生の参加は一切認めない③凶器・武器の持ち込みを認めない、などの要求項目を提起して具体的に取り組む構えをみせた。
また、一般学生の間からは「代議員・選管の改選を抜きにして行なった6月17日の臨時学生大会は無効だ」との声もあった。
この日、有志連合の目指していた「全学集会→中執リコール、スト権解除」への“夢”は実現せず、かねてから主張していた路線を単に確認するのみにとどまった。
また、体育会の渡辺健二委員長は「体育会は有志連合をバックアップしているだけで、今後は独自の路線で目的達成に努力する」との見解を明らかにした。
最後に全学の意志を反映した話し合いの場を今後も設け、四決議を強く要求することを拍手で確認し2時すぎ閉会した。』
全学集会の様子は、次週に続きます。
(つづく)