野次馬雑記

1960年代後半から70年代前半の新聞や雑誌の記事などを基に、「あの時代」を振り返ります。また、「明大土曜会」の活動も紹介します。

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今年の5月6日のブログ(No428 呪殺祈祷僧団四十七士「鎮魂―死者が裁くー」4月祈祷会にて2016.4.18)で、経産省前テント広場で行われた「呪殺祈祷僧団月例祈祷会」の様子を紹介した。
この祈祷会は定期的に開催されているが、経産省前テントが撤去された後の月例祈祷会には参加していなかったので、久ぶりに行ってみることにした。
この呪殺祈祷僧団とは・・・。

(祈祷会チラシより)
『呪殺祈祷僻目四十七士〈J KS47〉とは
【再結成】

1970年、日本列島を公害列島と化し、多くの人々に障害と死をもたらした水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市大気汚染等々の重大な公害問題に立ち向かった仏教者を中心とする「公害企業主呪殺祈祷僧団」という集団があった。このすでに伝説化した「公害企業主呪殺祈祷僧団」をこのたび再結成する運びとなった。再結成にあたって「公害企業主呪殺祈祷僧団」を「呪殺祈祷僧団(JUSATU KITOU SOUDAN)」と改め、僧団員の数を忠臣蔵にちなみ四十七人とした。したがって、正式名称を「呪殺祈祷僧団四十七士」、略称を「JKS47」とする。
【理念】
「呪殺」とは、神仏のはからい、霊験によるものである。
「呪殺祈祷僧団四十七士〈JKS47〉」は、神仏による音霊・言霊に感応し、伝達することを使命とし、死者との「共存・共生・共闘」を理念とする。それは、神殺し、仏殺しであった神仏分離・廃仏毀釈にはじまる日本の近代の始めから現在に至るまでの夥しい負の遺産を継承し、敗者の視点に立ち、ひたすら死者の裁きを懇請し祈念することである。
「死者が裁く」とは、近代化の悪潮流としての生者エゴイズムを糾弾し、死者との共存・共生・共闘を唱えた上原専禄の『死者・生者』にある言葉である。
【活動】
戦争法案廃案!安倍政権退陣!原発再稼働阻止!悪しき者らに死者の裁きを!
これが当面の緊急課題だが、安保関連法案の根本に存在する安保条約、日米地位協定を見直し廃棄することが最大の眼目である。』
とのことである。
経産省前テントがあった場所は、今は工事用の囲いで囲われている。そして、警備員が警戒している。

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経産省前テントのメンバーは行き場を失ったわけだが、場所を経産省のがん間前に移して、歩道脇にイスを置いて、「テントここにあり」という横断幕を掲げて座り込みを続けている。

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今回の月例祈祷会は、その経産省の玄関前の歩道で開催された。「鎮魂 死者が裁く JKS47」の横断幕が経産省の玄関前に掲げられている。
呪殺祈祷僧団の遊撃的月例祈祷会が始まった。

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【開式の言葉】
作詞足立正生、作曲秋山道男の「海つばめ」をJKS47安國楽團が合唱いたします。どうぞご演奏よろしくお願いいたします。

【序奏 「海つばめ」】
法要に先立ち、鎮魂歌「海つばめ」(作詞:足立正生、作曲:秋山道男)がJKS安國楽團により歌われた。(歌:Saku-chang  伴奏:Saku-chang&秋山導男 サックス:末井昭)

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(歌詞)
夜明け海つばめ飛び啼く 陽の輝きが とてもかなしく 
かたくなな心に 風の音さえ突き刺さる
火照った頬には持ってこいの 凍て付いたアスファルトのベットがある
破れた旗を繕う銀の針はいらない
俺は暗闇で爪を研ぐのだ
ここは俺たちの戦場 ここは静かな最前線
夜明け海つばめ飛び啼く 朝焼けの街角に 木の葉風に舞う
真珠色した 血ヘドの荒野に 俺はちいさな炎を放つ
燃やせよ 夜明けを 燃やせよ 街の夜明けを
炎よここは 炎よここは 俺たちの戦場
炎よここは 炎よここは 静かな最前線

この「海つばめ」は、若松孝二監督の映画「天使の恍惚」(1972年若松プロダクション+日本アート・シアター・ギルド共同制作)の中で、冒頭、ナイトクラブで横山リエが歌っていた曲である。

【勧請(かんじょう)】(導師独唱 上杉清文)
本日、此処経済産業省前を道場と定め、死者が裁く祈祷会を主旨奉る。
(中略)
南無妙法蓮華経・・・・

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【読経 「妙法蓮華経 如来寿量品 第十六」】
(中略)

【奏楽】(末井昭 サックス演奏)
【表白文】(表白導師独唱 福島泰樹)
(聞き取れない部分は略)

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南無開迹顕本本門の本尊本門の戒壇本門の題目三大秘法総在本門八品上行所伝本因下種信行観心の南無妙法蓮華経。梵天帝釈日天月天四大天王、天照大神八幡大菩薩日本国内大小の神祇、一乗擁護の諸天善神等、殊には南無末法有縁の大導師主師親三徳高祖日蓮大菩薩摩訶薩、今月十一日小松原法難第七五二年の聖日を迎え慎み敬って、申して曰く。
福島は第一原発事故から五年が経ったが、歳月が過ぎた現在、事故避難者は未だ十万名を数え、原発関連死者は一千五百人に及ぼうとしている。然るに安部首相は大津地裁が下した高浜原発停止命令の仮処分を無視し、再稼働を進めてきた。十月十九日、新潟県知事選は柏崎刈羽原発の再稼働に反対する民意が圧倒的勝利を収めたではないか。これは一新潟県に留まらず、日本国民の総意に他ならない。あの福島の漁を追われ、家族に死なれ、我が家にさえ帰らぬ人々の痛苦に思いをいたす時、九州電力川内原発、四国電力伊方原発に引き続く高浜、美浜、玄海の再稼働を断固として許してはならない。
そして十月二十二日、戦中戦後を通して本土日本人から屈辱を強いられてきた沖縄県において、ゆゆしき事態が発生した。沖縄県東村米軍ヘリパッド移設工事に抗議する住民に向かい、大阪府警の機動隊員二人が
「どこつかんどるんじゃ ボケ 土人が」
「どこつかんどるんじゃ ボケ 土人が」
「どこつかんどるんじゃ ボケ 土人が」
「だまれ こら シナ人」
と恫喝したのである。
これは沖縄県民を収奪、制圧の対象としてしか見ない、これは沖縄県民を収奪、制圧の対象としてしか見ない国家権力による組織的犯罪である。しかも安部政府はあろうことか、これを差別とは見做さないという見解を下したのである。
国際法に違反して造られた米軍普天間基地は、ただちに閉鎖撤去しなければならない。そのためには断固、辺野古に基地を造らせてはならない。平和の名に偽装された安保法制を直ちに粉砕せよ。若き自衛隊員を戦地にやってはならない。若き自衛隊員を戦死させてはならない。若き自衛隊員に人を殺させてはならない。
ひと握りの大企業を優先し、国民を疲弊させ、国民に犠牲を強いる悪しきグローバリズムTPPを許すな。
死の商人と化した安倍晋三よ、原発の海外輸出を即時撤廃せよ。
死の商人と化した安倍晋三よ、原発の海外輸出を即時撤廃せよ。
広島、長崎、沖縄、そして本土空襲で焼き殺された人々。東北大震災、原発関連事故死者、億万の死者たちは、日本人を再び戦争に巻き込み、国土を死の灰で汚染する政官財の悪しき者たちを許しはしないであろう。
広島、長崎、沖縄、そして本土空襲で焼き殺された人々。東北大震災、原発関連事故死者、億万の死者たちは、日本人を再び戦争に巻き込み、国土を死の灰で汚染する政官財の悪しき者たちを許しはしないであろう。

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呪殺祈祷僧団四十七士に集結したわれら僧俗は、此処経産省を道場として、死者の願い死者の痛苦を代弁し、世界平和を祈念し、死者と共闘する回向祈祷法要を謹んで奉修する。
経に曰く「衆生刧盡きて 大火に焼くかるると見る時も 我が此の土は安穏にして 天人常に充満せり」。至心に供養し奉る戦災戦没・震災・原発・公害・刑死殉難横死の諸精霊追善供養証大菩提。「毎に自ら是の念を作す 何を以つてか衆生をして無上道に入り速やかに仏身を成就することを得せしめんと」重ねて祈願し奉る。「天諸童子 以為給使杖不加 毒不能害」「諸余怨敵 皆悉摧滅」「受持法華名者福不可量」(中略)
国賊退散ならしめたまえ。
国賊退散ならしめたまえ。
慎み敬ってこれを申す。南無妙法蓮華経
 
二〇一六年十一月十五日
再建呪殺祈祷僧団四十七士
謹んで申す。

【読経 陀羅尼呪】(澁澤光紀)

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「鎮魂」の横断幕の前で撮影する足立正生監督。どんな映画になるのだろうか?

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【唱題】(南無妙法蓮華経の御題目を一心に唱え奉る正行)
それでは、これより脱原発を祈願いたしまして経産省に向かって太鼓をたたき、御題目をお唱えして御祈願いたします。どうぞ御一緒に南無妙法蓮華経と御唱和よろしくお願い致します。
(南無妙法蓮華経の御題目を唱え太鼓を打つ)

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【祈願回向】(導師独唱 上杉清文)
(聞き取れない部分は略)
慎み敬って唱え奉る南無妙法蓮華経読唱し奉る妙法蓮華経
鳩るところの功徳、大災害、阪神淡路大震災、東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故、熊本地震等度重なる風水害、天災人災横死に遭いしところの諸精霊に回向し奉る。南無有縁無縁の諸精霊仏果増進追善菩提 南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経。
又、未だ帰らぬ被災者、行方不明者の無事と、今日に至るも困難な日々の苦しみを強いられし方々に一日も早く平穏と安楽な暮らしが訪れることをここに祈念し奉る。
南無妙法蓮華経。
我ら一同は無告の民の声を聴かんと欲し、敗れし者の傍らに身を置かんとし、死者との共存共生共闘を理念として掲げ、ひたすら死者による裁きが下されんことを神仏に懇請祈念する菩薩行を実践せんと志すものである。願ごうところは仏国の〇〇(不明)、目指すところは立正安国の実現である。我ら一同、日蓮大聖人の末流に連なる者として、ここに国家勧行を成し奉り、日米安全保障条約、日米地位協定、数々の軍事的密約に基づく米軍基地の存続、原発再稼働と原発海外輸出、自衛隊の海外派遣等々を推進せんとする経産省を始めとする悪しき輩に死者の裁きの鉄槌を下し給わんことを祈念し奉る。
南無妙法蓮華経。

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今や米国に共和党のトランプ政権が誕生したことにより、日本の外交安全保障政策は東西冷戦終結以来の一大転機を迎えたとされ、66年も継続してきた、かっての占領下時代の米国に対する戦争協力体制、即ち、今日の在日米軍を中軸とした日米同盟が変更を迫られるとされる事態を、我らはこれを絶好の好機到来と考え、米軍基地、日本のこと、沖縄、原発、安保、自衛隊、天皇に至る未だ手付かずの困難な問題に、ついに日本の国民は本気で取り組まざるを得ないだろう。
仰ぎ願わくは、南無天下諫暁立正安国の大導師日蓮大聖人、正法治国、不邪誑人民、天下泰平、国土安穏、万民快楽この妙利を展転し、広く衆生を利益し給わんことを。
南無妙法蓮華経
我等一同、至心懺悔、無始已来、自他謗法、罪障消滅、道念堅固、信力不退、願以比功徳、(中略)南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経
平成二十八年十一月十五日
呪殺祈祷僧団四十七士JKS47
南無妙法蓮華経

【四弘誓願】
(中略)

【お題目三唱】
南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経

【呪殺祈祷僧団代表挨拶】(上杉清文)
本日はここ経済産業省前におきまして、私たちの菩薩行を実践せんと志す皆様方とともに、呪殺祈祷会を勤修申し上げました。
今まではちょっと離れましたところでこの法会をやっておりましたが、経産省前のこの場所におきまして祈祷会を勤修する運びとなりました。
経産省で働いている皆様も、この前をお通りの皆様も、私たちが月に1回ではございますが呪殺祈祷会を申しあげておりますので、どうぞ、やがては耳を傾けて頂き、私たちとともにお題目をお唱えし、ご祈願を賜りたいと存じます。
なお、来月は12月15日3時より呪殺祈祷会を勤修申し上げます。
本日は多数の方にご賛同賜りまして誠に有難うございました。
それでは最後に、開式前に歌いました「海つばめ」を皆さんとともに合唱したいと思います。

【終奏】
「海つばめ」の合唱

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(歌詞)
夜明け海つばめ飛び啼く 陽の輝きが とてもかなしく 
かたくなな心に 風の音さえ突き刺さる
火照った頬には持ってこいの 凍て付いたアスファルトのベットがある
破れた旗を繕う銀の針はいらない
俺は暗闇で爪を研ぐのだ
ここは俺たちの戦場 ここは静かな最前線
夜明け海つばめ飛び啼く 朝焼けの街角に 木の葉風に舞う
真珠色した 血ヘドの荒野に 俺はちいさな炎を放つ
燃やせよ 夜明けを 燃やせよ 街の夜明けを
炎よここは 炎よここは 俺たちの戦場
炎よここは 炎よここは 静かな最前線

【経産省前テントひろば代表挨拶】(三上 治)
(聞き取れない部分は略)

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毎月月例のこの祈祷会を楽しみにしています。ここに来て気持ちが洗われ、また、俗に言う「空気を入れる」というかそんな感じで、本当に有難うございます。
僕等、毎日ここで座り込んでいますが、自分の問題として受け止めていくのは、なかなか易しいようでやっぱり難しいので、家からここに通ってくる時に、自分にいろんな問いかけ、何で俺はこんな歳になってもこんな風に関わっているのか、あるいはこんな風にこだわっているのか、と思いながら通っています。そういう時に、皆さんと1ケ月に1回出会うのはとても楽しみです。
今日は南スーダンの方に自衛隊が駆け付け警護の閣議決定をするというような動きもありますし、また、何日か前にはインドの首相が来て日印の原子力協定を結んで、日本が原発輸出をするという動きが見えます。明らかに、アメリカのトランプの政権でいろんな形で動くのでしょうけれども、それとは別個で、現在の安部政権というものが本格的な意味で戦争に乗り出していく、あるいは日本が戦後、何らかの形で戦争に関わることに関して大きな国民的壁を作ってきた、そういうものを崩して海外に自衛隊を送る、あるいは武器輸出を公然とやる、こういうことはアメリカが日本に強制するという問題もあるでしょうけれど、それ以上に安部政権がそれなりに決意している。残念なことは、そういう問題が日本の政治の中では国民の意向とは無関係に進行していく。そういうことに対して国民的なレベルできちんと、そういうことは自分たちが決定するんだ、自己決定の問題なんだという形で抵抗している沖縄の人たちの問題があるんですけれど、残念ながら日本の中では原発問題もそうですし、自分たちの問題なんだ、自分ちが決めていく問題なんだという形で問題を問いかけ、そして行動し、そして自分たちとは無関係なところで物事を決定していく日本の権力機構というか日本の権力の在り方というか、これは伝統的な徳川時代からの政治の在り方なんでしょうが、これにちゃんとした闘いを挑んでいく、そうじゃないんだぜと挑んでいく、そういう闘いをやることの難しさということの中にあると思います。しかし、原発問題もそうですけれども、一番問題なのは、そのことの内容もそうですが、それを進めていく権力の非国民的な在り様に対して、きちんと闘いを挑んでいく、それには国民の声が必要だし、国民の自己決定の問題がなされなければいけないんだ、という一番原点に関わる闘いを僕等は粘り強くやっていきたいと思っています。
僕等はどういった闘いを続けていくかということをきちんと報告しながら、この闘いの場が持続せんというか、僕は大きな意味で現在の権力との戦いはやはり持久戦的な闘いをどうやるかという意味があるんだということで、持久戦的な闘いはどんな風に有り得るかと問いかけながら、やっているのが現状です。その意味で皆さんと共に毎月ここで出会うことを楽しみにしています。どうもありがとうございました。
(司会)
有難うございました。では、来月は同じく15日木曜日になります。経産省前3時より勤修致しますので。また、御参集のほどよろしくお願い申し上げます。
本日は本当に有難うございました。
(終)

【お知らせ】
来週のブログとホームページの更新はお休みです。
次回は12月23日(金)の予定です。

このブログ野次馬雑記も今回で400回目となった。よく続いたものだと改めて思う。毎週ブログ更新をしているが、ちょっとキツイ感じもあるので、これからは時々休みながらやっていきたい。
さて、先日、知人から電話があった。経産省前テント広場で「坊さんの会」をやるので来ないかと言う。坊さんの会?ネットで調べてみると「呪殺祈祷僧団再結成祈祷会」というものがあるらしい。
ということで、8月27日(木)午後3時から経産省前テント広場で行われた祈祷会に行ってきた。

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(祈祷会チラシ)
祈祷会のチラシを見るとJKS47という文字が見える。
チラシによると
呪殺祈祷僻目四十七士〈J KS47〉とは
【再結成】
1970年、日本列島を公害列島と化し、多くの人々に障害と死をもたらした水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市大気汚染等々の重大な公害問題に立ち向かった仏教者を中心とする「公害企業主呪殺祈祷僧団」という集団があった。このすでに伝説化した「公害企業主呪殺祈祷僧団」をこのたび再結成する運びとなった。再結成にあたって「公害企業主呪殺祈祷僧団」を「呪殺祈祷僧団(JUSATU KITOU SOUDAN)」と改め、僧団員の数を忠臣蔵にちなみ四十七人とした。したがって、正式名称を「呪殺祈祷僧団四十七士」、略称を「JKS47」とする。
【理念】
「呪殺」とは、神仏のはからい、霊験によるものである。
「呪殺祈祷僧団四十七士〈JKS47〉」は、神仏による音霊・言霊に感応し、伝達することを使命とし、死者との「共存・共生・共闘」を理念とする。それは、神殺し、仏殺しであった神仏分離・廃仏毀釈にはじまる日本の近代の始めから現在に至るまでの夥しい負の遺産を継承し、敗者の視点に立ち、ひたすら死者の裁きを懇請し祈念することである。
「死者が裁く」とは、近代化の悪潮流としての生者エゴイズムを糾弾し、死者との共存・共生・共闘を唱えた上原専禄の『死者・生者』にある言葉である。
【活動】
戦争法案廃案!安倍政権退陣!原発再稼働阻止!売国奴に死者の裁きを!
これが当面の緊急課題だが、安保関連法案の根本に存在する安保条約、日米地位協定を見直し廃棄することが最大の眼目である。』
とのことである。

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経産省前テント広場には、すでに数十人の人たちが集まっていた。顔見知りもいたが、その中にサックスをを抱えた人が居る。ちょっと場違いな感じと思ってよく見ると、末井昭さんだった。1970年代、白夜書房という出版社があって「写真時代」という雑誌を出版していたが、その編集者である。最近はサックスをやっているらしい。赤瀬川源平さんの本を読むと、末井さんは「スエイさん」という名前で出てくる。

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(末井さん)
呪殺祈祷教団の法要が始まった。

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【勧請(かんじょう)】(大導師独唱)
これより呪殺祈祷僧団再結成JKS47によります呪殺祈祷を勤修いたします。呪殺という言葉は、神仏の言霊を祈誓し、現代の悪潮流を生み出す自他共の煩悩を滅殺するための祈りでございます。
お手元に式次第をお持ちの方、どうぞご一緒に「観世音菩薩普門品 第二十五」をお唱えいただき、また、南無妙法蓮華経をお唱えする段がございますので、ご唱和いただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、これより呪殺祈祷僧団四十七士呪殺祈祷法要を勤修いたします。

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(式次第)

合掌 南無妙法蓮華経・・・・

【読経 「観世音菩薩普門品 第二十五」】
(中略)

【表白文】(表白導師独唱) 福島泰樹氏

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(スピーカーの具合が悪く、聞き取れない部分あり)
(前略)そもそも我ら呪殺祈祷僧団とは、1970年9月7日、丸山照雄、梅原正紀、松下隆洪ら僧俗8名によって結成されし公害企業主呪殺祈祷集団の命題を引き継ぐものなり。呪殺とは国家企業によって殺されし死者の裁きを代行し、死者の声を祈祷により代弁するものなり。
1969年4月末、妻を失った歴史学者上原専禄は、妻への回向を通し、妻の常在を実感するに至った。死者との共闘の端緒である。そして、死者とともに生きるという実感は、日本の社会生活の実際の苛酷な現実を引き出し、さらに死者を拒絶する生者だけの世界を否定し、妻の死以前は観念的問題でしかなかったはずの虐殺の犠牲者たちが生き生きと立ち現われてくるに至るのである。
アウシュビッツで、アルジェリアで、ソンミで虐殺された人たち。その前に日本人が東京で虐殺した朝鮮人、南京で虐殺した中国人。また、アメリカ人が東京大空襲で、広島長崎の原爆で虐殺した日本人。それらはことごとく審判者の席についているではないか。そのような死者たちとの、幾層にも入り組んだ構造による共闘なしには、執拗で頑強なこの世の政治悪、社会悪の超克はたぶん不可能であるだろう。
この一文「死者が裁く」が朝日新聞に書かれたのは、告別式を終了してから11ケ月後の1970年3月になってからであった。そして、こう宣揚し死者に対する真実の回向を説く。それは生者である私たちが死者のメディアになって、この世界で審判の術を上げて行くことにしかない。
歴史学者の夫人への切々たる回向はアウシュビッツ、アルジェリア、ソンミ村、関東大震災、南京事件、東京大空襲、広島・長崎における虐殺者を被告人席に立たせ、虐殺させた数百万の審判者たちと共闘によって、頑強な政治社会悪と対峙してゆく姿勢を明確にしていくのである。
かくして、愛する者の不慮の死から発した死者との共闘は世界的規模を持って死者を内包しつつ、過去、現在、未来の存在の時空を駆け巡るのである。
1906年9月、能登高浜の貧しい漁村に生まれ苦学、関東大震災、治安維持法を生きて生涯を闘い抜いた歌人坪野哲久はこう言った。
残忍で強欲で流血を好むこと猟獣よりも甚だしい。我々の世界はこのような人間どもの集団であり、社会であり、歴史でもあるのだ。さらに支配する者と支配される者、強大国と弱小国、人間による人間の収奪と搾取と大量殺りく、そしてぬけぬけと猛々しく政治とか平和とかの美名を掲げている。老パルチザン坪野哲久は1988年11月、昭和尽、自らの死を前にしてこう歌った。
民衆を苦しめる奴とめどなく極悪な利権の・・・
民衆を苦しめる奴とめどなく極悪な利権の・・・
民衆を苦しめる奴とめどなく極悪な利権の・・・

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1960年6月15日、国会構内で虐殺された東大生樺美智子の声が聞こえる。
でも私はいつまでも笑わないだろう。いつまでも笑えないだろう。それでいいのだ。ただ許されるものなら、最後に人知れず微笑みたいものだ。
言葉には魂が宿っている。22歳の樺美智子は死んではいない。新生日本を見つめ、この悪しき地上に拠って闘うことを今も止めない。我々呪殺祈祷僧団に集う僧俗は高らかに死者と連帯し死者と共闘する。

写真家の声に耳を傾けよう。
この国はすでに三権分立さえも危うくなったように思う。戦後50年間、自民党政権は改正手続きも民意もとらないまま憲法を拡大解釈し、自衛隊を保有し、自衛隊の海外派兵までも合憲とさせた。侵略戦争の果てに国際連盟と闘い、320万の国民が殺され、全国の都市がほとんど焦土になり、100万人の子どもが親と家を失って戦争孤児となり、全ての国民が飢餓に晒された悲惨な戦争を性懲りもなく繰り返すつもりか。
写真家福島菊次郎、1921年3月山口に生まれ。国家が見せた戦災孤児や被爆者の悲しみを撮り続け、上京後には三里塚闘争、ベトナム反戦、全共闘、自衛隊と兵器産業、公害、福祉、環境問題など、執拗に歴史と国家の悪を撮り続けた。
太平洋戦争における非戦闘員の死者は約140万人で、消失家屋は228万戸と言われるが、そのほとんどが敗戦の昭和20年にサイパンを発進した焼夷弾攻撃によるもので、1000万人近くが住居を奪われ、戦後の荒廃の中で投げこまれた。あるべきことか、日本国は東京大空襲、全国都市への空襲、広島・長崎への原爆投下の大量虐殺を命令実行した米空軍大将に、勲一等旭日大綬章を授与した。東京オリンピックが開催された1964年、受賞を決定したのは、時の内閣総理大臣佐藤栄作。A級戦犯で60年安保を強行採決した岸信介首相の弟である。その岸信介は安倍首相の祖父であり、佐藤栄作は安倍晋三の大叔父にあたる。93歳を迎えて写真家福島菊次郎は言った。
人の生命には限界がありますが、悪しき権力者は孫の代に続いて更に次の代まで続こうとしています。人の生命には限界がありますが、悪しき権力者は孫の代に続いて更に次の代まで続こうとしています。けだし、至言である。悪しき権力者の悪しき遺伝子、悪しき野望を今すぐに打ち砕かなければならない。悪しき権力者の悪しき遺伝子、悪しき野望を今すぐに打ち砕かなければならない。

戦後70年の8月、福島の原発事故は顧みられることなく、川内原発は稼働を開始した。沖縄県民の平和への願いは無視され、辺野古に基地が作られようとし、戦争法案が平和安全法案という名に偽装され、今まさに参議院で強行採決されようとしている。
億万の死者たちは、日本人を戦争に巻き込み、国土を死の灰で汚染する者たちを許しはしないであろう。

海中(わたなか)を漂流し行く魂の悲しみ深く泣きわたるべし

呪殺とは呪い殺すの意ではない。呪殺とは呪い殺すの意ではない。虐殺された死者たちからの切羽詰った伝言であり、叫び声であり、怨嗟を込めた最後の言葉に他ならない。
呪殺とは呪い殺すの意ではない。虐殺された死者たちからの切羽詰った言葉であり、叫び声であり、怨嗟を込めた最後の言葉に他ならない。
彼らの痛苦を代弁する言葉、それが呪殺である。彼らの痛苦を代弁する言葉、それが呪殺である。
呪殺祈祷僧団に結集した我ら僧俗は、本日ただいま、憲法順守を願う人びとが集うここ経産省前テント広場において、死者と、死者の痛苦を代弁し、正にここに呪殺祈祷僧団を結成する。
呪殺祈祷僧団に結集した全ての僧俗は、本日ただいま、憲法順守を願う人びとが集うここ経産省前テント広場において、死者の願い、死者の痛苦を代弁し、再びここに呪殺祈祷僧団を結成する。
(中略)

【呪殺祈祷】
読経と法具のリズミカルな音に合わせて、末井さんが即興でサックスを吹く。

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【お題目三唱】
太鼓を叩きながら南無妙法蓮華経をお唱えする

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法要もいよいよ最後。

それでは、ただいま再結成いたしました呪殺祈祷僧団JKS47を代表してご挨拶をいたします。

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【呪殺祈祷僧団代表挨拶】
本日はこのように多数の方に、この反原発テント、経産省前のテントにお集まりをいただきまして、また、私たちの呪殺祈僧団再結成式にお立会いをいただき、祈祷法要をお見届けいただきまして、大変ありがとうございました。
本日は、さきほど祈祷祈願回向の中で申し上げましたが、日蓮大聖人の第756回目の松葉ケ谷ご法難の命日でございます。日蓮大聖人は、この松葉ケ谷の法難を振り出しに、伊豆・伊東、小松原、佐渡と数々の法難に会われました。まさに日蓮大聖人が最初のご法難に会われましたご聖日、古来よりの伝承ではございますが、8月27日という日は、この松葉ケ谷ご法難のご聖日でございます。その時、大聖人は御年39歳でございました。
正嘉の大地震によりまして、日蓮大聖人も鎌倉の正嘉の大地震の被災者でございます。つぶさに大地震をご覧になられ、お心を痛められ、そしてしたためられましたのが立正安国論でございます。この立正安国論を提出されましてから約40日以上は経ってございますが、松葉ケ谷に念仏者を中心とする人たちによりましてご草案が焼き打ちされるということが起こった訳でございます。松葉ケ谷のご草案は、以後、大聖人は約20年間布教の拠点といたしまして、もちろん8月27日にご草案が消滅したということではございませんが、そのようなご法難の記念すべきご聖日でございます。
その日に、私たちがこのようにして呪殺祈祷僧団を再結成できましたことは仏典の御加護によるものと思います。
さきほど、表白文の中でも申しましたが、呪殺とは単に人を殺す殺人ではございません。私たちは神仏の裁き、死者の裁きを懇請し祈念するということを菩薩行としてお勤めして参りたいと存じます。
どうも、これからも私たちがこのような形で法要を営むことがあると思いますが、その節はどうぞ皆様もご参集いただき、ご一緒に私たちと共にご祈念を賜りたいと存じます。
本日はどうもありがとうございました。

法要終了後は記念撮影。パチリ。

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法要は約45分間、特に、ここにも掲載した歌人福島泰樹氏の「表白文」は聞いていてとてもよかった。この部分は是非、肉声を「音」として聞いてもらいたいと思う。
また、「呪殺祈祷」の読経と法具と末井さんお即興のサックスもなかなかいい。
この「呪殺祈祷僧団祈祷会」は以下のアドレスでユーチューブで見ることができる。

【お知らせ】
10・8山﨑博昭プロジェクトの第3回講演会のお知らせです。

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●日時 10月10日(土)19:00開場、19:30開演 21:30終了予定
●会場 新宿文化センター小ホール
アクセス
・都営大江戸線・東京メトロ副都心線/「東新宿駅」A3出口より徒歩5分
・東京メトロ丸ノ内線・副都心線/「新宿三丁目駅」E1出口より徒歩6分
・都営新宿線/「/新宿三丁目駅」C7出口より徒歩10分
・JR・小田急線・京王線・西部新宿線/「新宿駅」より徒歩15分
●参加費 2,000円

●講演(第一部)
「家族という病・国という病」 下重暁子(作家)
●詩と音楽の夕べ(第二部)
出演・小室等(歌手・作曲家)
こむろゆい(歌手)
道浦母都子(歌人)
佐々木幹郎(詩人)

【献花と黙祷】
講演会に先立ち、羽田・弁天橋で山﨑博昭を追悼し献花と黙祷を行います。希望者はご自由にご参加ください。
*現地集合:京浜急行「天空橋」駅前 10月10日(土)14:00

主催:10・8山﨑博昭プロジェクト
公式ホームページ http://yamazakiproject.com/

参加を希望される方は以下のメールあてに申込み下さい。
E-mail monument108@gmail.com

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