【今回も田中駿介が執筆いたします。よろしくお願いします。】
去る6月30日、筆者が共同代表を務める「ユースプラットフォーム」のイベントを開催した。この団体は、30歳以下の社会問題に興味ある学生や市民を対象に、主権者として政治を考えるための機会を提供することを目的として、これまで複数回同趣旨の事業を開催してきた。
今回は、「①論文執筆の基本 ②東京都知事選」をテーマに、二部構成でイベントを進行した。

△集合写真※画像は加工しています=東京都中央区、2024年6月30日
▼第一部:論文執筆の基本
▼第一部:論文執筆の基本
第一部では、司会者が田中に対して論文執筆の基本や効果的な文章構成について質問する形で進行された。このセッションでは、論文のテーマ設定や構成方法について深掘りし、卒業論文や修士論文に取り組む学生からの多くの質問に答える形で、活発な質疑応答が展開された。具体的なアドバイスや実例を交えた議論が闊達に展開され、参加者は自身の論文執筆に役立つ多くの知見を得ることができた。
▼第二部:東京都知事選を考える
第二部では、東京都知事選に関する討論が行われた。討論では、東京が直面する様々な課題や民主主義の意義、そして選挙制度についての侃々諤々の議論が交わされた。候補者が乱立する中で、単なる選挙制度の問題にとどまらず、広く民主主義の在り方について考える貴重な機会となった。多様な視点からの意見交換により、参加者は現代の政治システムに対する理解を深めることができた。
都知事選挙では予想外の展開が多く、特に一部の候補者の言動が大きな話題を呼んだ。本人とは別の候補者ポスターが掲示されたり、ヘイトスピーチや女性蔑視を公言するとされる候補者が立候補したりと、有権者の混乱を招く場面も見られた。他方で、野党側の選挙戦略にも課題が多く見られたのも事実である。このような状況を受け、討論では情報の信頼性についても議論が行われた。

△イベントのポスター
▼選挙論戦で明らかになったこと
話を選挙論戦の展開に移そう。

△イベントのポスター
▼選挙論戦で明らかになったこと
話を選挙論戦の展開に移そう。
18歳選挙権が導入されたのは約10年前のことである。このとき、主権者教育の重要性が強く叫ばれ、特にヨーロッパにおける事例が参考にされ、多くの実践がなされた。それから日本における主権者教育はどう進展してきたのか。当時は、マスメディアも多く取り上げたのに、今では殆ど話題になる機会がなくなってしまったように思われる。
政治的無関心の瀰漫は大きな課題だ。そもそも選挙をめぐるメディアの報道や論点設定にも課題があり、その責をすべて有権者に帰することはできないだろう。
いま、二者択一のイデオロギー対立のみでは解決できない諸課題(東京一極集中の問題、格差の拡大、超高齢化社会の到来、人手不足問題)が横たわっているなか、本来、様々な政策議論を行う機会であったのに、世論全体として、その機会が損なわれ、あるいは不完全燃焼になってしまった感は否めない。
まさにこのことを学校教育現場でも、政策論争でも大いに議論すべきではないだろうか。改めて、教育が、政治が果たす(べき)役割とは何かーーそのことがいま問われている。 (了)
いま、二者択一のイデオロギー対立のみでは解決できない諸課題(東京一極集中の問題、格差の拡大、超高齢化社会の到来、人手不足問題)が横たわっているなか、本来、様々な政策議論を行う機会であったのに、世論全体として、その機会が損なわれ、あるいは不完全燃焼になってしまった感は否めない。
まさにこのことを学校教育現場でも、政策論争でも大いに議論すべきではないだろうか。改めて、教育が、政治が果たす(べき)役割とは何かーーそのことがいま問われている。 (了)
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