今回のブログは、2025年2月の明大土曜会でのパレスチナ問題についての発言です。
伊藤忠とイスラエル企業の協定を破棄に追い込んだり、街頭行動中心に活動しているアラブ系フランス人ザックさんなど若い世代からの発言です。

重信房子さん
今日はパレスチナ関係で、日本で連帯運動をやっていらっしゃる3人の方に来ていただきました。
1人はザックさんという方で、アーティストです。パレスチナ関係のポスターとか描いています。もう2人は、映画制作者。この間、長編劇映画を作って賞をいただいたようで、2人が担当しています。ニューヨークを中心に活動したり、日本と行ったり来たりしている中で、アメリカでもパレスチナ連帯運動に関わっていらっしゃったようです。何を喋っていただくかは、彼らが今、一番言いたいといところら話していただければと思います。
それから、パレスチナの連帯運動で、私たちの年金がパレスチナの人々苦しめているというパンフレットがあるので、回してください。
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ザックさん
こんにちは。僕はいつもデモとかでスピーチしているので、自分が書いたこと、言いたいことが、この場に合っているかかどうか分かりませんが、聴いてください。また、家に帰った時や他の場所に行った時に、他の人に伝えて欲しいという気持で書きました。
パレスチナ連帯運動という名前の通り、私たちはパレスチナと連帯しているので、敵はイスラエルと考えることが多いです。イスラエルはパレスチナ人に直接的に圧力をかけているからです。更に進んで、イスラエルとアメリカを結び付け、沖縄で米軍基地に抵抗している仲間たちに連帯の声を上げる人たちもいます。
僕の知っている限り、一緒にデモをしているほとんどの人々は、ガザ地区や西岸地区で起きている大量虐殺に日本も加担しているということを分かっています。
僕らは大量虐殺がすべてに繋がっていることを理解しなければなりません。言葉では理解していても、ほとんどの人は僕も含めて物質的に、物理的に理解していないと思います。
僕らがいま生きているこの社会は、どれだけ今のジェノサイドに結びついているのか、もっと具体的に知り、実感しないと何も変わりません。
昨日イスラエル大使が記者会見で「パレスチナ連帯運動は日本で何のダメージも与えられていない」と言ったそうです。腹が立つ発言ではありますが、「正直に見ればそうでしょうね」という感じです。僕らは根本のところで効果のあるやり方でまだ戦えていないと思います。それを見つけるのが、まさに僕らの責任であり義務です。
イスラエルを倒すためにどうすればいいのかと言うと、もちろんシオニズムを倒さなければなりません。シオニズムとは何かと言うと、簡単に言いますとユダヤ教をブランディングした帝国主義に他ならないです。イスラエルの建国は、ホロコーストを犯した白人と、その犠牲者であるユダヤ人の代表者と名乗っていたシオニズム運動との間の協定です。西欧帝国の拠点となってくれれば、中東に土地を与えるという契約のようなものです。
パレスチナの抵抗組織PFLPは、パレスチナ人に4つの敵があると特定しました。一つはもちろんイスラエル。そして二つ目は国際的なシオニスト運動、そして三つ目はアメリカ帝国主義、そして最後にアラブ反動主義者、帝国主義者に忠誠を誓っているアラブ諸国の支配層、支配階級だと。
世界中のパレスチナ連帯運動では、大量虐殺を終わらせたい、西岸の占領を止めさせたいとだけを思っている人がいます。彼らはイスラエルを問題視しない「リベラルシオニスト」という人たちで、「今のイスラエルは単に暴力的すぎる」と考えているだけです。幸いなことに、僕らの日本でのコミュニティでは、そのような人たちの声は小さいようです。あまり聞かない。僕らのほとんどは分かっています、イスラエルの廃絶が必要だということを。しかし、イスラエルを倒すためには、帝国主義そのものを倒さなければなりません。だから僕らの運動は国内的であると同時に国際的です。パレスチナで米国で、アフリカ大陸、アメリカ大陸、韓国もそうですし、日本もそうです。みなさん頭の中で分かっていると思っている人は多いでしょう。でも、それは物質的に、物理的に何の意味を持つのか。僕らが持っているもの、僕らが満喫できる多くの特権を犠牲にする必要があるということです。何故なら、それは全て帝国主義に依存しているか、帝国主義の上に成り立っているからです。日本という社会の本質は、イスラエルとあまり変わりません。だからパレスチナで行われている抵抗と、本質的に変わらないほどの抵抗を僕らがする必要があるのではないかと思います。
先週、ドイツ在住の仲間が来て、パレスチナ連帯運動に対するドイツ国家からの弾圧について講演をしました。ドイツの仲間との連帯の仕方を学ぶためと、イスラエルの存在がいかに帝国主義の中核、ヨーロッパ、アメリカそして日本の存在と結びついているのかを理解するために、今回はヨーロッパに事情を共有したいと思います。

一つ目、表現の自由についてというか表現の不自由について。
特にドイツが一番ひどいですが、他の国もひどいです。ドイツでは特定のスローガンが禁止されています。「川から海まで」(パレスチナは川から海まで自由になる)というスローガンが禁止されていることを知った時から、じゃあ私は自分の体にそのスローガンを書く!と思って体に書きました。(腕に書いたそれを示してくれました。)
それから「ネタニヤフが子供を殺す」と言うこととかが禁止されています。あとは普通に「虐殺やめろ」ということも禁止されています。
スローガンだけでなくシンボルも禁止されています。僕らがいつも巻いているクーフィーヤ、このスカーフが禁止されています。あとはパレスチナの国旗も禁止されています。あとはパレスチナの抵抗運動で使っている逆赤三角形も禁止されています。ひどすぎます。
それはデモや公共の場ですが、SNSでも特定の写真、例えばパレスチナの連帯とか、パレスチナの抵抗についての写真に、「いいね」を付けたことだけで逮捕されることがあります。それがドイツですけれども、フランスもレジスタンス、抵抗者への支持を示すリツイート、誰かが書いたものを引用したということだけで、3年間の懲役刑を宣告されたり、「インティファーダー」民衆蜂起という言葉をスピーチ中に言っただけで、8ケ月の懲役刑を宣告され人がいました。ドイツやフランスでパレスチナ連帯のイベントが途中で不当に中断されたり、前日に中止されたりします。

二つ目。連帯はリスクになっています。
そこは日本とは大きく違いますが、警察に暴力を振るわれたり、一般市民の中に居るシオニストにパレスチナ連帯運動の仲間がボコボコにされたりするのはもちろんです。昨年の夏に、フランスでパレスチナ人のデモ参加者が警察に殺されました。だから連帯するだけで、デモに行くだけで、自由とか人権の国と言われているフランスやドイツ、いわゆる民主主義の国で人は殺されます。命だけでなく経済的にも金銭的にもリスクが大きいです。毎回何の罪もないのに高額の罰金を取られたり、逮捕された時にかかるお金だとかがかかります。ドイツ、特にベルリンでデモをしている人は労働者とか学生が多いので、それほどお金を持っている人たちではないので、結構負担が大きいです。他にも警察とか政府に脅迫されたり監視されたり、家宅捜索をされたり、個人情報を暴露されたりします。
デモ以外でも、自分のパレスチナへの連帯を示すだけで日常生活のリスクが大きいです。イスラエルを支持していることを示さないとビザを貰えなかったり、ビザを貰っている外国の人や難民がビザを更新されなかったり、解雇される。あとは銀行口座を閉鎖させられたり、僕も経験がありますが、去年ガザの友達のために募金を集めていたら、僕はドイツに銀行口座を持っていますが、お金が入った時に「何のお金か」を尋ねられて、資料を出したら口座を閉められました。入国を断られたり、NPOやアーティストに対する助成金を取り消されたり、アーティストのイベントが中止させられたりします。それでも、彼ら彼女たちは戦い続けています。今でも諦めていません。自分の特権よりもパレスチナの解放が重要だと分かっているのです。それだけではないです。今の自分の特権がパレスチナで今起きている、今まで起きていた民族浄化と大量虐殺によって成り立っていることが分かっているのです。

三つ目。弾圧へのプライド。
普段、国家や警察が暴力を振るったら、恥を感じますが、今のドイツは全く逆で、すごく誇りを持っているらしいです。警察はなるべくひどく、なるべく暴力的に、なるべくカメラの前で弾圧をやっています。だから仲間がどこかであまり知られていないデモをやろうとしていたら、警察がそれを知っていたら、どこかに警察と記者がいます。警察が記者を呼んで、デモ参加者をボコボコにしています。10歳の子どもを逮捕したり、年寄りをボコボコにすることに全く恥を感じないんです。民主主義だと言っても。それで今のドイツがイスラエルにどれだけ依存しているのかが分かるし、向こうは言葉で認めています。ドイツはナチスから卒業したと見せるために、イスラエルを命を懸けて支持しています。でも本当は、非ナチ化はしていません。みんな分かっているはずです。それはドイツの話ですけれど、日本もそう言えます。ドイツも日本も根本的にレイシストな国です。過去から一切学んでいません。日本は平和という概念、言葉を利用して、自分の罪を世界に忘れさせたいのではないでしょうか。平和という言葉を使って、イスラエルによるジェノサイドを支援しているのです。「平和を守る」と言いながら基地を作るのです。「平和のため」だと、武器をイスラエルから買うのです。本当に僕たちがイスラエルを終わりにしたいのであれば、日本の今の社会そのものを狙う必要があると思います。日本で人のために、地球のために戦っている全ての運動、今はちょっとバラバラになっていますが、全ての運動と繋がって、大きく強く戦っていきたいし、戦っていかないと何も変わらないと思います。
以上が僕の言いたいことですが、最後はパレスチナの革命家であり作家であったガッサン・カナファーニーの引用で終わりたいと思います。
「パレスチナの大義はパレスチナのためだけではなく、どこにいようと、あらゆる革命家の大義であり、私たちの時代に搾取されている大衆の大義なのです」
だからパレスチナのことを分かっていなくても、パレスチナは遠い国だから自分は直接関われないといういろいろな理由で関わっていない人にそれを伝えたいのですが、パレスチナのために僕たちは戦っているのではなくて、自分たちみんな、世界のためにパレスチナを通じて戦っています。以上です。
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重信房子さん
次に映画製作に関わっているAさんです。

映画製作者 Aさん
今ザックさんが言った通り、この問題というのは「日本全員の問題である」ということの中で、象徴的なのは、年金の問題かなと私たちの中では思っている人が多いです。もちろん年金を払っている人たち、受け取っている人たちが多いからということだと思いますが、そういう意味で一番呼びかけたいと思っているのは、知っている人だけでこの情報を止めておかないで、普通の人たちにも届くような形で気持ちを届けたいと思います。また、「平和」という言葉が日本ではキーワードだと思っていて、平和という言葉で隠しているというものがすごくたくさんあると思います。武器反対、戦争反対という概念は結構広く日本の中では承認されていますが、それに反していることを、今この年金の運用のされ方に現れているというも大事なポイントと思っています。
この(チラシに)動物の絵が入っているのも、普段にパレスチナについてとか、政治的なことについてあまり触れない人たちにも考えてもらうために、分かりやすいように仲間たちが作っていて、明日全国各地でこの年金問題に関して、できるだけ周知して広めようというデモが行われます。東京でも新宿でやります、明日の運動で大切にしたいことは、声を上げるということの中で、この情報をいろいろな人に知ってもらいたいということです。それで、いっぱいチラシを用意してみんなで配布する行動になっています。このチラシはネットにアップされているので、ご自宅でプリントできたり、友人、知人にメールできるような形を取っているので、みんなに関わっていることで、ましてや日本の年金の1兆円以上がイスラエルの国債や、イスラエルの一番大きな軍事会社エルビット・システムズに投資されているということなので、ここからでも日本の多くの人に知ってもらい、関わってもらえたら、そこからどんどん情報を得てもらえたら・・という切り口で、今戦おうとしているところです。
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ザックさん
ちなみに、年金が何故そんなに大事かと言うと、さきほど「本当に根本的な問題を狙わないといけない」と言いましたが、これはかなり根本的です。
何故かと言うと、僕たちの年金基金という社会保障の基礎的なベーシックなものを、ジェノサイドが起きてもいい、ジェノサイドに投資してもいい、儲かったら投資してもいいというシステムになっているからです。
ノルウエーは2014年、イスラエルが侵略した時に、いろいろな活動家が、一般市民を含めて、政府にファンドから武器企業への投資の引き揚げを求めて、成功しました。ノルウエーで一番大きいファンドでしたが、それに新しいルールを入れることができました。
イスラエルに投資しないということだけではなくて、そもそも僕たちがもっと年金を貰うために、武器とか人を殺すようなもの、地球を壊すようなものに平気で投資してもいいというシステムを変えないといけないのです。この年金の活動でそれを実現することが出来るのでみんなでパレスチナのことをやっていますが、気候危機とか環境問題、沖縄の問題もそうだし、いろいろな活動をしている仲間たちと、この年金の問題を一緒にやりたいと思っていますので、広げてください。お願いします。

重信房子さん
付け加えて政治的なことを言いますと、2月4日にネタニヤフとトランプが会います。トランプが最初に愛すべき対象がネタニヤフであり、これまでに何をしたかと言ったら西岸のパレスチナ人達を虐殺、破壊したユダヤ人入植者の制裁解除です。あのバイデンでさえやった制裁を即解除しました。それから2000ポンド大型爆弾のイスラエルへの輸出、これも止めていたのを再開しました。そしてガザ住民のヨルダン、エジプトへの移送を主張しましたが、これはヨルダンやエジプトではなく77年前にパレスチナ人をガザに追放した占領国家イスラエルが受け入れるべきことなのです。それから今、イスラエルはUNRWAの活動禁止を決めましたがトランプはそれについても賛成しています。レバノン南部のイスラエルの駐留は、協定では撤退していくことが決まっていましたが、イスラエルはまだ居残るというのに対して、アメリカ政府は賛成しました。
このように、イスラエルの政策がアメリカの政策になっていく、そういう時代なので、西岸地区の併合というのは進行しています。トランプは「地図を見てみたら、イスラエルは周りの国に比べて小さいじゃないか」と選挙期間中から言っているんでね。だから併合する方向に全体が恣意的に動いていく。シリアの土地もイスラエルはずいぶん併合しているんです。そういうような状態なので、本当にこれから人類の価値が問われる。今そこで何が起こっているかと言うと、ネタニヤフとトランプの2人が国際的な、それまでいろいろな哲学とか歴史の中で人権というものを育て作って来た、それ自身を破壊し、敵対している関係にあるんですね。
これからみんなその点が問われると思います。日本も問われる。トランプと一緒に行くのか、それとも国際的なこれまでの人権だとか人間の尊厳だとかそういう人類史の教訓に敬意を表していくのか、それがパレスチナ問題の核心になって行っている時代です。
特に2025年、日本の足元で本当に変わる契機にしたいといことで、ここで連帯する若者たちが、年金問題が日本に突き付けられているということをみなさんも理解し、共に支持して欲しいと思います。

映画製作者NSさん
そんなに付け加えることはないんですけれども、僕はアメリカで生まれ育って、4,5年前に映画を作りに日本に戻って来たんですけれど、本当にトランプ政権、大きく言ったらアメリカの大統領は誰であれ帝国主義的であるはずだったんですけれども、さすがに今回のトランプ政権のファシスト化というのはものすごいものがあって、就任してから2週間も経っていないですけれども、猛スピードで大統領令を次々と出し始めています。その中でもパレスチナに関して言うと、パレスチナに連帯を表明した学生たちのビザを取り上げて強制送還するというところまで行っていたり、難民たちの強制送還を進めたり、あとはジェンダー、特にトランスジェンダーに対して、法律など全部キャンセルして中止していくという政策をしていて、どれだけファシズムとトランプが掲げる方針が、今の最もお金持ちの資本家たち、イーロン・マスクのような資本家たちを取り込んでいるか、それに加えて、それがいかに全世界的な帝国主義と関わってくるか、さらにトランスジェンダーの人たちへの抑圧に関わってくるか、すごく分かりやすくなっているような状況で、だから全ての抑圧は繋がっていたんだなというのが明らかになってきました。
僕とAは最近映画を作って、幸いなことに世界各地にいろんな映画祭に呼ばれることがあって、そういうところに行くと、なるべく現地でパレスチナ連帯運動をしている人と繋がってきています。今日本からパレスチナのために連帯してやっていることの一つで、BDS運動というのがやろうとしていることで、ボイコット、投資の引き揚げ、制裁の3つを軸にした運動を繰り広げているんですけれども、一番大きいのは、世界的企業のボイコットなんですが、それは本当に世界を市場にしている大企業が相手なので、国際的にどんどん連帯して、日本の大企業もそうですが、アメリカの大企業もいろいろな国に支部があります。そういうところの人たちとどんどん連携していかないと、世界の市場に食指を伸ばしている大企業もそうですし、それに関わってくる帝国主義というものも絶対に倒さないといけないというのが、本当に明らかになってきていると思うので、全ての国際的な力が必要になってきているのではないか。僕もザックに同意します。
僕は映画をやっているので、日本のメディアが、デモだったり、こういう情報を全く伝えないので、なるべくデモの動画を撮影して、それを動画にまとめてネットに上げて、本当に少人数で少しずつやっているんですけれども、どんどん広げていきたいと思っているので、今後ともよろしくお願いします。

質問者
アメリカで学生が軍事会社に投資するのに反対して、大学当局に詰め寄った運動はどうなっているのですか。

映画製作者 NSさん
あの運動はもう押さえられてしまいまして、どの大学もそれが再発しないような制度を作っています。

質問者
ブラウン大学だけは学生の言い分を聞いて投資を止めました。

映画製作者 NSさん
投資を削減したり、止めた大学も結構多いんですけれども、そういう大学でも同じような請求運動が起こらないよう、警察とか警備を厚くしています。

映画製作者Aさん
ついこの間、東京であったデモなんですけれども、MIT(マサチューセッツ工科大学)が、アメリカの工科大学だけあって、武器産業ととても繋がっていて、イスラエルのエルビット・システムズと共同開発をいろいろやっている。そのMITが、この1ケ月くらいアジアのいろいろなところでイベントをやったんです。ボストンの学生とか市民の運動で、マサチューセッツ工科大学に「イスラエルとエルビット・システムズと手を切れ」という運動を続けてきていて、実は彼らから東京の仲間にも連絡があり、韓国の仲間たちにも連絡があり、私たちが映画祭を通じて出会ったタイ・バンコクの運動家たちにも連絡して、バンコクでマサチューセッツ工科大学がILP(産業連携プログラム)の会議をした時に、そこでデモをしました。同じ週に韓国・ソウルで活動家たちもデモをした。続いてボストンでもやって東京でも仲間たちがやったというはこの2週間くらいの出来事です。
アメリカのマサチューセッツ工科大学で弾圧されている学生たちがいるけれども、実はこういう大学は日本にも来ている、世界中に来ていると考えた時に、こうやってデモの自由がある日本で私たちがやるべきこともあるんじゃないかということで、私たちも運動して世界的に繋げていかないといけないんじゃないかということも、この2週間、特に実体験として思いました。

質問者
以前ヨーロッパに行った時に、周りに座っていた人が韓国のビジネスマンだった。「どこに行くんですか?」と訊いたら「イスラエルに行く」と。「何しに行くのか」と訊いたら「飛行機を売りに行く」と、そういう関係なんですか、韓国とイスラエルは。

ザックさん
韓国とイスラエルの関係は、日本とイスラエルの関係とあまり変わらないのではないか、と僕は認識しています。日本はイスラエルから殺人ドローンを買ったりしてるし。
あとはITとかテクノロジーでは、日本がイスラエルに17%くらい投資をしている。

重信房子さん
安倍政権の時に、それまでとコースを変えて、ネタニヤフを日本に呼んで準戦略的関係ということで投資協定を結び、それから自衛隊の交流という形で派遣し、インテリジェンスに関して強化したんですね。
今問題になっているのは、去年の1月に落札1円でイスラエルのドローンを買う候補に決めて、その試験飛行が続いて、今回の予算でどうなるか分かる筈ですけれど、イスラエルのものを買うのか、他の国のものを買うのか、イスラエルものものが選定されそうということで、武器を買うことに反対するネットワークの人たちが今それを阻止しようと活動しています。今日ここに来る予定で来られなかった人たちを中心にして、去年の2月に伊藤忠とイスラエルの協定の延長を阻止しましたが、実際には子会社が今もやっているのが実情みたいです。そのように帝国主義資本の側は、名前を変えたりしながら、イスラエルとの実質的な貿易とか投資を続けようとしているので、それに対する摘発は、本当に国際主義というかインターナショナルな形で結び合ってていかないとと思います。
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今、ニュースなどでガザの北へ帰る何十万というパレスチナの人たちを見ると、どんなことをしても殺されないという抵抗の印というか、生き延びる意思を宣言しています。「ガザから出て行け、シナイ半島に国を作ればいい」というのがネタニヤフプランなんですね。あれほど破壊したのは、ガザを「第2のドバイ」金持ちのレジャーランドにするのが彼らのテーマなんですよ。ガザを綺麗にしてドバイにして、サウジアラビアのビジョン2030という未来都市と高速鉄道で繋いでガザに未来都市を造るという構想が、すでに去年の7月の『ザ・ネイション』というアメリカの雑誌に、ネタニヤフの首相府が作ったということで掲載されています。それを見ると、あれだけ破壊してしまえば、逆に出ていかざるを得ないから、そこに未来都市を造って、本当にイスラエルのものにして、パレスチナの資産であるガザ・マリーンという沖合に石油が埋まっているんですが、それを資産にしてサウジアラビアを巻き込んで、そのお金で全部造り直そうという、本当にゼロからやり直そうというプランがあるんですね。ですからそれに対する抵抗としても、絶対に退かない、絶対追放させられたガザの北部の故郷へ帰っていく、その巨万の人の群れを見ると、本当に200万人を殺さない限り絶対に引かないぞという姿勢を感じますよね。明るい、あれだけやられて、負けなかった、停戦はハッピーだと言っているんですよね。写真を見ただけでもイスラエルは敗けたんだと考えざるを得ないですよね。

ザックさん
まじで歴史的な風景で、ナクバと同じような動きですが、戻るというはすごい。抵抗者はすごい。さっきのビジネスの話ですけれども、僕たちは必ずイスラエルの企業とか大使が出ている場所に行って、それを妨害するということをなるべくやっていますが、基本的に東京ビックサイトにある全ての部屋にイスラエルの企業などが出ています。テクノロジー系はそうですけれど、フード系のフェアだとか、自動車とか航空機とか、本当にどれだけイスラエルが浸透しているのか、掘れば掘るほどもっと出てくるから、万博にも来る、あとは日本の飲み物、特にレモンやゲレープフルーツが入っている飲み物、コンビニのレモン飲料を見たらイスラエルの表示がありますが、そのレモンはイスラエルの入植地で採れたものだから、BDSという活動でこれを消費しない、不買運動を強く訴えています。レモンサワーも強く関係しているので、ビールに代えてください。

映画製作者 Aさん
どんな人も、どんな問題意識を持っている人もやるべきことだなとやりながら思うんですけれども、自分たちが飲んでいる物に入っている果実がどこから来ているのかを見ること、本当にイスラエル産が多いので・・

質問者
オレンジもそうかな?

ザックさん
オレンジはそうですね。

質問者
オレンジは輸入が多いので、ラベルを良く見ましょう。イスラエル産のものは絶対に買わないようにしましょう。

質問者
イスラエル大使館前行動で、抗議するのも5人までしか受け付けない。デモを禁止するのと同じ行為です。このことも広めて下さい。

ザックさん
今週イスラエル大使館前に行って、前は大使館前の道路は封鎖されていて、僕たちは遠くに行かされました。前は10人くらいで大使館の前でコールして、「行ってください」と言われていましたが、それだけで腹が立っていましたが、今は5人になった。

質問者
シュプレヒコールも何もできません。

ザックさん
今週は仲間が申し入れの文章を読み上げていた途中で、警察に押されて追い出されて、それで僕たち揉めました。

質問者
麹町警察と公安が勝手にやっているんですよ。日本の法律ではそんなことをする権利はない。それがまかり通っている。

(終)

【『ただいまリハビリ中 ガザ虐殺を怒る日々』の紹介】
重信房子さんの新刊本です!
『ただいまリハビリ中 ガザ虐殺を怒る日々』(創出版)2024年12月20日刊行
本体:1870円(税込)
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「創出版」のリンクはこちらです。

昔、元日本赤軍最高幹部としてパレスチナに渡り、その後の投獄を含めて50年ぶりに市民社会に復帰。見るもの聞くもの初めてで、パッケージの開け方から初体験という著者がこの2年間、どんな生活を送って何を感じたか。50年ぶりに盆踊りに参加したといった話でつづられる読み物として楽しめる本です。しかもこの1年間のガザ虐殺については、著者ならではの記述になっています。元革命家の「今浦島」生活という独特の内容と、今話題になっているガザの問題という、2つのテーマをもったユニークな本です。

目次
はじめに
序章 50年ぶりの市民生活
第1章 出所後の生活
53年ぶりの反戦市民集会/関西での再会と初の歌会/小学校の校庭で/52年ぶりの巷の師走/戦うパレスチナの友人たち/リハビリの春
第2章 パレスチナ情勢
救援連絡センター総会に参加して/再び5月を迎えて/リッダ闘争51周年記念集会/お墓参り/短歌・月光塾合評会で/リビアの洪水
第3章 ガザの虐殺
殺すな!今こそパレスチナ・イスラエル問題の解決を!/これは戦争ではなく第二のナクバ・民族浄化/パレスチナ人民連帯国際デー/新年を迎えて/ネタニヤフ首相のラファ地上攻撃宣言に抗して/国際女性の日に/断食月(ラマダン)に/イスラエルのジェノサイド/パレスチナでの集団虐殺/パレスチナに平和を!
特別篇 獄中日記より
大阪医療刑務所での初めてのがん手術[2008年12月~10年2月]
大腸に新たな腫瘍が見つかった[2016年2月~4月]
約1年前から行われた出所への準備[2021年7月~22年5月]

【『新左翼・過激派全書』の紹介】
ー1968年以降から現在までー
好評につき3刷決定!
有坂賢吾著 定価4,950円(税込み)
作品社 2024年10月31日刊行
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「模索舎」のリンクはこちらです。

(作品社サイトより)
かつて盛んであった学生運動と過激派セクト。
【内容】
中核派、革マル派、ブント、解放派、連合赤軍……って何?
かつて、盛んであった、学生運動と過激な運動。本書は、詳細にもろもろ党派ごとに紹介する書籍である。あるセクトがいつ結成され、どうして分裂し、その後、どう改称し・消滅していったのか。「運動」など全く経験したことがない1991年(平成)生まれの視点から収集された次世代への歴史と記憶(アーカイブ)である。
貴重な資料を駆使し解説する決定版
ココでしか見られない口絵+写真+資料、数百点以上収録
《本書の特徴》
・あくまでも平成生まれの、どの組織ともしがらみがない著者の立場からの記述。
・「総合的、俯瞰的」新左翼党派の基本的な情報を完全収録。
・また著者のこだわりとして、写真や図版を多く用い、機関紙誌についても題字や書影など視覚的な史料を豊富に掲載することにも重きを置いた。
・さらに主要な声明や規約などもなるべく収録し、資料集としての機能も持たせようと試みた。
・もちろん貴重なヘルメット、図版なども大々的に収録!

【お知らせ その1】
「続・全共闘白書」サイトで読む「知られざる学園闘争」
●1968-69全国学園闘争アーカイブス
このページでは、当時の全国学園闘争に関するブログ記事を掲載しています。
大学だけでなく高校闘争の記事もありますのでご覧ください。
現在17大学9高校の記事を掲載しています。


●学園闘争 記録されるべき記憶/知られざる記録
このペ-ジでは、「続・全共闘白書」のアンケートに協力いただいた方などから寄せられた投稿や資料を掲載しています。
「知られざる闘争」の記録です。
現在16校の投稿と資料を掲載しています。

http://zenkyoutou.com/gakuen.html

【お知らせ その2】
ブログは概ね2~3週間で更新しています。
次回は4月25日(金)に更新予定です。